更新日時:2020.08.25
【日本代表/記者会見】「今回のキャンプは3つの目的がある」。招集歴の少ない選手たちにブルーノ監督が求めるものとは。
PHOTO BY軍記ひろし
8月22日にトレーニングキャンプを終えたばかりの日本代表が、25日から28日まで4日間の活動を行う。
今回はFリーグが開幕間近ということもあり、各クラブ2名までを上限に選手を招集。皆本晃や室田祐希ら中核の選手が呼ばれている一方で、上原拓也や初招集の米村尚也といった選手も呼ばれ珍しい顔ぶれとなった。
そんな選手たちと行われるトレーニングキャンプ直前に、日本サッカー協会(JFA)はオンラインで記者会見を実施。ブルーノ・ガルシア監督が今回の目的とこれから代表の序列に食い込もうとしている招集歴の少ない選手についても言及した。
米村はディフェンシブで賢く攻撃にも関与できる
──先週に続いてのキャンプとなりました。今回の意気込みは?
前にも触れましたが、今回の(先週と分かれたものではあるものの)2週間におよぶキャンプは、本来は8月の早い時期に計画していたものがこのタイミングになりました。最終的に、こうして実施できたことは大変素晴らしいこと。強化を考えればありがたいのですが、一方で、Fリーグ開幕の直前ということでもあります。そうした背景もあって、各クラブのみなさんとも相談した上で、各クラブから最大2名ずつを招集するという形にして、なるべくリーグ開幕を前にした適正な活動となることを考えました。
今回は3つの目的があります。1つ目は、先週から参加するメンバーもいますので、彼らは継続した改善、向上をしてもらうこと。2つ目は、ケガや招集タイミングなど、様々な理由でしばらく呼べていなかったグループですが、再び代表チームのアイデンティティやプレーモデルを思い出してもらい、最速の適応をしてもらうこと。3つ目は、今回の初招集は1名ですが、招集が少ない選手も今回のキャンプを活用して代表チームのあり方や哲学、その仕組みを理解・体験してもらい、この先へとつなげていってもらいたいと思っています。
──やり方や仕組みとは、具体的にどういうところを吸収してもらいたいか。根幹となるアイデンティとは?
これまでも話してきましたが、私たちは対戦相手がどこであっても、ピッチの主役であることを目指したいと思ってプレーモデルを作っています。それを落とし込むと、攻撃でボールを持っているときには、3-1システムと4-0システムを円滑に切り替えていきたい。そのためには、新しい選手が、普段クラブでやっているシステムが3-1だけ、4-0だけということもあるので、滑らかにスイッチして切り替えられるようにする。
守備では、なるべく早く奪い返したいので、ゴールに近い高い位置で積極的に奪い返すことを狙っています。それを実現するための約束事や連動は、攻撃と同じように、各クラブで慣れていないこともあるかもしれません。あるいは、トランジションやセットプレー、CK、FKなどのたくさんのバリエーションを覚えて適応しないといけないということもあります。代表活動は時間がふんだんにあるわけではないので、一度触れるだけで高いレベルで吸収し、次は実戦で表現できることが求められるので、非常に難しいミッションになります。
もう一つは、このチームのやり方だけではなく、ここに来ないとわからないことがあるということです。外からではわからない、一緒の空気を吸って過ごさないとわからない価値観やピッチ外での関係性もあるので、そこにも慣れて、吸収し、自然と振る舞えるような状況ができるように。久しぶりの選手や初めての選手には、そうしたところを目指してほしいと考えています。
──招集歴が少ない選手がいる中で、皆本晃や室田祐希という中核選手がいます。彼らには、招集回数の少ない選手にどんなアプローチをしてほしいと考えていますか?
実際には皆本晃、室田祐希以外にも、加藤未渚実、平田・ネト・アントニオ・マサノリ、伊藤圭汰、石田健太郎、中田秀人、森村孝志、内田隼太、堀内迪弥が前回も参加していて、過去の通算招集でも活動を共にしているので、代表のやり方を知っている選手がいます。その中でも特に、最初に挙げた4人は経験が多く、アイデンティティの吸収レベルが高いので、それ以外のGK3人を含めた9人を引き込んでほしい。もちろん、自分たち自身の向上を考えながら、他の選手に対して働きかけてほしいと思っています。実際には、今回が初めてとなるのは米村尚也だけですが、その他の選手にも刺激を与えて全体的にいいキャンプにしてほしいです。
──以前、ラージリストは35人と話していました。7月から今回までで33人呼べています。多くの選手をこのタイミングで呼べることは大きい。同時に、コアなメンバー、そこに入っていく選手、招集歴の浅い選手という3層に分けたメンバーの序列の変更も今回のキャンプで考えているのでしょうか?
いつも自分が考えていて話したこともあるが、もちろん代表チームの活動は、チームが最高のパフォーマンスをもたらせる状況の選手を選んでいく。今回はいろんな状況を鑑みて各クラブ2人ですが、基本的にはコンディションがいい選手を選んでいます。その中で、3つの分類はありますが、特に2つ目にいる選手は常に中核に対して競争を突きつけています。自分のポジションを得るためにチーム内競争を自覚してポジション争いをしているので、非常にポジティブですし、チームに必要なことでもあります。競争は自然と起こるものもありますが、その状況を作れていることからも、健全な向上の軌道に乗っていると思っています。
──米村尚也が初招集。彼のどんなところを評価しているか?どんな期待をしているか?
まずは、去年からずっと追ってきているボルクバレット北九州の取り組みがしっかりとした環境の中で、高いパフォーマンスを見せている選手だというベースがあります。彼の特徴は、アラ・フィクソをやることになると思いますが、非常にディフェンシブで賢く、戦術的にも、攻撃にも関与できるという評価をしています。チームでの活躍はプレシーズンでも追ってきていますし。ただし、もう少し補足をすると、各クラブから最大2名ずつという設定をしているので、10クラブから選ばないと19名にはなりません。そこにも目を向けました。また、彼のパフォーマンス、戦術的なレベルの高さは、以前所属していたシュライカー大阪で、木暮賢一郎コーチが監督時代に指導していたこともあって、どんな選手かをよく知っていた背景もあります。そういったことを総合的に考え、このタイミングで来てもらうのがふさわしいだろうということで呼びました。
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