更新日時:2022.03.23
【全日本選手権決勝後会見/名古屋】引退する兄のため、今季限りで退団するクラブのため、優勝で終えたかった星龍太。「こういうふうに終わるのも自分らしい」
PHOTO BY高橋学
3月21日、JFA第27回全日本フットサル選手権大会の決勝戦が駒沢オリンピック公園総合運動場 屋内球技場で行われ、名古屋オーシャンズと立川・府中アスレティックFCが対決。1-0で勝利した立川・府中が初優勝を果たした。
今シーズン限りでの退団が発表されたキャプテンの星龍太にとっては、この決勝戦が名古屋の選手として臨む最後の試合というだけでなく、現役を引退する兄の翔太と共にプレーできる最後の試合という意味も持っていた。
優勝して最後をいい形で締めくくりたいところだったが結果は準優勝。望んだ形でシーズンを終えることができず、星が胸の内を明かした。
最後は気持ちよく終わりたかった
──試合を振り返って。
殴り合いか接戦だと思っていて、難しい試合になるのは分かっていました。相手は組織的に守って対策も練られてきましたが、立川・府中に自分たちが持ち味としているセットプレーで点を取られてしまった。その1点が試合を分けたというのは僕たちが点を決め切れなかったのと、「トーナメント戦はこういう試合なんだな」と実感させられました。
──2016シーズンからキャプテンに就任して長い間けん引してきた中、この試合を最後にチームを離れることになりました。
地元は東京ですけど、成人してからほぼほぼ名古屋にいて、プロとしてやってきて、いろんなスタッフ、スポンサーやサポーターの皆さんと交流を持っていけたのは名古屋でしか経験できなかったので、すごく感謝しています。
でも、翔太や笠井大輝が引退しますしチームを去る選手が今シーズンは多いので、最後は気持ちよく終わりたかったですね。それでも勝てないのはスポーツの世界で、その中に戦術だったりいろんな要素がある中で、厳しさを実感させられました。自分はリーグタイトルを落としたキャプテンでもあるので、こういうふうに終わるのも自分らしいなと思います。
──兄の翔太選手とプレーする最後の試合になりましたが、試合を終えてどんな心境ですか?
「これで終わりなんだな」と思う反面、幼稚園のときから一緒にやってきて、違うチームに所属することもありましたけど最終的には日本代表やオーシャンズでまた一緒にプレーすることになりましたが、ボールを一緒に蹴り続けた時間が長かったので、あまり実感が湧いてないです。でも、もしかしたら仕事で関わり続けるかもしれないですし、兄弟としての関係性は変わらないので、そこまで寂しい気持ちはないです。
──悔しい結果に終わってしまいましたが、この敗戦は、今後の名古屋オーシャンズにおいてどんな意味を持ちますか?
監督からも言われましたけど、こういう試合をすることでみんな何かしらの経験を得ることができたと思います。それは人生においてもそうで、困難な壁にぶつかったとき、それを糧にできるかどうかは自分たち次第。それができる選手たちがオーシャンズには揃っているので、来シーズンはもっと強くなると思います。
──キャプテンとしては選手に最後、どんなことを伝えましたか?
来シーズンから違うチームの選手にはなりますけど、まだこのチームのキャプテンなので「やり切った結果だから仕方がない。来シーズンは(全日本選手権のタイトルを)取り返そう」ということを話しました。「来シーズンは違うチームだろ」とツッコまれましたけど(笑)。
──今度は名古屋と対戦する立場になりますが、この敗戦を今後の競技人生にどうつなげていきたいですか?
まず、チームが変わると自分の立ち位置も変わると思いますし、そのチームに対して何をアプローチしなければいけないかは入らないとわからないものがあります。フウガに入りながら、自分のやっていかなければいけないことを見つけていくのが大事だと思います。こういったプレッシャーを受けながら試合を続けた経験は、僕しかいないと思うので、そういうメンタリティをフウガだけでなく、これからの若い世代に伝えることが大事だと思います。
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