【アジア王者を目指すキミたちへ】前回大会の主軸2人が託す想い。「楽しみながら、僕らの分まで」(伊藤圭汰&中村充)
PHOTO BY川嶋正隆
大事なことは楽しむこと
──大会中は同世代の選手とずっと一緒に生活していたわけですが、ピッチの外ではどうでしたか?
伊藤 語弊がある言い方かもしれないけど、楽しかったよね。
中村 うん、楽しかった。
伊藤 合宿中もそうだけど、みんながずっと一緒。名古屋の合宿では昼寝も一緒だった(笑)。
中村 あったね(笑)。
伊藤 オーシャンアリーナのロッカーに布団敷いてね(笑)。
──昼寝も一緒(笑)。
伊藤 そうなんです。本当に一緒にいる時間が多かったよね。
中村 昼ごはんを一緒に食べて、そのままみんなが川の字になって寝てた。
伊藤 最初の頃はホテルに帰ってたんだけど、次第にオーシャンアリーナで昼寝するようになったんだよね。(鈴木)隆二さんも「俺たちは家族だ」って言ってた(笑)。それがテーマだったし、年齢が近い分、話も合っているから楽しかったですね。
──面白いエピソードもありそうですね。
中村 ああ、坂(桂輔)の寝坊とか(笑)。
伊藤 寝坊なんてしたっけ?
中村 寝坊じゃないんだけど、宿舎で昼寝していて集合時間の3分前くらいに「坂がいない!」ってなって。あいつはベットとベットの隙間に(落ちて)寝ていたんだよね。それを誰が起こしに行くかという話になって、驚かすために隆二さんが。声を掛けたら飛び起きて、めっちゃ焦ってた(笑)。
伊藤 あんまり覚えてないや(笑)。あと覚えているのは食べ物(タイ料理)の辛さ。みんな苦戦してた。
中村 圭汰はすぐに食べられるようになったじゃん。
伊藤 俺とか坂はすぐ慣れた(笑)。充は全然食べられなかったけど。ご飯とふりかけだけの人もいたね。
中村 俺はマジで食べられなかった。体重が1日で1キロくらい減ったからね。もともと辛いのが苦手で、圭汰とかはすぐにカレーを食べてたけど、無理だった。ご飯にふりかけ掛けて、肉を食べる。しかも初日は、危ないから野菜も食べちゃダメって言われていたし。
伊藤 辛いのダメだから、そもそも食べられるものが少ないのにね。
中村 そうそう。圭汰は1日目の昼ごはんからすぐ食べてて、なんでこんな食えるんだろうって思ったもん。
伊藤 タイには行ったことがあったし。
中村 俺は東南アジア自体が初だった。
──同じ釜の飯を食った仲間とは今でも連絡を取り合うんですか?
伊藤 今も仲良いよね。
中村 試合で会えば話すね。
──では、この大会を通して得たものは何かありますか?
伊藤 やっぱり、決めるべきところを決めるということ。あとは、最後まで何が起こるかわからないってことですね。わかってはいたつもりだけど、あの大会を経験してより強く思った部分ですね。
中村 同じだ。決めるべきところを決めるところ。(アスピランチが所属する)関東リーグと代表では、1点の重みが違ったよね。1点で相手に流れが行ってしまうから。日本では味わえないものだった。あとは、自分のミスからの失点がいくつかあったなかで、一つの判断、一つのミスが失点になることを強く感じました。
──そういうものに気づけたという意味でも、本当に大きな経験をされたと思います。だからこそ、これから始まる大会に挑む選手たちにも、いろいろなものを吸収して帰ってきてもらいたいですね。
中村 一番は楽しんでくること。
伊藤 それだね。
中村 楽しむところがないと良いプレーはできないから。俺らのときより合宿の期間も長いから、チームとしての完成度は高いだろうね。プレッシャーもあるだろうけど、まずは楽しんで、優勝目指して頑張ってほしいです。
伊藤 簡単な試合はないから1試合1試合で気持ちを入れて戦いながら、同時に楽しむこと。国を背負って戦う経験はなかなかできないからこそ、それは誇りに思ってほしい。楽しみながら僕らの分まで戦ってほしい。
──唯一の2大会連続出場となる山田慈英選手は、その楽しさや喜び、悲しみ、悔しさを味わった仲間ですよね。そんな彼が、エースとして今大会に臨みます。
伊藤 あのときは本当にかわいいやつだった(笑)。
中村 かわいいやつって(笑)。
伊藤 本当に「後輩」って感じだった。17歳とかだよね。でも、チーム唯一の左利きだったし、重宝されていた。パワープレーもすごく助かっていたよね。
中村 そうそう。そういう選手が引っ張っているわけだし、ぜひ優勝目指して頑張ってもらいたいですね。
Interview by Masataka KAWASHIMA
【Contents】
【U-20日本代表全力応援企画】アジア王者を目指すキミたちへ
MESSAGE 1 前回大会の主軸2人が託す想い。「楽しみながら、僕らの分まで」(伊藤圭汰&中村充)
MESSAGE 2 U-20からA代表へ駆け上がった先輩から。「思い切りやれば、間違いなく次につながる」(内田隼太)
MESSAGE 3 “清水世代”のエースが贈るメッセージ。「悔いを残さないように1試合を全力で」(清水和也)
MESSAGE 4 悔しさに涙した“イラク戦”のその先へ。「幸せを噛み締めながら、頂点を目指してほしい」(植松晃都)
MESSAGE 5 最後まで“一緒に”戦ったバックアップメンバー。「アジアを獲れるメンバーがそろっていると思います」(新田駿)
MESSAGE 6 大学フットサルとFリーグの“掛け持ち”を経て。「思い切り楽しんで、一瞬一瞬のプレーを大事に」(石田健太郎)
MESSAGE 7 準々決勝敗退の悔しさが、今の活力に。「悔いのないプレーをして日本にタイトルを持ち帰ってほしい」(鬼塚祥慶)
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