更新日時:2021.09.11
【日本代表/WEB取材】“あのFリーグベスト5”受賞から5年。加藤未渚実が悲願のW杯でアピールしたいこと
PHOTO BY高橋学
FIFA フットサルワールドカップ リトアニア2021まで、いよいよ1週間を切った。14日のアンゴラ代表との初戦に向け、大会前最後のオンライン取材が10日に行われた。
日本代表メンバーのなかで、フィールドプレーヤーの左利きは2人。そのうちの一人が、ブルーノ・ジャパンの中軸選手として戦ってきた加藤未渚実だ。ただ、大会を前にした国際親善試合では“3つ目のセット”で戦うことが多く、出場時間は増えるどころか減ってしまった。
それでも彼は、“この舞台で戦う意味”を考えていた。
2016シーズン、シュライカー大阪が初めてFリーグを制した年、強烈なインパクトを残してベスト5を受賞した加藤は、順調にステップアップを遂げ、悲願の舞台にたどり着いた。加藤はW杯で何を目指すのか。
「加藤未渚実」の名を知らしめたい
──リトアニアの生活はどうですか?
スペインからリトアニアに入ったのですが、スペインは乾燥して暖かかったので、こちらは涼しく、天気もいいし、ご飯も美味しいのでいい環境でプレーできています。
──大会までいよいよ4日と迫っています。どんな気分ですか?
「いよいよ」っていうのが一番です。もう親善試合はないので、次の試合が本番です。自分が代表でプレーしてきた期間を振り返ると、ここのためにやってきたんだということを実感しつつ、ピッチでは、ここまできたら楽しんで、悔いのないようにプレーしたいと思っています。
──加藤選手はまだ、世界的にそれほど名前が知られた選手ではないと思います。対戦相手にインパクトを与えることであったり、大会を通して「加藤未渚実」の名を知らしめたいといった意気込みや思いは?
まさに言っていただいた表現が正しいです。もちろん、日本代表のプレーモデルとしてはDFがかなり重要なので、そこを体現しつつ、持ち味のドリブルやシュートで終わる、ゴールにつながるプレーをしてアピールできたらうれしいです。
──海外遠征中に6試合を戦いました。加藤未渚実選手は出場していない試合もありますが、チームの出来や自身のコンディションなどをどのように感じていますか?
ブルーノ監督が示す、相手のコートで強いプレスをかけ、高い位置でボールを奪うことが、どのチームにも通用するという実感があります。タイプの違う国々と試合ができて、国によってそれぞれ特徴が違うと感じました。気をつけないといけないプレーが試合中にも出てきているので、そこを反省しながら、こういうプレーが狙われやすい、DFで改善しないといけないなど、全体としても、個人としても発見がありました。攻撃ではサイドで1対1の時間をつくれて、味方のサポートを受けられていたので、あとは大会でどうプレーするか、どうアピールするかですね。
──これまでの試合で、3つ目のセットで出場することが多かったと思います。他のセットよりも起用時間が短いことに対して感じることはありますか?
出場時間について多少感じることはありますが、与えられた時間のなかで100%のパフォーマンスを出すことが目的です。この期間になると、ピッチに立ったときにスイッチを入れ、ピッチで表現できるかが一番重要です。与えられた仕事をこなせるように頑張りたいと思っています。
──左利きも大きな個性だと思います。そのなかでの役割は?
プレス回避のフェーズでは、やはり自陣の右サイドで持ったときにいかにピヴォに当てるか。間(中央のスペース)にボールを刺せるかが優先順位です。その上で、自分がそこで持ったのであれば、対角の裏へのボールでしっかり押し込みたい。それで相手のラインを押し込んだら、右サイドで相手の脅威となるプレーをしたい。僕らのセットは逆サイドにドリブルができる(八木)聖人や、(皆本)晃くんが入ることもあるので、プレス回避の後にセットの強みを出せたらいいなと思います。
──左利きの選手として、パワープレーでも重要ですよね。
そうですね。同点の場面ですることも、負けている場面ですることもありますが、ここに立たせてもらっている意味ですよね。もちろん時間帯によってリスクを冒しすぎるのはよくないので、その時間にあったプレーを選択しながら。僕が入る右奥での左利きは、特徴的なポジションですし、ありがたみを感じつつ、勝利に貢献できるプレーをしたいと思います。
──ドリブルのイメージとして、サッカーとフットサルの違いなど心掛けていることは?
基本的に、仕掛けるときは相手を押し込んだ状態で、ミドルゾーンやハーフコート付近で自分がボールを持っているとしたら、自分のマーカーの後ろのスペースと、カバーリングがどれくらいの距離にいるのか。スペースがあればカバーがいないということなので、シュートを打つ時間や折り返す時間があることを理解してから仕掛けています。セットでも、シュートで終わろうという共通認識があります。ピヴォのカバーリングが僕に近ければ逆サイドに振って距離ができるので、そこで仕掛けてもらうこともできます。自分がボールを持ったときに、自分のマークだけではなく他のDFの位置も考えてドリブルする。仕掛けるなら、シュートで終わることを意識しています。
──左利きながら、逆に右の使い方も意識するのでは?
基本は左でシュートを打ちたいのですが、縦にいくと、左より右足で打ちやすいと思うので、DFはそこで一歩か二歩くらい守る幅が広がると思います。縦に切り返したあとは右で打ったほうが、シュートやセグンドには打ちやすいですから、右足の精度にはこだわっています。そこで内側に外してしまったり、関係ないところにパスしてしまうのは避けたい。クオリティにはこだわりつつプレーしたいです。
──流れでは左足でシュートを打つほうがいい。
そうですね。縦ばかりではなく、第2PKの10メートルより後ろの位置であっても、相手との距離があればカットインして、シュートで終わりたいというのがあります。
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