更新日時:2019.01.19
【F1第24節/町田×湘南】変則DFで強敵を攻略しかけたものの引き分け。「技術やメンタルでまだ未熟だった」(湘南 奥村敬人監督)
PHOTO BY軍記ひろし
11月24日(土)、DUARIG Fリーグ2018/2019 ディビジョン1の第24節、6クラブ共同開催 浜松ラウンド2日目の第3試合が行われ、湘南ベルマーレはペスカドーラ町田と2-2で引き分けた。
立ち上がりから“対町田”仕様のディフェンスで相手の出鼻をくじいた湘南だったが、スペースをうまく活用されて7分に失点してしまう。それでも9分、右サイドのキックインからの落としを本田真琉虎洲がニア上に突き刺して同点に追いつくと、その後も譲らない攻防を見せて試合を折り返した。
そして後半24分、カウンターから中央を大德政博が突破して右の林田フェリペ良孝に預けると、その折り返しを、逆サイドから走り込むロドリゴが決めて勝ち越しに成功。その後は、ハーフからの守備で相手を焦らしながらカウンターを狙う戦略にスイッチして、ゲームをコントロールしていった。
36分からは相手のパワープレーに耐える展開となるものの、高い集中力を発揮。しかし残り21秒、最後の最後に相手の右サイドからゴールを許してしまい、浜松で行われた“境川決戦”はドロー決着となった。
メンバーに関係なく意地のぶつかり合いだった
奥村敬人監督(湘南ベルマーレ)
──今日の試合を振り返って。
試合を前に町田は主力が何人かいないという状況がわかっていましたが、そんなことは関係なく、初年度からずっと負け越している相手に対して、本当に湘南対町田というプライドのぶつかり合いだという話をしていました。実際に試合も、メンバーに関係なく意地のぶつかり合いの内容になったのかなと思います。
自分たちの狙い通りの戦いができて、リードした後半の戦い方も悪くはないというか、相手がイライラしてミスしてボールを失ったり出てしまうところもあったのですが、何本かあったチャンスを決めないと、ワンチャンスを逃してくれない相手なので。そこはいちフットサル選手として、常にゴールを奪える技術やメンタルを持っている選手がたくさんいるので、その部分の差を感じました。
自分たちはそういった部分ではまだ未熟で、逆にそういったところが成熟したらどこにも負けないと思います。でもそこでまだ勝てていないことを認めて、一人ひとりが実力を上げて成長して挑み続ける。引き分けでも全く問題ないですし、これから全部勝つつもりですし、その力はあると信じています。そこに向けて全員で歩んでいきたいです。
──(攻撃的な)ロドリゴがフィクソで(守備のポジションに入ることも多い)本田真琉虎洲がピヴォに入る形の狙いは?
ロドリゴは高い位置でボールを奪って、そのまま推進力でゴールを奪えるメリットがあります。ジャッピーニャ(本田真琉虎洲)はもともと前の選手でもあるので、受けたときにキープもできるし、(味方への)落としもできるし、シュートも打てるというところで、やはり町田はカウンターというか、ドリブルで来られたときのマークの対応がうまくできていないのかなと思ったので、そこの部分で、そういう陣形になったのかなと。
──その形は、他の試合でもありますが、今日の試合に向けて特別意識したというわけではない?
特別にということではないです。臨機応変に。相手もスカウティングをしてきますし、そこで同じことをやらないで相手を動揺させるというか、(対策を立てて)練習でやってきたこととは違うことをして、一瞬でも迷わせられたら。紙一重ですけど、一瞬の迷いというのがこの勝負では重要なので、いかに相手の裏をかけるかが大事なので。そこはまあまあ機能していたところもあるのかなと。
──ディフェンスの形がすごく特徴的。相手が3-1でもクワトロ(4-0)でも、自陣の底に1人、前に3人の「1-3システム」のような形から、相手をサイドに追い込んでいった。ただ、(ボールホルダーとは)逆サイドのディフェンスがかなり絞っているので、そこを突かれて裏を取られるシーンも多かった。
そうですね。相手を追いながら、常に(局面で)1対2(でこちらが数的有利となる)を作る狙いです。逆サイドに(パスを)飛ばされても、ボールが流れている間に1人がスライドできれば、そこからマンツーマンになるので。危ない場面もありますけど、そこからの数的不利になった守備も練習をしていますし、そこでボールをボールを奪えたり相手のミスを誘うというところで相手は嫌がっていたのかなと。もちろん全部が完璧にできるわけではないので、確率の問題で、それをしたりとか(しなかったりとか)駆け引きですね。
──林田フェリペ良孝が前に入るときには1人で2人を追いかけるシーンもあった。
たまたま彼が小さくて速かったからですかね。彼はスピードがあるので目立ったところもあるかもしれないですね。チームとしてそれは全体としてやるということです。
──後半に勝ち越してからはある程度はハーフからの守備をとった。
やはり相手は点を取りたいじゃないですか。前かかりになってパスミスが起きたり、50パーセント(の確率で成功するようなリスクのある)のパスを出してきたりとか、それで引っかかってカウンターにつなげるということでそういう守り方になったのかなと思います。そこでフェリペも一度、セグンド(ファーポスト)でイゴールに止められましたがシュートの場面があったり何本かチャンスがあったので、そこで仕留められないと。2点(を取られること)はある意味でフットサルでは仕方がないのかなと思います。そこで自分たちが2点しか取れないと、強いチームとやっても勝てないので、その1点が遠かったなと。今日の時間とか、今日という日のすべてそういうことなのかなと。明日やったらもしかしたら取れるかもしれないし、もっと取られていたかもしれません。わからないものなので、今日という日がそういう日だったのかなと思います。
刈込真人(湘南ベルマーレ)
──今日の試合を振り返って。
町田の“外国人セット”といいますか、森岡薫、アウグスト、ダニエル・サカイ、そこに日本人が絡むセットはやはり、フィジカルも強いなと感じながらやっていました。でもこちらも対抗するために必死で体を張ったし、やれる部分はたくさんあったと思います。次の試合も自信を持って臨みたいと思います。勝ち越して2-1になってからの(相手の)パワープレーが本当に悔いが残るというか、パワープレー返しのチャンスもありましたし、あともう1点こちらが返していれば……という歯がゆい、悔しい内容でした。プレーオフに向けて、町田との差が縮まったわけではないですが、最後まで挑戦者のつもりで戦っていきたいと思います。
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