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作成日時:2024.01.14
更新日時:2024.01.23

【F1ファイナルシーズン|記者会見/名古屋vs町田】6年ぶりの優勝争いと、届かなかった“勝ち点1”。町田・甲斐修侍監督「タイトルを取るということは本当に簡単なことではない」|上位リーグ第27節

PHOTO BY本田好伸

1月14日、墨田区総合体育館にてFリーグ2023-2024ディビジョン1ファイナルシーズン上位リーグ・第27節が行われ、名古屋オーシャンズとペスカドーラ町田が対戦し、1-2で敗戦した。

両チームのファン・サポーターの大歓声のなか迎えた最終節。引き分け以上でリーグ優勝が決まる町田だが、名古屋からの追い上げに苦しみ防戦が続く一方、少ないチャンスを磯貝飛那大中村心之佑ら若手選手がシュートまでつなげるも得点には至らず。シーズンをとおして積み上げてきた守備の堅さで名古屋の猛攻を跳ね返すも、15分に崩され失点。さらに第2ピリオドに入った22分にも痛恨の2失点目を許し、残り6分で満を辞してパワープレーへ。

すると磯貝の縦パスを受けた野村が、ヒールでネットを揺らし1点差に。しかし反撃はここまでとなり、1-2で試合は終了。残り“勝ち点1”をつかみきれず、リーグ初連覇を逃した。

試合を終え、甲斐修侍監督と伊藤圭汰が記者会見に出席した。



この結果は不運でもなんでもない

●ペスカドーラ町田|甲斐修侍監督

──試合を振り返って。

結果に対して悔しいのはもう当たり前なんですが、それ以上に今シーズン選手たちのハードワークや頑張りが今日という日を迎えることにつなげてくれたと思うので、簡単な試合は一つもなかったですけど、選手たちを誇りに思いますし讃えたいです。

結果に関してはギリギリをたどりながら最後を迎えましたけど、名古屋も相当気持ちを見せてくるということは想定していましたし、簡単なゲームじゃないことはわかっていました。失点の内容も、この大舞台で普段起きないような簡単なミスが起きて失点をしてしまい、勝つことが難しくなる一つの理由になりました。そういうエラーも想定しながら、引き分けでもタイトルが取れるという可能性を残していたので、できればビハインド1点で最後の時間を迎えたかったですけど、2点差に広がったという難しさがありました。それでもパワープレーから最後のブザーが鳴るまで可能性を残す戦いをしてくれたし、選手たちはよくやってくれたなと思います。

タイトルを取るということは本当に簡単なことではありません。勝ち点差が6、7と開いた町田ラウンドがあり、名古屋ラウンドがありましたけど、この結果は不運でもなんでもない。今日のゲームも内容に目が行きがちですけど、リーグがスタートしてから今日のゲームまでの集大成の結果、タイトルが取れなかった。惜しいとか惜しくないじゃなくて、そこに届かなかったということを受け止めて、我々はこれからしっかり成長していかないと、今後タイトルを取るということにはつながらないと思います。

ただ一番思ったことは、名古屋が3-1で負けそうになったところから、3-3に追いついて今日を迎えましたけど、例えば3-2で終わって僕らが名古屋で優勝するのではなく、今日の日を迎えてこのゲームを経験できたことのほうが、僕は価値があると思っています。負けて悔しいですけど、若い選手たちはこれからまだまだ成長しないといけないので、今日のタイトルでは取れなかった悔しさ以上に選手たちの成長に期待していきたいです。今シーズンはまだ終わりじゃないですし、全日本選手権と、来シーズンまた長いリーグ戦にチームとしてチャレンジすることを、楽しみにしたいな思います。

──自力で優勝の可能性をつかみ取ったり、アドバンテージをもって今日を迎えたり今までとは違った景色だったり、あの経験を得たシーズンだったと思うんですが、27節全体を振り返って。

今日のゲームの起きたことでタイトルを逃したというよりは、27節の全ての積み重ねでの結果だと僕も思っています。そういう意味ではノーストレスに近いゲームで活躍するのと、今回のようなファイナルラウンドや今日のようなゲームで活躍して結果を出すというのは全く別物です。シーズンを送りながら、ヒリヒリするようなタイトルのかかるゲームでも、力を発揮する選手たちになってもらわないといけないと思いますし、選手たちにもそこを目指すように、今試合が終わってから話をしたところです。

ただ、僕らはタレントとして突き抜けてる選手がたくさんいるわけじゃないですし、若い選手も多いチームです。なので昨シーズンから、勝ち負けに対して必要なことに目を向けて、1点差でも勝つというところに取り組んできましたが、今シーズンそこを選手たちが高いレベルでこなしてくれ他と思います。その意識を一人や二人じゃなくて、全体的に共有しながら戦えたからこそ、最後まで優勝争いできた部分かなと思います。

