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【日本代表】2020W杯へ向けて、ブルーノ監督と日本フットサルが挑む一大プロジェクト。「チーム作りは70%に達している」

PHOTO BY軍記ひろし

日本代表は常に自分たちが主役となるチーム

──東アジア選手権の枠組みとアジア選手権本大会への出場権獲得の条件、大会のレベルなどを教えてください。

東アジア選手権という名前の通り、自分たちは東アジアのグループで、参加するのは7カ国あります。その7カ国のうち上位3カ国が、2020年に行われるアジア選手権の本戦への出場権を獲得します。7カ国が2グループに分かれ、日本は3カ国のグループに入りました。対戦相手はマカオと韓国になります。

グループの1位は自動的に出場権を獲得し、2位のチーム同士が3つ目の枠を争うというレギュレーションです。10月22日にマカオ、24日に韓国と対戦することが決まっています。そこでの目標は、グループのチャンピオンになること。1位になって、本戦の出場権を獲得したいと思っています。

マカオは前回の東アジア予選で戦っていますし、韓国とは本戦で戦いました。そこでの学びと、これからのスカウティングでしっかりといい準備をしたいと思っています。自分たちが一番注力しないといけないのは、この2試合ということです。ここでしっかりと勝利して本戦にいくために全力を尽くしている段階です。

──タイとの2試合は別々の選手を起用するのか、1試合目を経てブラッシュアップして2試合目に臨むのか?

現段階で言えるのは、2試合で異なるゲームプランを用意してあるということです。その一つは、目の前のタイ代表に勝つためのプランニングです。別のプランは、その先の東アジア選手権を想定したものです。

16名の選手のうち、70%を占めている中核の選手は、このゲームに勝ち、その先の東アジア選手権でのプレーにつなげるため(の準備)。一方で30%の選手たちは、その枠を争います。キャンプではなく国際試合でどういったパフォーマンスが出せるのかにも期待しています。その選手たちにもしっかりとしたプレータイム、チャンスを作ることを考えています。

──監督がここまで積み上げてきて集大成に向かっていくなか、チーム作りは何%達成されているのか?

先ほど、選手構成の話で70%と30%というお話をしました。その数字と同じくらいかなと思っています。100%に向けて、選手をフィルタリングして、中核組と新たな可能性がある選手への可能性を作っています。最終形である(選手構成の比率が中核と新たな可能性がある選手の)8:2に向けて進めている段階です。なので、今の完成度は70%だと思っています。

──前回のW杯予選(アジア選手権)で日本は敗れました。監督の下でいい結果を出すために何が一番大事か?

前回の敗戦は、決して忘れてはいけません。そこからの学びを持った上で、新しい希望を開拓していく。それを実行するマインドが一番大事だと思っています。間違いなく日本のレベルは、W杯に行かなければいけないところにあると確信しています。それに値する取り組みをしていますし、日本はW杯に出るに値する国です。失敗から学ぶこともありますが、希望と強いマインドを持って臨むことが大事だと思います。

大会ごとにアジアのレベルが上がっていることは間違いありません。そのいい例が、2016年のベトナムの躍進です。とは言え、忘れてはいけないのが私たちは日本です。アジアのなかで長年、フットサルを引っ張ってきて、称賛に値する結果を出しています。日々の取り組みも含めてそういう国です。前回、敗れているからといって、それが崩れ去るものではありません。アジアでそういう強い国だという誇りを持って臨むことが大事です。

──大事なチャレンジに向けて、木暮賢一郎コーチはどういう存在か?
(※会見の通訳は木暮コーチが担当)

すごく大事です。鈴木隆二コーチ、内山慶太郎GKコーチ、下地達朗フィジカルコーチなど、自分にとって幸運なことは素晴らしいスタッフに恵まれているということです。いつも言っていますが、身近なところに辿り着くためには1人でも可能かもしれません。遠い目的を達成するためには1人では難しいです。いいスタッフ、仲間がいることでそこに辿り着くことができます。選手経験、監督経験があるスタッフとの意見交換は、自分の目的を達成するためのプランにも大きな役割を担っています。

──今回の試合は地上波で放送されるため、今まで以上に多くの方にフットサルを観てもらう機会。選手個人の技術や積み重ねてきたグループの戦術など、どういった部分に注目して観てもらいたいか?

自分の哲学でもありますが、日本代表というチームは常に自分たちが主役となるチームです。どういうことかというと、自分たちがしっかりとボールを持って、主役としてゲームを進めていきます。ボールを保持し続けて、主役としてプレーするために2つのシステムがあります。それは3-1と4-0です。この2つのシステムをうまくトランスフォーム、ミックスしてプレーするのがスタイルです。

ボールを失ったとしても、できるだけ早くボールを奪い返します。トラジションというシチュエーションでも相手を上回ります。主役としてプレーするためには、守備でもそういうアグレッシブな守備をします。なので、ボールを持っていても持っていなくても、常に自分たちが主役。イニシアチブを取り続けるチームです。

セットプレーでも多くのバリエーションを持っているので、そこも注目して観ていただきたいと思います。今いったような部分は、日本代表として掲げているアイデンティティです。その部分を見どころとして、興味を持って観ていただければと思います。

(チームとして)ゲームを支配し続けることをお話ししましたが、そのなかで個人とし違いを出せる選手もいます。仁部屋和弘選手や、加藤未渚実選手、室田祐希選手といったサイドでの1対1を仕掛けることが得意な選手もいますし、森岡薫選手や星翔太選手といったピヴォで違いを出せる選手もいます。そういった選手の個の部分も重要です。観ていただく方たちにとっては、1対1やフィニッシュのシチュエーションを見ていただければと思います。

先ほど挙げた名前の選手は攻撃の選手ですが、一方では、自分たちにとって忘れてはいけない素晴らしいプレーヤーは、皆本晃選手や滝田学選手、吉川智貴選手、西谷良介選手といった40分間、途切れることない集中力でゲームを落ち着かせ、ゲームを作る選手。彼らの存在も価値があります。

また、フットサルというスポーツは攻守の切り替えが非常に早いですし、フィニッシュのシチュエーションが非常に多いです。なので、(ピレス・)イゴール選手や関口優志選手といった、GKの存在も非常に大きいです。GKがプレーに関与する割合も非常に高く、それも特徴の一つなので、彼らのパフォーマンスもぜひ観ていただきたいと思います。

自分たちの第1の目標は、このゲームに向けていい準備をして勝つことです。それと同時に、このスポーツの魅力やおもしろさを知ってもらいたいと思っています。今挙げたような個人の部分も重要です。来ていただくお客さんには、2、3時間の会場にいる時間で本当に楽しい思いをしてもらって、「次にいつフットサルの試合があるんだろう」という気持ちになって帰ってもらえるようなゲームをしたいと思います。

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