更新日時:2020.06.20
【木暮賢一郎×窪堀宏一オンライン対談】「師弟対決!木暮vs窪堀60分一本勝負!」。Fリーグ優勝監督&コーチのトークセッション。ここでしか聞けないライブ配信がアーカイブでも視聴可能!
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5月15日(金)、フットサル指導者の木暮賢一郎氏と窪堀宏一氏によるオンライン対談が実現。その模様は木暮氏が主宰するオンラインサロン「フットサル・コーチング・ラボ」の公式YouTubeチャンネルにて無料でライブ配信され、番組終了後の現在もアーカイブで視聴できる。
木暮賢一郎にとって、フットサルとは?
今回のタイトルは「師弟対決!木暮vs窪堀60分一本勝負!」。シュライカー大阪がFリーグを制覇した2016シーズンの監督とコーチによる対談は、窪堀氏が「グレさんに聞きたいことを聞きまくる」フリーセッションとなった。配信後に、窪堀氏が「(トークの)ポゼッションはほぼグレさんでしたが、内容は僕のプラン通りでした」と振り返ったその中身とは。ここでしか聞けない、木暮賢一郎の知られざる一面も明らかとなった。
窪堀氏からの最初の質問は「グレさんのアイデアの源泉はどこにあるのか。どこから引き出してきたのか。頭の中でどのように整理していたのか?」というもの。窪堀氏は大阪時代、U-18の監督、サテライトおよびトップチームのコーチを兼任してきたが、サテライトの紅白戦では、木暮氏と窪堀氏がそれぞれのチームを率いて戦うということも多かったという。そこで目の当たりにするセットプレーや、そもそものアイデアを高校生に落とし込んでいる姿に大きな刺激を受けてきたのだ。
「これはあくまで自分の考え方なのですが、監督としての自分がやりたいフットサルはもしかしたらかなり不変なものです。ただし、システムや戦い方は、カテゴリーや選手で変わります。それが合わさったものがゲームモデルですね。ハイプレスや、点をたくさん取りたいというところは変わらないけど、どうやって点を取るかはいる選手によって変わります。
とは言え、自分のやりたいものや目指すものをブラッシュアップしていかないといけない。それはセットプレーや新しいサインプレーかもしれないし、新しいトレーニングかもしれない。常に研究ですね。
その研究については、大きく2つあります。一つは、試合をめちゃくちゃ見るということ。自分のチームもそうだし、似ているシステムを採用しているチームもそう。新しいアイデアを出してくる監督は世界中にいるので、そういうものを見ています。自分のチームについても、何が良くて何が足りないか、ゲームを誰よりも見まくっています。
もう一つは、自分のトレーニングを何度も見直すということ。大阪では、サテライトもU-18もトップも、自分がやったメニューを撮影してもらっていたので、それを何度も見直す。起こしたい現象や、それをどう連動させるかというところ。新しいルールや、ピッチサイズなどを設定した際に、自分が起こしたい現象をどうやって起こすのか。
映像を見ながら、作戦ボードを片手に、時にはスタッフにこれはどうかなと相談しながら。それしかないですね。自分としては、その作業は監督になったところから始まったものではなく、若い頃から、ブラジルなどのビデオを見て真似していたのと同じ仕組みです。これはどうやっているんだろうというのと今の話は、原点は一緒のところです」(木暮)
続いての質問は、「マネージメントはピッチ外のことも大きかったと思います。何を意識していましたか?」というもの。木暮監督のピッチ内だけにとどまらない視野の広さに迫る質問だ。
「自分がいいと思っていたことが、選手とは違う解釈ということもありましたし、いつもうまくいっていたわけではなく、失敗もいくつかありました。振り返れば、そうした失敗から学んだ背景もありました。
