【単独取材】フットサルはラグビーW杯の成功に続けるか? ブルーノ監督が日本の関係者に求めること
PHOTO BY軍記ひろし
「前向き視点」で選手に力を与えてほしい
──今回はスペイン代表との対戦がありますし、いろんなチャレンジを考えていると思いますが、この遠征における狙いやテーマを教えてもらえますか?
オルドス市での大会を終えて、アジア選手権の出場権を獲得して、今後はそこに向けての活動を進めていく第一弾となるわけですが、主に2つのテーマがあります。一つは全般的な継続、強化をしていくこと。もう一つは、ポイントポイントで、特定の相手、ライバルに対してどういった準備をしていくのかということをシミュレートしたスペイン代表との試合となるので、その意味合いとしては、世界基準の国に対して、我々がどの位置づけにあるかを計るための機会でもあるということです。
自分が来てからは、すべて実現しているわけではないですが、対外試合を組むときには、基本的にそういった、なるべく高い基準を持っているチームと対戦することで自分たちの立ち位置を計りたいと考えてきました。だからこそ、遠征でイラン(2018年9月)やポルトガル(2018年10月)と対戦したり、アルゼンチン(2018年1月)にきてもらったりしました。今回はスペインに行きます。それによってこそ、初めて、私たちの強化の進捗状況がわかるのかなと思っています。
──僕らメディアも、来年のW杯を目指す日本代表チームの船に一緒に乗り込んでいると思っています。今年はラグビーW杯が大きな盛り上がりを見せましたが、フットサルもそこに向かっていけたらと考えています。もちろん、まずはアジア選手権に勝利してW杯の出場権をつかむことが何より大事ですが、その先に必要なことがあると思います。どうやって代表チームと一緒に進んでいけるか、いつもオープンにお話しいただけるブルーノ監督の協力も仰げたらと考えています。そういう意味で、フットサルという競技を、日本国内で盛り上げていくという視点で感じていることはありますか?
私もみなさんと同じように、乗組員の一員だと思っています。代表チームが置かれている背景にはいろんなものがあります。そのなかで一番、感じているのは「国」であり、それを支える「サポーター」のことです。それと、代表チームと相互に協力し合っている「クラブ」や「メディア」、「スポンサー」など、いろんな方がいると思います。そこで、みなさんが「自分たちもメンバーとして参加しているんだ」という感覚を持つことは、本当に重要なことです。自分は思ったことはハッキリと口にするし、思っていないことは言わないというタイプの人間だと自認しています。
2016年に日本代表はW杯に行けませんでした。来日前にも想像はしていましたが、もう3年が過ぎましたから、日本の方々がどんなメンタリティを持っているかはだいぶわかるようになりました。というところで、自分の視点であえてお願いがあるとすれば、「これを逃したらどうなるか」ではなく、「これが行けるようになったらどう変わっていけるか」にフォーカスした表現に重きを置いてもらえたらいいなと。
実際に3年間、(2020年の)アジア選手権を勝ち抜いてW杯に行くんだということを目指してきましたし、どこでどんな発想が生まれて取り組んできたのかを、無視しているわけではありません。2016年に起きたことは、現実として認識しています。「前向き視点」、「後ろ向き視点」があったときに「前向き視点」に重心を乗せた話をしていきたいということが私の願いです。
そういうふうにサポートしてくださるとどんなことが起きるのか。今回、リストに入って競争している選手、選ばれた後に競争している選手に対して、大きな力になります。自分だけではないですが、実際にW杯に行って、それを味わうということは、違う世界です。経験がある人もいると思いますが、その違いがあるからこそ、そこを目掛けて前向きにいきたいです。そして全員で、それを味わうに値する経験を、W杯でするということです。
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