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作成日時:2024.12.22
更新日時:2024.12.23

【F1第19節|記者会見/浦安vs大分】“自分たちのスタイル”を徹底した上で、大分・狩野新監督が若手に求めたいこと「ゲームコントロールの部分が足りていない」

PHOTO BY伊藤千梅

【Fリーグ】バルドラール浦安 3-1 バサジィ大分(12月22日/バルドラール浦安アリーナ)

12月21日、Fリーグ2024-2025 ディビジョン1の第20節が行われ、バルドラール浦安とバサジィ大分が対戦。大分は1-3で敗れた。

しながわシティ、名古屋オーシャンズ、立川アスレティックFCと、上位陣との対戦が続いている大分。

3連敗を喫し「ネガティブな状況」ではありつつも、「浦安との相性は悪くない」というイメージをもって、首位との一戦に臨んだ。

その言葉のとおり、前からのプレスとタイトなマンツーマンディフェンスで浦安の攻撃を阻止。先制点を奪われるも第1ピリオドのうちに追いつき1-1で試合を折り返すと、続く第2ピリオドも、拮抗した状態を維持し、善戦していた。

しかし、残り5分でのカウンターでのピンチの局面で、陣川凌が2枚目のイエローカードで退場に。数的不利の状況で勝ち越しを決められ、最後はパワープレー返しでダメ押しゴールを許し、取れたかもしれない3、あるいは1の“勝ち点”を逃した。

試合を終え、大分の狩野新監督が記者会見に出席した。

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築き上げてきたスタイルは、大切にしていきたい

●狩野新監督|バサジィ大分

──今日の試合を振り返って。

ここ数試合負けが続いていて、チームとしてはすごくネガティブな状況でもあったとは思います。それでも今週は心機一転、勝ちだけを目指してやってきました。

トレーニングから一番意識していたのは「立ち上がり10分での失点を減らそう」ということでした。ここは今シーズンを通じての課題ではあり、改めてこの1週間も意識して取り組んでいましたが、上位のクオリティが高いチームに対して粘り強く対応しきれませんでしたね。最初の失点で相手のペースにもっていかれたゲームでした。

──負傷の選手も多い状況でも「粘り強く戦う」ことにこだわり、今日も退場者が出るまでは対応ができていたように見えました。ただ、限られた選手層で1試合を戦い「勝つ」ために、なにか新たに取り組んでいることなどはあるんでしょうか?

チームのコンセプトや 目指しているものとしては、若い選手が代表に入るためにも、見に来てくださるお客さんに対しても、上位のチームと同じようにアグレッシブなフットサルを展開しないといけないと思っています。

もちろん、勝つことだけを考えるのであれば、戦い方を変えなきゃいけない部分はあると思いますが、ハーフから後ろに下がって……ということは、僕は一切考えていません。どれだけ人数が少なくてもデュエルしたり、前からプレッシャーかけたりといった伊藤雅範監督の時から築き上げてきたスタイルは、大切にしていきたいので。

もちろん練習のなかでは、最初からパワープレーをしてみることもありますし、いろんな策に取り組んではいます。ただ、今日のような上位チーム相手に対しては真っ向勝負で自分は行きたかったですし、自分たちのスタイルを崩さないようにしていこうと選手たちには伝えていました。

守備のトレーニングはもちろん使うし、どこでどう時間を使っていくのかという話はしますが、それは戦い方の一つであってすべてではありません。このFリーグは日本代表を目指す選手がいるべき場所であり、その選手たちが世界と戦う時に自陣に下がるのか。そういう戦い方をするリーグではないと僕は思っています。

自分のなかでも葛藤がある部分もありますが、準備はしておきつつも簡単に出すようなことはせず、貫き通していくことを今は考えています。

──浦安の3得点目は、ノーゴールから得点が認められるような形になりました。大分ベンチ側での事象でしたが、どう見ていましたか?

