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作成日時:2024.12.19
更新日時:2024.12.19

楢﨑正剛から薫陶を受けた、新人GK・川上翼。「どうゴール前に立つかを刷り込んでもらった」【F第18節|インタビュー/北九州】

PHOTO BY舞野隼大

【Fリーグ】湘南ベルマーレ 4-4 ボルクバレット北九州(12月6日/小田原アリーナ)

GKながら左足を思い切り振り抜き、見事なミドルでFリーグ初ゴールを決めた。

今シーズン、名古屋オーシャンズサテライトから北九州に加入し、デビューを遂げた川上翼。ルーキーイヤーではあるが、ピッチ上で堂々とした振る舞いと落ち着きを見せていた。

北九州はGKも攻撃に加わる戦術を多用している。「GKを使った攻撃を本格的にやるのも北九州に来てからが初めて」と本人も言うが、高い基礎技術でボールを運び、味方へとパスをつける。

下支えしているのは、高校時代での経験。

名古屋グランパスU-18では、日本代表のレジェンド・楢崎正剛から教えを受け、ゴール前での安定感を身につけた。足元の技術も、GKを使ったビルドアップや日々の狭いピッチでのトレーニングから培われていった。

高校卒業後は名古屋サテライトでフットサル選手に転身し、今こうしてFリーガーとしての道を歩んでいる。

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シュートのインパクトもスピードも良かった

──Fリーグ初ゴール、おめでとうございます!

ありがとうございます。あの距離からのシュートは練習から狙っていたので、それが試合でも同じようにシュートを打てたことでゴールにつながったと思っています。ゴールを決めることができたのはうれしいですけど、勝ち切りたかったなという思いが強いですね。前節のペスカドーラ町田戦と同じで、2点差で終盤を迎えて追いつかれるのでGKとして責任は感じます。そこで守り切れるような選手にならなければいけないと思います。

──味方へパスをつける選択もあったと思います。どんな理由からシュートを打つ判断をしましたか?

最初は右サイドの(クシヤマ・)イザケ選手へ出そうと思っていましたけど、そっち側は相手に切られていたので、右足で中へ運んだ時にゴールが見えたので思い切り打ちました。シュートは相手に当たって入ったように見えましたけど、インパクトもスピードも良かったと思うので、決まるべくして決まったゴールだったと自分は思っています。

──一方で、リードを守り切るためにどんな反省点が挙げられますか?

チームとしては細かいところを突き詰める必要があります。第1ピリオドは相手の4対5の形から崩されて、もったいない失点をしたと思っています。3失点目と4失点目はセットプレーからでしたけど、3失点目は守備の1枚目のズレからで、4失点目は僕が止めなければいけないシュートでした。そこは責任を感じています。

──川上選手は今シーズン、名古屋オーシャンズサテライトから北九州へ移籍をしてFリーガーとしての1年目を歩んでいます。出場機会もコンスタントに得ていて充実感もありそうですが。

そうですね。GKを使った攻撃を本格的にやるのも北九州に来てからが初めてで、日に日に成長している実感もあります。そこで得た自信がシュートストップにもつながってきていると感じるので、自信を持ってプレーできています。

──足元の技術に元々自信はあったのでしょうか?

そこまで自信はありませんでしたけど、「練習をしたらある程度はできる」というメンタルでなんでも取り組んでいました(笑)。練習で足元はいつも使っていますし、そういう性格も相まって試合でも思い切って出せています。

いずれは日本代表に選ばれるような選手に

──川上選手は高校時代、名古屋グランパスU-18でプレーされていましたがそこでも足元の技術は求められませんでしたか?

そこは他のクラブよりも求められていたんじゃないかなと思います。グランパスにいた時も狭いピッチで5人から6人のゲームをよくやっていて、そこでGKを使ったビルドアップも多用していました。そういうのも生きているのかなと感じています。

──その時の経験が今の川上選手の色になっていそうですね。

最初はここまで上がっていくと思っていなかったので、今のスタイルは自分の想像を超えていますね(笑)。でも、試合を重ねるたびに問題なくやれていますし、どんどんクオリティも上がっている実感があるので、そこはもっと自分の強みにしていきたいなと思います。

──グランパスU-18では、アシスタントGKコーチに元日本代表の楢﨑正剛さんがいましたが当時教わったことで、今も生きていることはありますか?

楢さんには「GKとしてどうゴール前に立っていればいいか」というメンタル的な部分を刷り込んでもらいました。楢さんは現役時代、安定したプレースタイルの選手でした。自分も波はないほうの選手だと思っていて、そこは楢さんから教えを受けた影響ですし、僕の特徴の一つでもあります。楢崎さんとGKコーチの佐々木理さんに教わったことは本当に今も生きていて、ミスをした後のプレーの大事さは佐々木さんにとことん教わりました。

──川上選手自身の今後の目標を教えてください。

今シーズンで言えば、残りの試合すべてに出場して、できるだけ上の順位で終わることですね。いずれは日本代表に選ばれるような選手になりたいと思っています。1試合1試合どんどんアピールをして、引き分けてしまうような試合を勝てる試合にできるように、まずは失点をしないGKを目指してやっていきたいですね。

──競技は違いますが、楢崎さんと同じ日本代表選手に上り詰めることができれば、佐々木さんや楢崎さんにも一つの恩返しをできそうですね。

そうですね。日本代表は、このFリーグとはまた全然違うプレッシャーがかかると思います。そういう大舞台でも安定したプレーを出せるように、そこはもっともっとやっていきたいと思います。

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