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作成日時:2023.09.22
更新日時:2023.09.22

【日本代表|メンバー発表会見】「フィウーザ初招集」「齋藤日向“ダブル選出”」「逸見の入れ替え」木暮賢一郎監督が理由を説明

PHOTO BYSAL編集部

9月21日、日本サッカー協会(JFA)は、AFCフットサルアジアカップ予選に臨む14名、それとは別に若手を中心に国内合宿を行う14名、それぞれの日本代表メンバーを発表。同日、木暮賢一郎監督がオンラインで記者会見を行った。

そこでは、フィウーザを初招集し、齋藤日向を“ダブルで”呼び、逆に、逸見勝利ラファエルを外した理由など、今回のメンバー選考についても言及があった。

【日本代表メンバー】アジアカップ予選を戦う14名が決定

フィウーザはもともとリストアップしていた

木暮賢一郎(日本代表監督)

本日、代表活動について複数のリリースを出しました。一番の大きな目標は台湾(台北)で行われるFIFAワールドカップに向けたAFCアジアカップの1次予選です。それに向けて、先日はブラジル遠征を行ってきました。

タイトな日程のなかで選手はよく戦ってくれました。内容と結果を見て改善をしていきます。(準決勝の)イラン戦、(3位決定戦の)パラグアイ戦は過去に何度も対戦している相手に対して、ボールを持つという点は今までで一番長く、狙いをもって実行できました。

当然、ボールを失った時のトランジションについては表裏一体なので課題はありますが、守備の時間を減らして優位にもっていく内容はブラッシュアップできました。

代表としては内容だけではなく結果も問われるので、しっかりと台湾で行われるオーストラリア戦、チャイニーズ・タイペイ戦に向けていい準備をしていきたいと思います。

(12月に開催する国際親善試合は)アルゼンチンとの対戦を発表することができ、うれしく思います。昨年、国内で戦ったブラジルに続き、世界のトップ・オブ・トップのチームと強化の場を設けられたことは素晴らしい機会なので、いい準備をして、その先に続く目標に向けて各カテゴリーの成長を促進していきたいです。

9月25日から始まる日本代表候補合宿については、若手選手やここまで呼ぶ機会、タイミングがなかった選手を選びました。3日間のトレーニングを行いながら、代表メンバーを厚く指定けるいい機会だと思っています。

──アジアカップ予選を戦うメンバーについて、日本に帰化したGKフィウーザ選手をこのタイミングで呼んだ理由を教えてください。

前提として、ブラジル遠征のメンバー選考をしている時点でも候補には挙がっていました。ただ、怪我をして手術を行なった後で、リストを確定する段階でプレーしていませんでした。試合に出ていない選手は原則として呼ばないので、招集にはいたりませんでした。

復帰してからの2試合を見て、特に2試合目はフル出場して、ブラジル遠征が終わったタイミングでのパフォーマンスをチェックしても、条件や懸念点をクリアできていました。

2023年に入ってから、タイ、モロッコ、ブラジル遠征はなかなか準備期間を取れずに臨みましたが、今回は調整する時間を取ってから大会を迎えられるので、しっかりと見ていきたいという理由もあり、招集しました。



──ブラジル遠征からメンバーの変更点もいくつかありました。ブラジルでの4試合を踏まえ、今回の選考のつながりを教えてください。

ブラジルでのパフォーマンスから、必要なタイプの選手を入れ替えました。フィウーザや齋藤日向がそうです。現状、必要となるピースやコンディション、ブラジルでの4試合で見えた課題、改善など、総合的に判断してベストな14名を決定しました。

──これまで主力としてメンバーに入っていた逸見勝利ラファエル選手が外れました。戦術的な理由なのか、所属クラブの事情なのか。

代表メンバーは、常に正しく競争して、そのタイミングに応じて最適なメンバーを選考しています。

基準としては、各選手のパフォーマンス、チームの戦術を体現すること、そして選手間のポジションや組み合わせのバランスが非常に大事です。優れた選手だけが集まったとしても、いいバランスではないこともありますし、バランスがいいだけで相手を上回ることができないこともあります。ブラジル遠征の4試合を振り返って、今回選んだメンバーのバランスが現時点では最適かなと思ったので、このような顔ぶれとなっています。