一方で、まだうちの子たちは戦術的にも個人の技術的にも、もっともっと成長して身につけないといけないこともたくさんあります。本当にうまくいかない試合もたくさんありましたけど、レギュラーシーズンでは経験できないようなゲームをこのファイナルで経験できて、この順位にいないと感じられない心境でプレーできたことを、また次につなげられるよう頑張ってほしいと思います。

──相手がサードセットで来た時に、町田もサードセットを出していました。そこはどういう意図だったのかを教えてください。

基本は2セットプラス2人で回していますが、後半の残り10分切ったところからが勝負だと思っていたので、ある程度いる選手全員を使って出場時間のコントロールをして、後半を迎えました。相手のメンバーが変わったところで、我々が点を取りに行く布陣にすることは途中で何回か試みたんですけど、そこで違いを埋めたりアドバンテージを生むこともできませんでした。なかなか攻撃のところで点を取りに行く圧力をかけるシーンが作れませんでした。

やられてるのにキャッチして、ジオヴァンニから投げて2対0に近いような状況もありましたけど、ああいう場面もいい時は確実に得点にできたと思います。あれを得点できない時点で、今日は点が入りづらい日だと僕は捉えたので、プラスアルファを生もうとしすぎて、3点目を取られるよりかは、2-0の時間をコントロールして、最低でも1分残して1点差になれば、必ず何かが起こる可能性があると思ってそういう戦い方をしました。パワープレーではない時間でプラス1点を取りに行ける状況が起きれば一番良かったんですけど、なかなか打開できなかったので5、6分を目処にパワープレーで点をとりに行きました。

──普段ないようなミスがあったという話がありましたが、ハーフタイムで何か修正をしようと話をしたことはありましたか?

正直修正をしないといけない複雑なシーンではなかったので、そこはもう全員が認識して後半挑もという話をしていました。でも、ああいう緊張感のあるゲームでは、普段やれている状況判断ができなくなることも大いにあると思います。守りに自信がある倉科がたまたまねああいう形で置いていかれましたが、それがあったから負けたということではありません。それが起きたとしても最後に同点にさえすれば、我々はタイトルの可能性があるというところを信じて試合を探り、得点はできなかったですが、最後の6秒までチャンスを作れました。オフェンスもディフェンスもうまくいかない時間が多かったこの試合で、名古屋の優勝を阻む可能性を最後まで残すゲームができたというところは、選手たちをたたえたい。それと同時に名古屋と同じ勝ち点でシーズンを終えたことは変わらないので、そこはよくやってくれたなと思います。

こういうシーズンを送った翌シーズンが一番大事なので、僕も今から楽しみですし突き詰めてやっていけたらなと思います。

この世界は0.0何秒で勝負が決まってしまう

●ペスカドーラ町田|伊藤圭汰

──試合を振り返って。

本当に悔しい結果になりました。失点の部分を振り返ると、吉川選手のゴールも清水選手のゴールも、一瞬マークが遅れただけで点を取られてしまいました。この世界はその0.0何秒の世界で勝負が決まってしまう世界だと思いますし、そこで追いついていけなかった僕らのディフェンスに課題があります。

この試合を人生の中で忘れることなく、糧にして頑張るしかないと思います。本当に本当に悔しくて何度も泣いたんですけど、また優勝できるようなチームを作っていきたいと思います。今日はありがとうございました。

──自力で優勝の可能性をつかみ取ったり、アドバンテージをもって今日を迎えたり今までとは違った景色だったり、あの経験を得たシーズンだったと思うんですが、27節全体を振り返って。

監督も言ったとおり、1年間シーズンをとおしての結果として今日の順位があると思いますし、町田は今シーズン素晴らしいシーズンを過ごしたと言われますけど、負けた試合をもっと勝たないといけなかった。今日みたいに難しい試合を勝てるようになったり、リーグの最初から最後まで本気でやらないと優勝はつかめないと思います。この経験を無駄にすることなく、頑張りたいと思います。

──ファイナルシーズンにあたってのプレッシャーや、メンタルの違いによって動きが悪くなったという感覚はありましたか?

監督も普段からよく言っていますが、何もまだ成し遂げてない状態だったので、僕自身だけかもしれないですけど、プレッシャーっはあまり感じていませんでした。ただ、このファイナルシーズンの僕らの戦いを見ていると、うまくいかないことやレギュラーシーズンでは無かったことがたくさん起きていたことを考えると、少なからずあったのかなと思います。名古屋はこういう大事な試合を勝ったり最後で引き分けることができ、僕らは負けてしまうということがチームの差なんだと感じています。



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