更新日時:2024.06.26
【インタビュー】「自分が表に立つキャラだとは全く思っていなかった」“不安”を乗り越えて立ち上げた藤田実桜ファンクラブ誕生秘話
PHOTO BY伊藤千梅
立川アスレティックFCのキャプテン・上村充哉に続き、2人目のファンクラブが始動した。
始めたのは、レディースのキャプテン・藤田実桜。「入ってくれた人同士のつながりもつくりたい」と、これまでの考え方にとらわれない横の関係を築く「クラブ活動」のような“Fun”クラブが始まった。
始めは不安のほうが強かったという彼女が7カ月かけてスタートさせたファンクラブは、現時点では完璧ではないかもしれない。ただそれも自分だと受け入れた上で、これからファンの方と一緒にコミュニティをつくりあげていく。
6月10日にファンクラブの始動をリリースした藤田に、立ち上げの背景とこの活動を通して届けたいものを聞いた。
「不安」が強かった立ち上げ
──まず、なぜ今このタイミングでファンクラブをつくったのでしょうか。
ファンクラブをつくったのは、普段から仲良くしてもらってる人に「ファンクラブをやってみたら?」と言われたのがきっかけでした。
最初は自分がファンクラブをやるキャラだとは全く思っていなかったので、やれるのかなという不安が強かったです。SNSでさえ影が薄めなのに……。
でもこれまでは、個人を応援したいと言われた時になにもなかったけれど、ファンクラブをつくることで「こんなことをやっているので応援してください」と言えるようになるなと思いました。そしてまだ考え中なところもあるんですけど、コミュニティから自分だけでなくフットサルを応援してもらえたり、盛り上げたりするきっかけになったらいいのかなと思っています。
──「やれるのかな」という思いがあったそうですが、どんなところが不安でしたか?
……全部です(笑)。一つは、さっきもキャラじゃないと言いましたが、自分が表に立ってなにかを提供していくことが本当にできるのかなと。そこの自信が最初はなかったですね。
あとは、どうやっていけばいいのか。システムや細かい流れなど、ファンの方が入ってくれたとして、そこから本当に運営していけるのか。楽しみもあったけど、不安の方が大きかったし、今もゼロではありません。
──新しいことを始めるのは大変ですよね。
そうですね。“ファンクラブ”という名前が本当に適切なのかは、ずっと引っかかっていました。ファンクラブというとどことなく一方通行な感じがしてしまうので、他の名前にしようかという案もありましたが、最終的にこの名前でいくことにしました。やることは「ファンクラブ」というよりも「クラブ活動」のイメージです。普通のファンクラブとは違う感じにしていきたいですね。
──不安があるなかで、どのようにリリースに踏み切ったのでしょうか?
不安が全てなくなったわけではないけど、リリースに向けて「やるよ、やるよ」と周りに伝えていくことで気持ちをつくっていった感じではあります。
あとは一緒にファンクラブをつくってくれている人と話していくなかで、あれやりたいな、これやりたいなと自分が思うことができた。前のめりになっている自分を発見したから、踏み切れたのだと思います。
ファンクラブの先輩・上村充哉と共に
──立川アスレティックFCの上村充哉選手も4月にファンクラブをつくられていましたよね。
そうなんですよ! 自分は昨年11月頃から準備を始めてはいたのですが、時間もかかってリリース出来ていなかったんです。そしたら、(上村)充哉のファンクラブ設立の情報が流れてきたので「充哉もつくるじゃん!」って(笑)。
──上村選手のリリースが出た時はどう思いましたか?
「被ったー!」って思いました(笑)。その後、一緒にボールを蹴る機会があったので「私もやるんだよね」と伝えたら、それから会うたびに「まだっすか?」みたいに煽られていて(笑)。やるよと言いながら、少しずつ準備を進めて、やっとリリースが出せました。
リリースをしてからも、充哉とはちょこちょこコミュニケーションをとっていて「ここどうしているの?」とアドバイスをもらったりしています。ファンクラブの先輩としてとても心強いです。いつかお互いのファンクラブを絡めて面白いことができたらいいなと思っています。
──リリースするまでの期間で、どのような準備をされてきたんですか?
初めてのことでわからないことだらけだったので、知識がある人と相談しながらつくっていきました。細かいところで言うとウェブサイトを作成して、今後はオープンチャット、イベント企画、限定グッズなどもやっていきたいですね。ただ、100%完成してるわけではなくて。入ってくれた人と一緒につくっていこうというスタンスではあります。
──他に今後やっていきたいことはありますか。
進めたいけどまだ進んでない話もあるので、具体的な話はまだ内緒です。ただ、誰かが困っている話があった時も、個人でなにをするよりも、チームで動いた方が大きなパワーになると思うので、自分たちの活動をさまざまな業界の課題解決などにもつなげていけたらいいなとは思っています。
頭のなかにはいろいろとやりたいことはあるのですが、人数が増えていかないと盛り上がらないところもあるので。まずは応援してもらえる人を増やして、自分が思い描いているものをつくれたらいいなと思っているし、始めたからには実現させていこうと動いています。
フットサル界を“一緒に”盛り上げたい
──フットサル界の課題みたいなところを解決したいといった気持ちもあるのでしょうか?
もちろんそういう気持ちもあります。私はこれまでに代表を経験させてもらってきましたが、働きながら夜に練習していましたし、女子フットサル界としても今の環境が当たり前になっています。個人的にはそれもキャリア形成の面ではありだなと思いますし、全員が完全にプロになる必要もないかなと思います。
ただ、上を目指していくなかで、競技に集中できる環境を選択できることも必要だなと思っていて。それを自分が今回のように動いてファンクラブを運営していくやり方がわかったら、後輩や今後フットサル界で上を目指したいと子どもたちとかが目指せるロールモデルになれたらいいなと思っています。
──改めてファンクラブを通してなにを届けていきたいですか?
ファンクラブは一方的になにかコンテンツやグッズを提供するだけのことも多いと思いますが、それに加えて私のファンクラブでは入ってくれた人同士のつながりをつくってもらえたらいいなと思っています。先ほどクラブ活動と言いましたが、例えば、趣味が合う人とかで別の輪が出来てもいいですよね。
他にも、今後はチャリティーイベントとかも行っていくことで、会員の人が自然と応援の輪に入っているような流れもつくれたらなと思っています。フットサル選手である私を応援してもらった上で、そこからフットサル界全体を一緒に盛り上げていってほしいです。
──一緒に、なのですね。
はい、一緒に。そしてファンクラブに入ってくれた人たちの幸せとか喜びとか、そういうものにつなげていきたいなと思っています。ぜひ注目して、一緒に盛り上げてください!
■ファンクラブ詳細はコチラ
https://www.miofujita.com/
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