更新日時:2024.12.12
【日本女子代表】果たせなかった5連覇の目標。2週間経っても堪えられなかった涙「悔しさを次につなげ、代表では世界一に」(松本直美/バルドラール浦安ラス・ボニータス)
PHOTO BY伊藤千梅
11月28日から12月1日にかけて、フットサル日本女子代表候補国内トレーニングキャンプが高円宮記念JFA夢フィールドにて行われた。
2021年の初招集以降、日本女子フットサル代表の主軸として戦う、バルドラール浦安ラス・ボニータスの松本直美。
「走・攻・守」の基礎能力の高さと鋭いシュートは、須賀雄大監督からも信頼され、今や“なでしこ5”に欠かせないアタッカーとして重宝されている。
約8カ月ぶりの代表活動でも中国女子代表相手に何度もゴールを脅かし、12月1日に行われた第2試合目には待望の1ゴールを決め、柔らかな笑顔を見せた。
しかし、取材中に今シーズンのリーグ戦について話が及ぶと、表情が一変。
5連覇が潰えた、11月12日のSWHレディース西宮戦での敗戦。2週間が経っても悔しさは薄まることなく、松本の目からは涙があふれた。
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どの選手とも合わせられるように
──4日間の代表活動を終えて。
久しぶりの活動でしたが、またこの舞台でプレーできることはすごくうれしいです。それと同時に、この先に向けて責任や自覚をもっていきたいなという気持ちです。
──初招集2人と、久しぶりにメンバーにも入った選手も含め少しフレッシュなメンバーになりました。印象は?
ポルトガル遠征の時とはまたメンバーでセットを組むことが多く、難しいこともありました。それでも、この4日間でどれだけ合わせていけるかを考えていました。今日もセットプレーではいい形でチャンスシーンをつくれていたと思うので、引き続き、どの選手と一緒でも合わせられるような選手になりたいです。
──中国女子代表との2試合はどうでしたか?
1戦目は1本目に出る機会が多かったですが、仲間チャンスメークをたくさんしてくれていたにも関わらず、私が決め切ることができなくて……。その分今日は「もっと積極的に狙っていこう」という意識して入りました。結果、相手に当たる形にはなりましたけど、(自分で)1ゴールすることができましたし、昨日よりかはすごくいい試合ができたんじゃないかなと思います。でも、警戒していた相手のパワープレーで失点してしまったところは、 もう少し練習で詰めていかないといけないと感じています。
──昨日は2本目のセットが点を動かしていました。別のセットで1本目から出ていた松本選手としては、そこでの悔しさも?
仲間の活躍なのでもちろんうれしかったです。ただ、ファーストで出させてもらっている以上は、しっかりそこで点を取って次につなげないといけないので、求められていることをもっとピッチの上で体現していきたいです。
足りなかったのは「一体感をもって戦うという意識」
──先ほど“自覚”と“責任”という言葉がありましたが、代表のキャリアも重ねてきましたね。
そうですね。気づいたら中堅ぐらいになっていました。来年はワールドカップもありますし、今回新しく入ってきたメンバーもいるなかで、自分がピッチの中でも外でも、引っ張っていける存在になれるように頑張らないといけないですね。
──今シーズンは、ワールドカップの開催決定というニュースがあった一方で、リーグ戦は浦安が連覇を逃すという結果になりました。
改めてこの1年を振り返って。
開幕戦の負けから始まり、 昨シーズンは年間を通してずっと勝っていた分、今シーズンは1つの負けでチーム全体のテンションが下がってしまい、そこから流れがいい時もあれば悪い時もあるような、波のあるシーズンになりました。
優勝はなくなってしまいましたが、応援してくださってる方がいる限りは結果で返していかないといけないと思っています。最終節は開幕で負けたアルコ神戸とのリベンジマッチに勝って、次の3月の選手権にちゃんとつなげていけるように準備をしていきたいです。
──チームとして、具体的にどんなことがうまくいかなかったと感じていますか?
いい意味でも悪い意味でも、昨シーズンとメンバーがほぼ変わらず、新しい動きがあまりない状態だったというのは、一つあるかもしれません。お互いのことはよくわかっているけど、チームの中でセットごとに分かれてしまっている雰囲気がありました。
フットサルは、フィールドプレーヤー4人とGK1人でピッチに立ちますが、そこの関係性だけでなくチームとして1つになれたほうが強いはずです。そこを改善して、チーム全体が一体感をもって戦うという意識をもちたいし、もてていたら結果は変わっていたんじゃないかなと、個人的には感じています。
──優勝を逃すことになった前節の西宮戦のあと、涙があったという話も聞きました。
ただ、もう悔しい。本当にその一言です。でも、リーグ戦は日々の積み重ねだなって。その前の試合でもひとつ落としてしまっているので、どの試合でも勝ち点を積み重ねられるようにならないと、優勝するのは難しいんだなと、改めて感じました。
──リーグ戦と代表活動はまた別かもしれませんが、主力メンバーには浦安の選手がたくさんいます。来年アジアカップ、 ワールドカップに向けて、この経験をどう活かしていきたいですか?
この気持ちは絶対に次につなげないといけないですし……。すみません、思い出して少し泣いてしまいそう。ちょっと待ってくださいね。
もう、リーグ優勝しか考えていなくて、本当に……悔しかったので……。
でもこの代表という場は、ほかのチームのメンバーとも一緒に、仲間として日本を背負って戦える特別な場所です。リーグ戦で自分たちが負けたチームの選手とも勝ったチームの選手とも、お互いにリスペクトしあって世界一のチームになっていけるように、この悔しさをバネにして頑張っていきたいです。
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