更新日時:2024.10.08
【南雲颯太×岩本大輝:“俺がやる世代”対談】「見ていて楽しいプレーで、お客さんをワッと沸かせる」|Fリーグクラブ特集/立川アスレティックFC
PHOTO BY伊藤千梅
今シーズンの立川アスレティックFCは「全員」がキーマンだ。絶対的エースはいないが、一人ひとりが120%の力を出し切る戦いぶりで、9試合を終えて3位につけている。
そんなチームにおいて中核を担っているのが、1998年以降に生まれた選手たちだ。登録選手16人中、この年代が10人を占め、特に24歳から26歳という中堅に差し掛かる手前の選手たちが、「俺がやる!」という自覚と決意に燃えている。
1999年3月19日生まれ、25歳の南雲颯太と、2000年9月18日生まれ、24歳の岩本大輝。学年にして2つ違いの2人はまさに、このクラブのど真ん中で汗を流し、神輿を担ぐ“俺がやる世代”を代表する選手だと言える。
南雲は“フットサルの申し子”と形容される選手だ。小学生年代からフットサルの高みを目指し、多摩大学時代には“大学ナンバーワン”とも呼ばれた。Fリーグデビュー後も、“フットサルIQ”の高いプレーで価値を示し、すでに替えの効かない選手に成長。そして今年9月には新生・日本代表にも選ばれ、さらなるブレイクが期待されている。
岩本は、今まさにブレイクを予感させる選手だ。昨シーズンは19試合に登録されながら、ピッチに立ったのは12試合。起用方法は“ジョーカー”だった。しかし、今季は前半戦の9試合すべてでピッチに立ち、Fリーグ初ゴールを含む2得点。左利きの独特のリズムを刻むドリブルを武器に、上位争いを繰り広げるチームの重要なピースとなっている。
2人は、スタイルこそ異なるものの、“プレーで魅せる”という共通点がある。
南雲はゲームをつくり、パスや一つひとつの動きで違いを生み、岩本はわかりやすい突破力で相手の脅威となり、観客を沸かせる。
立川の「キーマン」である2人の現在地と、思い描く未来とは。
インタビュー・文=伊藤千梅
編集=本田好伸
「大輝は天才タイプ。ある意味で謎も多い」(南雲)
──まずは、お2人がフットサルを始めたきっかけを教えてください。
南雲 僕は10歳からFOOTBOZE FUTSALのスクールでフットサルを始めました。当時はサッカーもやっていたのですが、フットサルのほうがボールにたくさん触れられて楽しかったので、中学生になったタイミングでフットサルに専念することを決めました。
岩本 ほぼフットサル一筋ってことですよね?
南雲 そうそう。サッカーの5号球をほとんど蹴ったことがない(笑)。大輝は高校までサッカーやってたんだよね?
岩本 ですね。高校3年で部活を引退してから、半年間イタリアにフットサル留学をしたことをきっかけに、本格的に競技に取り組むようになりました。
南雲 イタリアに行った話はちょっと聞いてたけど、いきなりフットサル?
岩本 高校1年生の時から、周りの友達に「足元がうまいから、サッカーよりフットサルのほうが向いているんじゃない?」って言われてて。それから自分もフットサルに興味をもつようになったので、Fリーグを観に行くようになりました。
南雲 「フットサルに向いている」と言ってくれた友達に感謝だね(笑)。
岩本 そうですね。だから部活を引退したらフットサルにチャレンジしようとは思っていて。イタリアでフットサルのおもしろさを感じて、日本でも続けようという流れです。
南雲 最初は町田アスピランチにいたよね。
岩本 帰国して、町田アスピランチの練習会に行って、大学1年生から3年生の途中まで所属していましたね。その後、府中アスレティックFCに移籍しました。大学4年生で特別指定選手に選ばれて、トップチームに昇格して今に至るという感じです。
南雲 説明ありがとう(笑)。詳しく聞いたのは初めてだった。
──お互いの印象は?
岩本 颯太くんとは去年まで会社が一緒だったので、上司としていろいろとアドバイスをもらっていました。僕は仕事の出来が悪くてたくさん迷惑をかけたのですが、めちゃくちゃわかりやすく何度も教えてくれました(苦笑)。
南雲 そうだっけ(笑)。
岩本 練習終わりで職場まで一緒に行って、仕事終わりにご飯に行くこともあったので、去年までは本当にいろんな時間を共有させてもらっていましたね。
南雲 たしかに、お昼もよく一緒に食べてたし、ずっと一緒にいた(笑)。
岩本 フットサルの教え方も本当にうまいですよ。みんなに対してすごく優しいですし、頼れる先輩だなと思っています。
南雲 ありがとうございます(笑)。大輝はプレーを見たらわかるのですが、天才タイプ。ある意味で、謎の部分も多いですね。みんなが見えていないものが見えているのに、逆にみんなが見えているものが、大輝だけ見えていないこともあったり(笑)。
岩本 褒められて……ないですね(苦笑)。
南雲 みんなが思いつかないようなパスコースに出して「そこに出せるんだ!?」と驚かされたり、逆に動きが決まっているセットプレーで一人で迷子になっていたり(笑)。
でも、チームのみんなもそんな大輝の特徴を理解してきた感じですね。大輝は自分のことを出来が悪いと言っていましたが、努力しているのでこれから輝くと思います。
【次ページ】「町田戦の得点は初ゴールよりうれしかった」(岩本)
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