彼ら以外にもこれまで選手を入れ替えていますし、14名のリストをつくるという問題には毎回、頭を悩ませています。選考が難しいと思えるのは、それだけいい選手が多くいて、ハイレベルな競争をしているという証拠です。

なので、メンバーについては年齢やネームバリューに左右されず、現状の最適解です。W杯まではずっと選考は続くので、それぞれの選手が競争心をもって、各クラブでハイパフォーマンスを続けてもらうことに尽きると思います。

──齋藤選手は木暮監督の代表チーム発足時に初招集していますし、大阪の監督時代からプレーを見てきている選手です。この大事なタイミングで招集した意図と、アジアカップ予選に挑む本メンバーで唯一、25日からの国内合宿にも参加する狙いを教えてください。

複雑な事情がありますが、説明しますと、まず、25日からの国内合宿メンバーに彼の名前があるのは、もともとそちらのリストで招集を予定していたからです。同時にアジアカップに挑む25名のラージリストには入っていました。

ブラジル遠征を経て、我々が進めていく代表チームのプレーモデルにおいて、さらなるモビリティをもった選手が必要だと思い、求めていたタイプとして彼が一番適しているなと。立ち上げ当初からいましたし、少し期間は開きましたが、戦術面でも評価しています。他にも適性のある選手はいますが、1秒でも早くアダプトできるのは彼だと判断しました。たまたま最初の3日間にもいるので、よりアジャストができると思います。



──近年、Fリーグで活躍して海外移籍する選手も増えています。一方で、代表当落線上の選手などは、FIFAデイズの関係上、メンバーに選ばれにくくなることを懸念し、移籍を躊躇することもあるという声も聞きました。やはり海外に挑戦するべきなのか、それともFリーグでトップを目指すことに注力すべきか。木暮監督の考えを教えてください。

まず、海外に行ったから代表に入れる、入れないということについては言及しません。各選手の価値観や目標に向けて、どう成長していきたいのかがスタート地点だと思います。おっしゃる通り、海外にいくとFIFAデイズの関係で呼べない試合が出てきてしまうのは事実としてありますが、基本的に代表はFIFAデイズを中心に活動しています。昨年と今回はAFCが主催するアジアカップの日程がたまたま外れてしまいコントロールできない部分でしたが、それ以外はFIFAデイズなので、海外でも基本的にはクラブ側も了承してくれています。

次に、どのクラブにいても、選手自身がどんなプレーをするかが重要です。所属クラブのネームバリューでメンバーを選んでいるわけではありません。なので、国内と海外どちらがいいというのはないと思っています。ただし、ブラジル代表、もしくは今のサッカー日本代表のように、国内組と海外組で2つの代表チームを組めることは、理想的ではあります。現状、それを実現できるのはブラジル代表、もしくはアルゼンチン代表くらいかなと思っています。日本でも海外組だけ、国内組だけの2軸で活動ができ、いずれも強いチームをつくれることが、日本フットサルの最高到達点に近いのかなと、個人的には思っています。

──ブラジル遠征では、ブラジル以外にも、イランやパラグアイという強豪と戦いました。アジアカップ予選で戦うオーストラリアやチャイニーズ・タイペイとは、日本の立場や試合の内容も大きく変わってくるか思います。そのギャップなどをどう考えていますか?

