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作成日時:2024.12.17
更新日時:2024.12.17

【日本女子代表】W杯の舞台に立つために、36歳のベテランが定義する“いい選手”「チームにとって最適なプレーを」(筏井りさ/バルドラール浦安ラス・ボニータス)

PHOTO BY伊藤千梅

11月28日から12月1日にかけて、フットサル日本女子代表候補国内トレーニングキャンプが高円宮記念JFA夢フィールドにて行われた。

今回の合宿最年長のベテランとして日本代表を引っ張るのが、筏井りさだ。

ジェフユナイテッド市原・千葉レディースや浦和レッズレディースといったサッカーのトップカテゴリーでプレーした後、2018年からフットサルに競技転向。日本女子フットサルリーグ(女子Fリーグ)では5回のMVPを受賞し、2022年からフットサルで代表に選出され続けている。

長年フットボーラーとしてのキャリアを重ねてきた筏井にとって、W杯は長年の夢。2025年に初のフットサル女子W杯の開催が決定し、幼い頃から憧れていた場所を目指すことができるようになった。

それでも、新世代が躍動するなかで、日の丸を背負い続けることは簡単ではない。代表として結果を残し、求められる選手であり続けるために、彼女が思う“いい選手”とは。輝きを増す36歳が、夢舞台を現実にするために大事にしていることを語った。

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仲間が戦う姿に奮い立った

──今シーズンのリーグ戦を振り返って、率直な気持ちを教えてください。

5連覇を目指していたので残念ですが、今シーズンは開幕からうまくいかないことも多くあったなかで、いろいろな気づきがありました。改善できたこともありましたが、修正しきれずに最後に負けが積み重なってしまいました。

ただ個人的にはこの先のことを考えた時に、成長するための過程だったと捉えたらいいと思って、今必死に何をするべきかを考えて取り組んでいます。悔しい気持ちはありますけど、また頑張ろうと思っています。

──一番大きな気づきは何がありましたか?

今までは日頃のトレーニングやフィジカル面の強度など、チームとして強みとしているところで相手を上回っていたから結果につながっていました。ただ、それに対して相手が対策してきて、ゴール前を固めてきた時や、体を張って守備をしてきた時に、それをどうこじ開けるかという部分で、もう一工夫必要だったと感じています。

結局、今はまだ個人の技術で点が取れているところはありますが、もう一個、コンビネーションの精度を上げて、バリエーションを増やさないといけないと思っています。

──SWHレディース西宮戦は(出場停止により)観客席から見守っていましたが、どんな気持ちで試合を見ていましたか?

すみだ戦は必死に戦った結果ではありましたが、出場機会を失ってしまいチームにすごく迷惑をかけてしまいました。それでも1週間、自分ができることに取り組んでいました。チームとしても一つピースがなくなっても、しっかりと練習に取り組むことができていたので、みんななら勝ってくれると信じて見ていました。

結果は出なかったし、自分自身不甲斐ない気持ちもありましたが、みんなが本気で試合に向かう姿を第三者目線で見て「やろう」と思えました。これからに向けて奮い立つ気持ちになっています。

──チームメイトには、何か声をかけましたか?

私の代わりに入った平井(成美)選手や澁川(鈴菜)選手とは少し話しをしました。試合までの1週間のトレーニングでもいろいろと話しましたが、改めて心強い存在だなと感じています。みんなもライバルですし、逆に出番があった時に自分のプレーを体現できていたので、シンプルに「良かった」と伝えました。だからこそ自分も、そのポジションをもう一度取り返す気持ちで「一緒に頑張ろうね」という話をしました。



仲間も巻き込んで、日本がベストで臨めるように

──今回の代表合宿はいかがでしたか?

2年前の遠征から、今年3月のポルトガル遠征、国内合宿と須賀(雄大)監督の元で積み重ねてきて、ようやく代表として「2025年のW杯」という目指すべきところが決まりました。

もちろんW杯に出場するには、アジア予選を勝ち抜かないといけません。そのなかで、同じアジアの中国と試合ができたことは、チームとして予選に向けての意識を高められたかなと思います。

何回も呼ばれている選手と新しいメンバーがいますが、代表はその時に呼ばれた選手でチームをつくるチームです。自分もいろんなメンタリティを経験していて、最初の頃と比べて今は少し慣れてきました。チームとしてのコンセプトもわかった上で、対戦相手や状況に応じて意識するポイントを変えていく流れもわかってきています。

今回の合宿では落ち着いた気持ちでいられましたが、リーグでは個人の結果を出していなかったので、また新しい気持ちで臨みました。周りの選手に負けない気持ちもありつつ、みんなが味方なので、自分が合わせながらお互いの良さを生かせたらと思っていました。

──今回初招集の高橋京花選手や原川菜々子選手と一緒にプレーしてみていかがですか?

一緒にプレーできることは楽しみでした。もちろんリーグ戦では対戦相手として戦っているので、特徴は捉えていましたし、自分はピヴォなので、味方の時にはタイプをみてその人を生かしつつ自分を出そうと思っていました。

代表という場所では、自分の役割を理解して、チームにフィットして、その時その時でチームにとって最適なプレーをすることが、私はいい選手だと思っているので、そういうことができるようにとは思って準備してきました。

──代表活動への意気込みをお願いします。

私はサッカーとフットサルを合わせて、フットボール人生が長いのですが、W杯という場所は“フットボーラー”の誰もが憧れる舞台です。その開催が明確になった今、そこに向かって全力で戦いたいと思っています。

その過程には、まだまだ課題もあります。個人としてコンディションを維持できるか、選出されるか、チームとしてはアジアを勝ち抜けるか、そういったすべての要素がW杯にいくために必要です。

それに対して、自分自身だけでなく、周りの仲間も巻き込んで、日本としてもベストな状況で臨めるように、できることを全部やりたいなと思っています。

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