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作成日時:2024.12.20
更新日時:2024.12.20

大一番で見せた渾身の同点弾「自分が出た試合で負けたくなかった」チームを救ったベテラン・藤江沙樹の本音【女子F第16節|インタビュー/西宮】

PHOTO BY伊藤千梅

【女子Fリーグ】フウガドールすみだレディース 4-5 SWHレディース西宮(12月15日/セーレン・ドリームアリーナ)

12月15日、セーレン・ドリームアリーナにて日本女子フットサルリーグ2024-2025(女子Fリーグ)の第16節が行われ、フウガドールすみだレディースとSWHレディース西宮が対戦。5-4で西宮が勝利し、クラブ史上初のリーグ優勝を成し遂げた。

試合後、藤江沙樹が穏やかな表情で取材エリアに現れた。「安心した」と優勝の喜びを語るなかで、前節の浦安戦の話になった時に、これまでの葛藤を伺わせる本音がこぼれた。

第15節、浦安戦。試合中に追野沙羅が足を痛めたことで、急遽、藤江がピッチに立つ時間が増えた。3-4と1点を追う状況で迎えた33分。左サイド、高尾茜利のキックインからダイレクトで放ったミドルシュートは一直線へゴールへ。チームを勝利に近づける同点弾を決めた。

「『自分が出た試合で負けたくない』という気持ちがあった」

その一言が、優勝したチームにもさまざまな立場の選手がいることを思い出させる。それでも、立場に関係なく、チーム全員が一丸となって戦ってきたからこそ、優勝という結果を勝ち取ることができたこともまた、実感した。

全員で戦い抜いた西宮の一員、藤江に話を聞いた。

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浦安戦は、チームと自分にとって大きな試合

──率直な今の気持ちを教えてください。

やっとこの日を迎えられたなという気持ちが一番大きいです。

それぞれの選手がいろんな立場でいろんな感情をもちながらこのリーグを戦ってきました。今シーズンだけでなく、優勝を取ることの難しさも感じていたので、とにかく安心しました。

──やはり、優勝することは難しかったですか?

そうですね。自分たちには、これまでも優勝するチャンスはありましたし、そこで勝ち切るには何か足りない部分があったことも感じていました。

ただ、今シーズンに関してはリーグ全体の流れもありましたけど、しんどい時に結果を出せたことはチームとして成長の部分であり、こういう結果につながった理由の一つなのかなと思います。

──先ほど「いろんな感情をもちながら戦ってきた」と言っていましたが、藤江さん個人としてはどのような感情がありましたか?

正直にいうと、今日の試合はもちろんですが、前節の浦安戦の1試合がチームにとっても大きかっただけでなく、自分自身にとってもとても大きな1試合でした。あの1試合があったかなかったかで、この結果に対しての気持ちも変わっていただろうなというのが、率直な感想です。

──それは、女王・浦安に勝った部分でしょうか?

浦安に勝ったこともそうですけれども、本当に個人的な部分でいうと、今シーズン出場機会がなかなか獲得できていなかったなかで、アクシデントもあった状況で自分が出場しました。チームに対しての思いももちろんありますけど、それよりも「自分が出た試合で負けたくない」という気持ちがありました。

チームとしても大一番だった試合で、得点することができて、流れを良くすることができたと感じています。試合後もいろんな人から連絡をいただきました。他のチームの人から「良かったね」と言ってもらうこともあり、すごく支えてもらっているし、見てくれている人はいるなと感じて、心が救われた試合でした。

──前節、試合後には涙も見られましたが、改めてどんな気持ちでしたか?

あそこで負けていたら優勝の可能性は限りなく低くなっていたので、今節よりも前節のほうが安心した気持ちは大きかったかもしれません。



誰か」ではなく「全員で」つかんだ優勝

──西宮はボールを保持していくスタイルのチームとして長年プレーしてきましたが、時には勝つために割り切る戦い方も今シーズンはしてきたと思います。それでもベースとしてこだわり続けて優勝できたことについてはいかがですか?

そうですね。もちろん「SWHと言えばポゼッション」という認識があるなかで、結果のために崩したところももちろんあります。そこに関しては割とポジティブというか、自分たちも結果のためにという意識があったので、受け入れも十分にできていたと思いますし、コミットもできていたと思います。

でも、その大事にしているボール回しの部分は、選手それぞれ忘れずにプレーはしていました。自分たちのスタイルだけで勝てたらいいですし、理想としてはそうですけど、現実的に考えるとそういう選択肢もあったのかなと思います。

──上久保仁貴監督はどんな存在ですか?

長年チームを見てきているので、それによるいいところと難しいところはあるとは思うんですけれども、選手からの信頼も大きいですし、慕われている監督だと思います。

私にとっても、今まで関わってきた監督とは違った、どちらかというとフレンドリーな監督です。でも試合の時はビシッと構えているので、一人ひとりの選手にとっても大きな存在ではあるかなと思います。

──これまでのシーズンと、優勝することができた今シーズンは何が一番違いますか?

今まで何かが懸かった時のSWHは、個人的にはもっと堂々とできるのになというふうには感じていました。でも今シーズンの上位リーグに関しては、負けが認められないなかで結果を残すことや、内容としても臆することなく、みんながプレーできていたと思います。そういうところがチームとして成長していて、結果につながったかなと思います。

──藤江選手にとって、西宮はどんなチームですか?

いろいろと私なりにいろんな状況を見てきているなかで、今シーズンで言うと「誰かが」というよりも「全員が」という部分が、結果につながったのかなと考えることも多いです。組織的なつながりで戦えたことが良かったかなと思います。

──次は2冠、2連覇ですね。

そうですね。リーグはリーグでしっかり喜びますが、次に向けて切り替えて、しっかり準備して挑みたいと思います。

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