おっしゃる通り、違った展開になるとかと思います。ただし、W杯の本戦へたどり着くため、この1年はW杯でどうゲームを進めるかをブラッシュアップする必要があります。対戦相手がどこであるかというより、明確に世界のトップに対して我々がどう振る舞うかが見えていますから、それをブラッシュアップする取り組みの優先順位は高いと考えています。

ブラジル戦を含め、本気で世界の強豪国に勝つために、まずは守る時間を少なくしないといけません。これまでのW杯においても、かつて戦った選手などが常にフィードバックとして挙げてきたのは「終始守っているだけでは勝てない」ということ。なので、自分たちがボールを保持する時間を長くして、守備の時間を減らすことは必須です。

具体的には、距離の長いパスをするのではなく、選手同士がモビリティを駆使しながら近距離でボールを回すことが必要だなと思っています。昨年、優勝したアジアカップ以降、U-23の活動からそういう戦い方を意識して進めていますが、今回のブラジル遠征で見えた課題を踏まえ、さらに加速させないといけないなと感じました。

ただ、選手たちはサウジアラビア、イラン、パラグアイというタフな3連戦についても意欲的に取り組んでくれましたし、内容的にも大きな改善が見えました。相手が格上、格下関係なくいい部分を磨いて、アジアカップ予選の2試合も準備していきたいです。



各クラブ、もっと若い選手を試合に出してほしい

──25日からの国内合宿については、2024年2月に行われるアジアインドア&マーシャルアーツゲームズに向けた選考なのか。また、高校生の2人がメンバー入りしているのは、木暮監督がアンダー世代の監督を務めてきた兼ね合いもあるのでしょうか?

インドアゲームズはFIFAデイズの関係もあり、国内組が中心のメンバーになると思いますし、様々な角度からメンバーを分散することは必須になります。ただ、必ずしもインドアゲームズに向けて選んでいるというわけではなく、代表の層を厚くするという狙いのほうが大きいです。明確に何歳以下と設定していないですが、平均すると22歳くらいです。そして過去に何度も招集している選手ではなく、年齢に関わらず、フレッシュで、なおかつ今、いいパフォーマンスをしている選手を中心に選んでいます。

入江悠斗と羽生恒平を呼んだことには明確な意図があり、常に下のカテゴリーから選手を招集するという、自分のやり方に基づいた選考になります。

自分が大阪の監督時代も高校生やサテライトから必ずメンバーを選んできましたし、アンダーカテゴリーの代表活動でも、これまで原田快や井戸孔晟など、複数名の選手を飛び級で呼ぶことが自分のやり方です。

昨年のアジアカップも、14名の中に原田や金澤空を入れ、サポートメンバーに宮川泰生、井戸を呼んでいます。それは私の考えるプロジェクトのスタイルでもあるので、フル代表でも変わらずに、若い選手を入れています。

これまで、日本代表の世代交代には大きな遅れがあったと思います。2018から昨年のW杯までは若い選手が上がってくることが少なく、多くの選手に国際経験がない状態でした。ですから、常に経験のある選手が途切れることなく、新しい選手がどんどん出てくることは、自分のやり方とマッチしています。入江と羽生の2人はオーシャンカップでもU-19フットサル日本選抜として一緒にトレーニングしているので、戦術やプレーモデルの理解ではアドバンテージがあるかもしれません。Fリーグで全く出ていない選手を呼んでいるわけではないですし、育成年代での評価も高い選手なので、特に違和感のない招集だとも思っています。

──羽生選手についてはどのように評価しているのでしょうか?

日常の練習を見ているわけではないので、各クラブの競争で食い込めていないのか、学業なども影響しているのか、こちらでコントロールしきれない部分もありますが、彼だけではなく、我々のリストの中にはもっとFリーグの試合に出てほしい選手が複数名います。

羽生は当然、体が出来上がっていない部分もあります。Fリーグで長い間プレータイムを獲得するのは簡単なことではありませんが、非常に賢い選手で、戦術的な部分では我々のトレーニングやゲームにアダプトしている印象です。フィジカル面の向上はまだ数年かかるかもしれないですが、我々は今だけを見ているわけではありませんし、将来性のある選手を早めにピックアップすることは、僕からのメッセージだと思ってほしいです。

代表に呼ばれているから、リーグ戦でも使ってほしいということではないですが、若い選手を気にかける指導者がもっともっと増えてほしいです。出場0分で代表メンバーに入ることはできませんが、たとえ短い時間だとしても継続してピッチに立つことができていれば選手に門戸は開かれますし、我々は扉を開けて待っています。



アルゼンチンとの対戦はベストチョイス

──代表チームでブラジル遠征をする前から小西鉄平JFAフットサルテクニカルダイレクターらと一緒に、ヨーロッパとブラジルを視察されてきました。どんな収穫がありましたか?

