更新日時:2024.12.15
【日本女子代表】「日本一のチームだということを示したい」代表歴10年のベテランが語る“西宮愛”とリーグ初制覇への思い(江川涼/SWHレディース西宮)
PHOTO BY伊藤千梅
11月28日から12月1日にかけて、フットサル日本女子代表候補国内トレーニングキャンプが高円宮記念JFA夢フィールドにて行われた。
11月30日と12月1日に行われた中国女子代表とのトレーニングマッチで、ピッチ内では同じセットのメンバーに積極的に指示を出し、ベンチでも誰よりも声を張ってチームを鼓舞するのは、2015年の日本代表初招集から今年で10年目を迎える江川涼だ。
2019-2020シーズンに生まれ育った東京を離れ、西宮に加入し早くも6年。
古巣である浦安を破り、目標達成まであと一歩まで迫ったその表情は、高揚感に満ち溢れている。
クラブにとっても自身にとっても初のリーグ初優勝まで、「あと1勝」の江川に話を聞いた。
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■合宿中インタビュー
- 須賀雄大監督
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「どこのポジションも高クオリティで」丸岡のエースが見出す、自身の新たな可能性 - 松木里緒(立川アスレティックFCレディース)
「どれだけやれるか試そう」巡ってきた1年ぶりのチャンスで残した、たしかな爪痕 - 松本直美(バルドラール浦安ラス・ボニータス)
2週間経っても堪えられなかった涙「代表では世界一のチームに」 - 高橋京花(アルコ神戸)
いい雰囲気のまま最終節を迎えられている
──代表合宿を終えて。
今回の活動では、今までとは違うメンバーでセットを組むことが多くなりました。とはいえリーさん(筏井りさ)、エグ(江口)、サラ(追野沙羅)と一緒にプレーしたことがある選手も多いので、新しい組み合わせを試しつつも、そのなかでもしっかり結果が残せたのはよかったです。
個人としては何年ぶりかにアラでプレーする時間もあって、久しぶりの感覚でしたね。須賀雄大監督からはストロングポイントである走力や、スピードを生かした攻撃をしてほしいと言われましたが、「こういう使われ方もあるんだな」と知れたのは新しい発見でした。
──アラでのプレーしていたのはいつごろですか?
浦安に加入したばかりの頃なので、19歳とか20歳とか……。なので、10年ぶりくらいですね(笑)。すごく緊張しました。
──「浦安」というワードが出ましたが、リーグ戦では前節、その古巣を下して優勝に王手をかけました。
毎年優勝を狙えるメンバーとチームだと思っていたものの、もったいないところで勝ち点を落としてしまい、あと一歩届かないシーズンが長くなっていました。なので今シーズンは、どの試合でも着実に勝ち点を積み重ねていこうという話をずっとしていました。
ただ、例年は上位のチームに勝てないことが続いていたイメージでしたが、今シーズンはしっかり勝ち切れたし、 チーム全体でいい雰囲気のまま最終節を迎えられています。
前回対戦ですみだには引き分けて苦い思いをしてるので、ここでしっかり勝って、自分たちが今シーズンのリーグ日本一のチームだということを、周りにも示したいです。
──ちなみに、浦安から西宮に移籍するのを決めたのは、どんな経緯だったんでしょうか?
実は、2016年に西宮が全日本選手権でアルコ神戸と決勝戦を戦っている試合を見た時から、ずっと「このチームのフットサル好きだな」と思っていたんです。でも、自分はまだ浦安に加入1年目の年だったので、ここでまずは頑張ろうという気持ちですぐに移籍ということは考えずにいました。そこから、5シーズン浦安でプレーして、2019-2020シーズンに西宮に加入して今に至ります。
上久保(仁貴)監督はピッチ内外ですごくおもしろくて大好きな監督ですし、関西は自分の性に合っているなと感じます(笑)。
──“打倒・浦安”を掲げてきたなかで、どういったところにクラブやチームの成長を感じていますか。
浦安は個人の能力が高いイメージなので、そこで負けないというところは意識しつつ、チームワークや戦術で圧倒しようという話を、ここ数シーズンはしています。やってることや、積み上げのところは自体は、そこまで大きく変わっていません。
ただ、これまでは序盤に失点したら取り返せず、ズルズル試合が進んで負けてしまうことが多くありましたが、今シーズンは先制されても前半で追いつける力を出せていることが、勝利につながっていると思います。
──浦安戦は怪我のため、相手のパワープレー時のみの出場という形になりました。この試合はベンチでどう見ていましたか?
監督からは、出るとしたらフリーキックのディフェンスかパワープレーの守備でという話だったので、いい準備だけはしとこうと。
あとは自分は声をかけることしかできなかったんで、チーム全体鼓舞することで一緒に戦っていましたが、チームメートのことを信じていたし、勝利だけを信じて「みんななら絶対大丈夫」と、疑うことはありませんでした。
“姉妹”一緒に代表チームで
──妹の凜さんも浦安にいらっしゃいますが、試合後はおそらく……。
泣いてましたね。まだまだ子どもですね(笑)。
──凜選手は、江川選手にとってどんな存在ですか?
浦安がそもそも特別な相手だというのもありますけど、やっぱり「妹には負けたくない」という意地はあります。
昨シーズンまでは、試合には負けてはいたものの個人として対戦した時は「全然まだ負けないな」と思えていました。でも、今はもう危機感を感じています。昔からずっと足元もうまくて、「自分よりうまい」とは周りにも言っていたのですが、想定していたよりも適応能力が高くて、本当にびっくりしています。テクニックじゃない部分もすごく成長しているので、やばいぞ、と。自分ももっと頑張って、圧倒しないといけないと思っているので、いい刺激になっています。
──たしか、昨シーズンがフットサル転向1年目でしたよね?
そうなんですよ。
歳が離れているし、住んでいるところも今遠いので、昔からものすごく仲がいいというわけではなくて。でも、フットサルを始めると言い出してからは、会話が増えました。最初は「姉妹で対戦できるの楽しみだね」くらいの感覚でしたけど、今はもういち選手として、ピヴォとアラで凜からのパスを受けたいなとか、一緒に代表に入って同じチームでやりたいなという思いがどんどん強くなってきています。本当に楽しみです。
──西宮に呼びたい気持ちも……?
呼びたいですけどね!「一緒にやろうよ」とは言っているんですけど、でも浦安側も離したくないんじゃないかな。浦安の茨木(司朗)コーチは、私がずっと教えてもらってた恩師なんですけど、今は凜を育てるのが楽しいと思うので、たぶん離してくれないと思います(笑)。
だから、早めに代表に呼ばれるように、さらに頑張ってもらうしかないですね!
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