そうですね。そこは正直、納得いかないところです。一番近いレフリーが見ていたなかで、もしかしたら触ったのかもしれないですけど、何の説明もなかったので……。

判定が覆るにしても、説明して選手たちも納得した上で次のプレーに行くのがベストだったのかなと。あのままだとゲームも崩れてしまいますし、選手のメンタルもおかしくなって、そのあともいいプレーを見せることはできないと思うので、そこのコントロールはしてほしかったです。

──残り5分、カウンターのシーンで退場者が出てしまいましたが、なぜあのような状況になってしまったのでしょうか。

コーナーキックが取れたタイミングで、 相手のインサイドを狙うという意図をもっていたのですが、 浦安も前回それで失点したことで改善されていて、うまくとおすことができませんでした。

正直、自分たちはキッカーの質という面で優位性があるわけではありません。なので4秒使って後ろに返すといった、安全なプレーがあの時間は必要だったかもしれませんが、セットプレーの選択に関しては陣川(凌)も含め、若い選手にはチャレンジしてほしいところもあるので、その結果点につながらなかったと捉えています。

でも、そのあとのプレーに関しては、攻撃を遅らせながらセーフティーにカットできたシーンだったはずですし、 ゴール前10mに入ったら、後ろからのアタックはしないという話はしていました。ファウルする必要もないところでのもったいないカードだったので、そこは冷静な判断をしないといけないことは選手自身がもう少し理解しないといけないし、自分も外から声かけができればよかったなとは思っています。



パスの質、走るコース、ポジショニングをもっと追求したい

──今シーズン浦安と二度対戦しましたが、対戦相手として好調の要因をどう分析していますか?

僕らとしては浦安とのそんなに相性は悪くないと思っていて、今シーズンも大差で負けてはいないですし、特徴をしっかり消せているのかなとは思っています。

ただ、ここに来て(ピレス)イゴールが大活躍しているというのが、かなり大きいのではないかな、と。長年日本でプレーしてきて、彼のFリーグや浦安に対する思いだったり、いろんなものが詰まったパフォーマンスなんだろうなと感じています。

さらにファーストセットには現役の日本代表選手がそろって自信をもってやっていますよね。本石(猛裕)も大分にいた時からクオリティの高い選手ではありましたが、 若い選手たちが成長して活躍できるチームづくりができていて、そこは小宮山監督の起用方法のうまさを感じます。

なかでも石田健太郎選手は、日本のトップレベルの選手のなかでも頭一つ抜けたなというイメージですね。今日も注意するべき一人として選手には意識させていましたが、オールラウンダーでなんでもクオリティが高く、非常にスカウティングが難しい選手です。

──今日に関しては、その石田選手を前に出させずプレスがハマっていた印象でした。狙い通りですか?

石田選手に直接プレッシャーに行くのではなく狙い所として別の選手がいたので、少し我慢してからプレッシャーに行くことと、サイドからスイッチを入れるタイミングは、この浦安戦に向けて2週間かけてトレーニングをしました。そこの守備の部分は準備していたものを体現してくれましたし、すごく良かったなと感じています。あとは若い選手たちのゲームコントロールの力が、自分たちの足りていないところです。

──陣川選手が出場停止となり戦力面での不安は続きますが、首位のチームに対して途中までどちらに転ぶかわからない試合ができたことの手応えと、次節に生かせそうなポイントがあれば教えてください。

守備のところは皆さんに褒めていただいたとおり、ボールを積極的に奪おうという意欲、奪いどころでしっかりと奪うということはできていました。やられてしまったところもあり、まだ強化ポイントはあるものの浦安相手にそれができたことはとてもうれしく思っています。

ただ、奪ってからの攻撃とフィニッシュの精度は、改善して次につなげていかないといけません。

チームとしては今ピヴォの選手が1枚なので、シーズン開幕前からクワトロのトレーニングをしています。もちろん得意、不得意な選手がいるので時間をかけながら構築をしているつもりですが、自分ももともとディフェンスを大事にするタイプの監督ということもあり、まだ攻撃の落とし込みがおろそかになっているところもあるのかな、と。

いずれにせよ、現状の攻撃のクオリティを考える、勝つためには「カウンターで点を取る」ことが必須だと思っているので、パスの質、走るコース、ポジショニングをもっと追求して、次のゲームに臨みたいです。

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