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作成日時:2024.12.28
更新日時:2024.12.28

逆転勝利の引き金となる同点弾!“黒子の10番”安嶋健至がエースナンバーを背負う思い「ボルクのスタイルを一番体現する選手でありたい」【F1第19節|インタビュー/北九州】

PHOTO BY青木ひかる

【Fリーグ】フウガドールすみだ 2-3 ボルクバレット北九州(12月20日/ひがしんアリーナ)

12月20日、ひがしんアリーナにてFリーグ2024-2025 ディビジョン1の第19節が行われ、フウガドールすみだとボルクバレット北九州が対戦。北九州は3-2で逆転勝利した。

現在11位と下位に沈む北九州は、アウェイ3連戦の最終戦としてすみだと顔を合わせた。

ここまで2試合連続で引き分けており、今節の結果次第で“3戦負けなし”か“3戦勝ちなし”かで大きく印象が変わる、重要な一戦。

1-2でビハインドを追う北九州の反撃のきっかけとなる同点ゴールを決めたのは、在籍7年目を戦う“No.10”安嶋健至だった。

献身的な守備と気の利いたプレーで普段は黒子役を担うキャプテンによる、「ここぞの一発」。

勢いづいたチームは宮崎岳の逆転ゴールで逆転に成功し、9試合ぶりに勝利を収めた。

「このチームには、Fリーグをさらに盛り上げる力がある」

試合後の記者会見でもそう熱く語った安嶋に、ボルクで戦い続ける思いを聞いた。

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目指しているのは「波のない選手」

──1点を追う展開で、貴重な同点弾を決めました。

今シーズンはあまり点が取れていなかったのですが、チームに勢いをもたらすことができて個人的にはすごくうれしかったです。

僕は、特別すごいプレーができる選手ではありません。なので、まずは献身的な守備と味方を生かす動きを意識しています。ドリブルが得意な選手にスペースを与えたり、ピヴォが得意な選手にはどんどん当てて抜けていったりする動きは、逆に僕にしかできないと思っています。そこの精度を高めつつ、波のない選手を目指しています。

あとは、チームの雰囲気づくりも僕の役割の一つかな、と。「ベンチでも、全員に役割があるんだぞ」と“浮いている選手”をつくらないように心がけています。今のボルクは、一人ひとりが自分の役割を理解して、文句を言う選手は誰もいません。文句を言っていることを怒るのではなく、そもそも文句を言わないような空気をベテランたちがしっかりつくる。そこは自分も大きな役割を担っていると思っていますし、プレーで示していかなければいけないと思っています。

──確かに、安嶋選手はピッチにいる時もベンチにいる時もずっと声を出し続けている。

僕としてはとにかく、自信をもってプレーをさせてあげたいんですよね。もちろん悪いプレーは悪いと言わなきゃいけないですけど、いいプレーをしたらたくさん声をかけてあげたい。でも、意識しているというよりかは単純に僕は気持ちで動いているので、自然と出てきているものです(笑)。

それがみんなに伝われば、僕だけじゃなくお互いが褒め合ういい集団になっていく。「ボルクはこういうチームだから」と7年間ずっと言われてきましたが、それができるメンバーしかここにはいません。全員が一人も欠けることなく、どんな状況であってもチームのために動くことが自分たちのスタイルだと思っています。



“ボルクらしさ”を伝えることはかなり意識している

──ボルクの「10番」はもう何年つけていますか?

2年目からつけているので、6年ですね。つけたばかりの頃は「自分がこのチームを引っ張っていく」という思いをもっていましたけど、どちらかというと後ろから支えていくタイプですよね(笑)。得点をどんどん決めるエースではないですが、ボルクのスタイルを一番体現する“10番”でありたいですね。

──F2が創設されたシーズンに加入をしていますし、“ボルクらしさ”を新しい選手に伝える役割もありそうですね。

そうですね。声を出すことは自然とやっていることですけど、“ボルクらしさ”を伝えることはかなり意識しています。

「アツさ」が特徴で、騒がしい選手も多いですけどそれが本質ではありません。静かな選手には彼らなりのやり方があるのを理解した上で、そのキャラクターを浮かせるようなことはせずに引き込んでいく。ただの仲良しこよしじゃダメですけど、テンションは違ってもいいコミュニケーションが取れているからこそ、信頼し合うことができて、いいプレーが出てくるのではないかなと思っています。

──それぞれのキャラクターを尊重する。

はい、たとえば玉井勇輝は物静かなタイプですけど、彼にも「アツさ」はあるし、みんなから愛されている選手です。岡田大毅は不器用だけど、誰よりも練習を一生懸命やるし、強い気持ちをもっている。一人ひとりにキャラがあって、それをどうチームにしていくか。最低限やらなければいけないレベルはありますけど、それぞれのキャラも立てながらチームをつくっていけたらいいなと思っています。



まず勝たないといけない

──平日の夜にも関わらず応援に来ていたサポーターに歓喜の瞬間を届けられましたね。

自分たちもやっていて楽しかったし、心の底から燃えていました。アップに取り組む顔もいつも以上に引き締まっていましたし、ワンプレーに込める思いも今シーズンで一番強かったんじゃないかなと思います。

──これで今シーズン3勝目ですが、ホームではまだ勝利がありません。

ホームで、勝ちたいですね。ホームで勝った時は、今日以上たくさんの人が笑顔になる。笑顔にしたいし、それを見たいんです。

──ボルクらしい、熱いフットサルで魅了していってください。

ボルクはFリーグを盛り上げていける存在になれる、可能性を秘めたクラブだと思っています。ただ、現状はF1で8位以上になったこともなく、「Fリーグを変える!」と大口を叩けるような成績ではありません。

自分たちは地域貢献活動にもどんどん取り組んで、北九州でも少しずつ認知されるようになってきました。イベントに出た時も、「ボルクが来てくれてよかった」と言ってもらえます。

でも、勝てなければ「地域貢献活動をやっている場合じゃないのでは?」と言われかねません。街に必要とされるクラブになっていくには、まず勝たないといけない。

トップリーグにいる価値も北九州のみなさんには証明しなければいけないですし、平均でも1試合に1000人は来てもらえるようになりたいですね。

その上で、ピッチ外の活動も同時並行で大切にしていく。大変なことはもちろんわかっていますけど、ボルクはそれができるチームだと信じています。

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