「町田戦の得点は初ゴールよりうれしかった」（岩本）

──天才タイプの岩本選手は、ドリブルに特徴がありますよね？

岩本　そうですね（笑）。1対1の仕掛けは武器だと思っています。他には、ドリブルをする前のピヴォ当てや、相手を抜いたあと、2人目のディフェンスを引きつけてから味方にボールを当てるといった、ドリブルをおとりに使うプレーも意識しています。

南雲　大輝は本当にドリブルがうまいんですよ。Ｆリーグでも1、2を争うくらいうまいと思っています。

岩本　ほんとっすか！ありがとうございます。

南雲　自分にはそういうわかりやすい武器がないのですごいな、と。

岩本　いやいや、颯太くんとは一緒のセットでプレーしてても、僕がボールを持っていて「ここにいてほしいな」と思ったところに絶対にいてくれるんです。それに、僕は守備が少し苦手なのですが、「ここら辺をカバーしてもらえると助かる」と思ったところにいてくれる。本当に攻守においてやりやすいですし、頼れる存在です。

南雲　なんか恥ずかしいね（笑）。たしかに、誰と組んでもその選手の良さを引き出すことは意識していますね。フットサル歴も長いので、その状況で一番いいプレーを選択できることは僕の強みだと思います。ただそうしたプレーは信頼関係があってこそ。「大輝ならここにパスを出したいだろうな」とか「ここに出せるだろうな」と常に考えています。

──岩本選手はプレー中にどんなことを考えていますか？

岩本　ドリブルでは、カットインより縦突破のほうが得意なんですね。ただ、対戦相手は縦を切ってくる選手が多いので、あえてそこで横にいくフリをして縦にいくとか。相手の裏を突くということは意識しています。

南雲　それ、あんまり言わないほうがいいんじゃない（笑）。

岩本　そうかもしれない（笑）。

南雲　でも予測されるようになったら、また裏を突けばいいよね。大輝は相手を見てプレーできますし、独特なタイミングももっているので。

岩本　後出しジャンケンでいきます。

──お2人がここまでに印象に残っている試合やプレーはありますか？

岩本　僕は……。

南雲　やっぱり初ゴールじゃないの？

岩本　いえ……実はちょっと違って（笑）。第8節の町田戦です。アスピランチ時代に一緒にプレーしていたメンバーばかりなので、試合前から活躍したい気持ちで燃えていました。そうしたら、点も決められたし、それまでよりも長い出場時間をもらえました。

南雲　たしかに、あれは先制点だったしすごくいいゴールだったね。大輝は今シーズンから出場時間も増えていて、そういう選手が点を取ると、みんなうれしいというか。

岩本　もちろん初ゴールもうれしかったですが、町田戦のほうが印象に残っています。

南雲　僕は第7節の湘南戦のゴールですね。大事な場面でゴールを決めたいとはずっと思っていて、まさにそれができた試合でした（編集部注：2-1と1点を奪われた35分にリードを広げる得点。試合は3-2で勝利）。ホームでお客さんもたくさん応援してくれているなかで、勝利を決定づける得点を挙げられて良かったです。クラブパートナーの株式会社ミート・コンパニオン様に、MVPの景品としてスペアリブをたくさんもらいました（笑）。

この日のMVP選手は
#11　南雲颯太　選手🎉
当社からMVPの景品として、スペアリブ60本分プレゼント🎁となりました🏆

29フェスや、当社出店ブース・イベントブースにお越しくださいました皆様、誠にありがとうございました✨✨@Arena_tachihi #お肉は私たちを強くした #南雲颯太 #皆本晃 #横山巧 pic.twitter.com/AtNhsbVE9z

— 【公式】株式会社ミート・コンパニオン (@meatcompanion) July 16, 2024

岩本　僕も分けてもらいましたが、お肉、美味しかったです。あのゴールは本当に教科書通りでした。逆アラからパスをもらって、ワンタッチでピヴォに出して、そのまま走ってリターンを受けてシュート。120点のきれいなゴールですよ。僕もあれやりたいです。

南雲　たしかに、きれいに決まったね（笑）。

「シーズン最後にみんなで喜べるように」（南雲）

──昨シーズンから監督も選手も入れ替わりましたが、どんな変化がありますか？

岩本　昨シーズンの得点王だった新井（裕生）選手が移籍して、いろんな人から「攻撃力が低下するんじゃないか」と言われました。

でもその分、選手一人ひとりが自分が点を決めないと試合に勝てないといった責任感をもつようになったことで、全員が活躍するチームになっていると思います。

南雲　監督が替わって1年目なので正直、不安はありましたが、全員がピッチで自分の役割を果たせていると思います。前は比嘉監督という絶対的なリーダーがチームを引っ張ってくれていた感覚でしたが、今は逆で、自由度が高い。だからこそ、選手自身が選択する一つひとつのプレーが重要になってきていると思います。

岩本　サバスは「タイキさん、1対1を仕掛けてください」と伝えてくれますし、ミスをしても「自信をもってやってください」って言ってくれます。チャレンジしやすいですね。

南雲　たしかに、大輝のような武器がある選手はのびのびと良さを出せているかも。

──今の立川を一言で表すとどんなチームですか？

岩本　「適応力」ですかね。サバス監督になってから、相手チームに合わせて戦術を変えるようになりました。だからその週の対戦相手によって、練習の内容がかなり変わります。そういう意味では適応力のあるチームになってきているのではないかと思います。

南雲　素晴らしい！それ、正解でしょ（笑）。

岩本　ありがとうございます（笑）。

──南雲さんはどうですか？

南雲　僕は「楽しいチーム」で（笑）。結果が出ていることもあって、今は特に楽しいです。やっぱり、勝たないと楽しくないので。みんな仲が良いですし、年齢に関係なく言い合える関係でもあります。そのなかでテツさん（完山徹一）や（皆本）晃さんがいてチームがまとまっていると思いますし、バランス良く、楽しくできていると思います。

──では、今後の目標を教えてください。

南雲　大輝が「適応力」と言っていましたけど、どんな相手でも自分たちの強みを出せるようなチームになっていきたいです。僕自身、引き出しをたくさんもってプレーすることが好きですし、そのほうがお客さんもいろんなプレーが見られて楽しいはずです。さまざまなパターンからゴールを決められるような選手になりたいと思います。

岩本　自分はまだ出場時間が限られていますが、ピッチに立ったら、ゴールやアシストといった数字にこだわりたいです。あとは、会場を沸かせるようなプレーがしたい。

僕自身、サッカーやフットサルの試合を見て、選手がすごいプレーをした時に高揚した経験があります。だから自分も観ている人たちを楽しませるプレーがしたいですし、最低でも1試合に2、3回は、お客さんをワッと沸かせられたらと思っています。

南雲　クラブが立川に移転してから3年が経ちました。フロントスタッフも本当に頑張っていますし、応援してくださる人も増えているので、僕たちはそれに応えながら結果を出さないといけません。アスレに関わるすべての人たちと、今シーズンの最後に喜べるように、タイトル獲得を目指して頑張っていきます。