育成年代も幅広いですが、スペイン、ポルトガル、ブラジルは、非常に力を入れているなという感想です。各国、コロナ禍で国際経験を積めなかった世代にどのようなアプローチをするかを含め、非常にデザインされている印象でした。

どうやって選手を下のカテゴリーから引き上げていくか。スカウト、リクルートの視点も含め、どう活動して力をつけていくか。入口と強化、そして出口、つまりフル代表につなげていく部分について、自国のスタイルに合わせてブラッシュアップしていると感じました。

ブラジルはU-17に選ばれた選手が海外に出て、その後、フル代表に戻ってくるという流れができています。一方で、もう戻って来れないくらいタレントが豊富にそろっていると聞いています。ポルトガルは育成年代の選手をリクルートする仕組みについては世界トップクラスで、彼らの画期的なアイデアについては直接、ディスカッションをしてきました。

私も長く育成年代に関わっていますし、バーモントカップ(U-12)、U-15、U-18のフットサルの全国大会を見続けていますが、まだまだ知見を広げていく必要があるなと。すでに取り組んでいるアイデアの一つとしては、飛び級です。下の世代にも声をかけることで、早いうちからマインドを変えようとしています。成果が出るのは少し先かもしれないですが、この取り組みが正しいと信じて、これからも若い選手をピックアップしていきたいです。

──欧州、ブラジルの視察で女子の活動について、新たな情報や気づきがあれば教えてください。

スペイン、ポルトガルともに、コミュニケーションを取ったのは男子チームの監督ですが、女子チームでもダイレクターとして決定権をもっている方たちです。彼らとの会話では、素直に日本の女子代表選手への評価が非常に高かったです。ユースオリンピックや、スペイン代表と戦った直近のゲームを含め、お世辞抜きでチーム、個人とも期待してくれています。

各クラブ、リーグ、将来の代表を目指す若い選手は、おごることなく日々トレーニングをしてもらいたいですし、スペイン、ブラジルといったトップの国と戦えるチームだと思っています。少なくとも、私自身も女子代表チームの監督として選手を見ていましたから、立場が変わっても、彼女たちを応援していることに変わりはありません。



──国際親善試合はアルゼンチン代表とのマッチメイクが決まりました。木暮監督から見た相手の印象や、この試合の狙いを教えてください。

まずは国内で試合ができることに大きな喜びを感じていまし、フットサルという競技をより多くの方に知ってもらう、またとない機会だと思います。

もちろん勝利にはこだわりたいですが、勝てそうだなという相手ではなく、とにかく、誰もが知っていて、フットボールが強い国だと認識されているチームとやりたいという前提がありました。

できればヨーロッパの国が第1希望でしたが、残念ながら12月のタイミングでFIFAデイズが重なっていないため、スペインやポルトガルはカレンダーの関係上、呼ぶことができませんでした。そのなかで、直近はブラジル、モロッコとも戦っているので、ここまで対戦してきていない国で、ヨーロッパの“香り”もするチームとして、アルゼンチンを候補に挙げました。

特にアルゼンチンの攻撃は、ブラジルとは違ったヨーロッパに近い戦い方をするチームでもあるので、より理想に近い、ベストなチョイスだなと思っています。それに監督のマティアスは、僕もコーチの高橋(健介)も交流があるので、コーチングスタッフ同士の関係も近く、前向きにコミュニケーションできましたし、非常にいい対戦相手だと思います。

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