特に1年目は、リーグ優勝するためのプロセス。3年計画でチームを作ったなかで、1シーズン目は(選手補強から関わって就任したわけではないので)新しい選手を補強するわけではなく、既存の選手と新しい選手を育てて、世代交代もしていくという方向性で進んでいきました。自分としても、クラブを率いるのが1年目でした。現役時代に一緒に戦ったような30歳を過ぎた選手が多かったのですが、彼らについては、同じ選手としての印象や関係性、評価、性格も知っています。とは言え、チームのプロジェクトがあるので、1年目は苦渋の決断をすることがありました。もしかしたらベテラン選手が納得のいかないなかでも、若手を起用することもたくさんありました。そうしたシーズンを通した学びは財産です。
優勝のベースは1年目にあったと思います。30歳を過ぎた選手をどのように起用するかなどは、理想と現実でしたし、どこにたどり着くかを考えた末に、悩みながらも決断していました。そういう意味では、このチームは何を目指しているのかを考えて、犠牲を払って、コミットできる選手がそろっていた。選手の積み重ねの強みですね。僕自身、30代の選手をすごく大事にしているのですが、彼らには特に、ピッチ外の振る舞いを見ることが強いのかなと。年齢に関係なくハイパフォーマンスできる選手はたしかにいますが、自分に置き換えても、32、33歳のときは最高のパフォーマンスではありませんでした。プレースタイルも変わっていましたし、それまで入っていたシュートが入らなくなったり、若手の勢いに押されたりすることもありました。20代の野心よりも、守るものもありました。
村上(哲哉)や奥田(亘)、まだ若かったですが永井(義文)など、優勝して引退した選手は試合に出られなくても貢献してくれました。佐藤(亮)や冨金原(徹)もそうですね。1分しか出られなかったとしても練習から100%でやってくれて、背中で見せるというマインドを持つ選手が腐らずにやってくれたことが心強かった。そういうメッセージを伝えていた選手が残ってくれていたことが大きかった。自分としては、チームが良くなるような声がけや、メンバー外の選手にも情熱を持って接することなどもしてきたと思いますが、そういう選手がいい模範となってくれたことが一番だと思います」(木暮)
先にも伝えたように、完全に木暮氏が支配する展開。しかし窪堀氏は、「好きな漫画は?」、「好きなフットサル選手は?」、「最近イチオシのチームは?」など、普段では逆になかなか聞かないような質問も織り交ぜながら、トークを広げていった。そして「60分一本勝負」のまさに「60分」が経過しようとした頃に、「ここからが本題なのですが……」と対談は延長戦へ。木暮氏の失敗談やそれをどのようにして乗り越えたのかなどを引き出しながら、まさにここでしか聞けないようなテーマが次々に展開していった。
──グレさんにとって、フットサルとは?
「出会わなければ今の自分はない。サッカー選手になりたい夢を叶えられなかったけど、フットサルに出会えたから今がある。自分の人生を変えた存在ですね」
まるでドキュメンタリー番組の一幕のような掛け合いが飛び出し、最後は木暮氏の未来のイメージや、木暮氏が語る窪堀氏とのエピソードなどを交えながら、1時間半近くにおよんだ対談は終了した。
6週連続で展開してきたスペシャル対談は、今回でひとまず最後となる。ライブ配信直後の「アフタートーク」には、高橋健介氏や谷本俊介氏も登場して、今回の配信だけではなく、過去6回の配信を振り返りながら最後まで熱いトークを繰り広げていた。主催者であるオンラインサロン「フットサル・コーチング・ラボ」では、引き続き、日本最高峰の指導者たちが、一般の指導者や、サッカー・フットサルファンなどを巻き込みながら、オンライン・オフラインで交流できる企画を展開していく。
■スペシャル対談アーカイブ
・木暮賢一郎×窪堀宏一スペシャル対談 「師弟対決!木暮vs窪堀60分一本勝負!」
・木暮賢一郎×内山慶太郎スペシャル対談 「フットサルの50%は本当にGKで決まる?」
・木暮賢一郎×福角有紘スペシャル対談 「日本一に導くグループマネージメント」
・木暮賢一郎×谷本俊介スペシャル対談 「未来のフットサルはどこへ行く?」
・木暮賢一郎×須賀雄大スペシャル対談 「トランジション徹底解剖」
・木暮賢一郎×高橋健介スペシャル対談 「ピヴォ当てか? クアトロか?」
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