更新日時:2025.01.04
【対談】江川涼×江川凜、日本女子代表“初共演”!7歳差姉妹が語る初招集の舞台裏
PHOTO BY伊藤千梅
12月18日から21日にかけて行われた日本女子代表候補国内トレーニングキャンプで、日本フットサル界に新たな歴史を刻んだのが、初めて“姉妹”で日本代表に選出された「江川涼」と「江川凜」だ。
今年で29歳を迎える姉・江川涼は、2015年の初招集から10年間日本代表に選出されている、日本のエース。2023年に行われたアジアの大会「NSDF WOMEN’S FUTSAL CHAMPIONSHIP」ではMVPを受賞した。
一方、22歳の妹・江川凜は、競技転向2年目にして初めて代表に選出された。19日に行われたトレーニングマッチでは、初招集ながらも堂々としたプレーを披露。これからの活躍に期待が懸かる。
今回、代表で初共演した2人が、江川凜の選出時のエピソードや一緒にプレーしての感想、代表に懸ける思いについて語った。
※取材は12月19日に行いました
「知っていたのに教えてくれなかった」(涼)
──姉妹での代表初招集、おめでとうございます!
2人 ありがとうございます!
──凜さんが追加招集された時、涼さんはどんな気持ちでしたか?
涼 今日(19日)の朝食後に須賀さんから全体に発表されて「……え?凜?」と戸惑いました(笑)。
選手間で追加招集選手の予想をした時に凜の名前も挙がっていたので少し期待もありましたが、実際に凜だとわかった時は「え、マジで!?」と思いました(笑)。みんなが自分のほうを見るからニヤニヤが止まらなかったですし、シンプルにうれしかったです。
凜 自分は、昨日の夜に聞きました。
涼 知っていたのに、教えてくれなかったんですよ(笑)。
凜 私がその話を聞いたのも唐突だったんです。代表選手はみんな知っていると思っていましたし、連絡せずに登場しました(笑)。
涼 朝、須賀さんに言われた時に「おい、聞いてないぞ?」と思って。すぐに「今どこ?」と連絡したら「もう着いたよ」と返事がきました(笑)。
──逆に、凜さんは代表の話を聞いた時はどんな気持ちでしたか?
凜 正直、本当に自分では予想していませんでした。11月の前回の代表候補の活動と、今回の活動の時に、ラス・ボニの選手から「入ると思っていた」と期待して言ってもらうこともありましたが、自分自身は手応えがあまりなくて。まだ入れないだろうなと思っていました。
今回も追加招集のことはまったく考えていなかったので、すごく驚きました。でも「どうしますか?」と聞かれた時には、すぐ「行きます」と答えました。
涼 どうしますかって聞かれるんだ!
凜 そう、予定の確認で「明日からですけど、どうしますか?」と聞かれる感じですね。二度とないチャンスですし、モノにできればと思って「いきます」と即答しました。
「本当に楽しそうで、初招集っぽくない」(涼)
──一緒にプレーする機会は初めてですか?
涼 初めてです。なんせ年齢が7歳離れているので、遊びで蹴ることはしますが、チームが被ったことはないですね。一緒にやるのであれば、どちらかが移籍するか、代表の場しかありませんでした。今はセットが違うのは寂しいですが、願わくば代表で試合に一緒に出る機会がこないかなと思っています(笑)。
──凜さんは代表初招集とは思えない、イキイキとしたプレーを見せていましたね。
涼 外から見ていても、楽しそうでした。今回凜は、普段私が一緒にプレーしているSWHの選手たちとセットを組んでいたのですが、私が言うのもあれですけど、みんなめちゃめちゃ上手いんですよね。そんなSWHの選手たちのなかでも遜色なくプレーしている妹の姿を見るのは、感慨深かったです。
試合に出ている時は、とにかく「がんばれ~」と思っていました。凜と一緒に出ていたSWHの選手たちも、初招集や久しぶりの招集の選手たちだったので、とにかく頑張ってほしいという気持ちで見ていました。
──凜さんは実際にプレーしていて、いかがでしたか?
凜 すごく楽しかったです。普段、自チームの選手以外と蹴ることがほとんどないので刺激になりました。あとは代表活動に参加させてもらった以上は、自分ができることは100%でやろうと思っていました。走ったり体を張ったりするといった基本的なところをしっかりと徹底して、戦う姿勢を見せられたらと思ってプレーしていました。
涼 本当に楽しんでいる感じが、初招集っぽくありませんでしたね。あのメンタルは強い。姉には、無理です(笑)。私だったら、あんなところでボールを持たずに蹴ってしまうと思います。
──逆に、凜さんから見て、代表でプレーしているお姉さんはどうでしたか?
凜 姉は自分が中学生の時から代表でプレーしている選手です。海外で戦う姿を動画ではずっと見てきましたが、生では見たことがありませんでした。
でも改めて今回代表でプレーする姿を直接見て、すごいと思いました。プレーはもちろん、代表に定着して何年も経っていて“代表”という雰囲気があるじゃないですか。正直、この場にいるなかで一番すごいと思いました。
涼 そんなこと言われたら、ちょっと照れちゃうなあ……(笑)。
「自分の良さを出しにきた」(凜)
──憧れの選手はいますか?
涼 私、凜の憧れの選手わかるよ!あんちゃんでしょ。
凜 そう(笑)。SWHの網城安奈選手です。自分が競技転向する前から、西宮が関東に来た時は試合を見に行っていたのですが「なんでこんなに足元がうまいんだろう」と惹きつけられたのが網城選手でした。「この人みたいになりたい」と思ったことも、フットサルを始めたきっかけの一つです。
──涼さんは、凜さんの憧れの選手を知っているんですね。
涼 以前試合を見にきた時に「あんちゃんと写真撮りたい」とモジモジしながら言っていたので(笑)。タイプも似ていますし、納得ですね。
──男子選手に例えると、自分のプレースタイルは誰に似ていると思いますか?
凜 似ているというよりは、自分はフウガドールすみだの丹羽脩人選手が好きで、これからいろいろと教えてもらいたいです。個人的にもプレーを見て研究します。
涼 私もプレーが似ているわけではないですが、最近シュライカー大阪に入った芝野創太選手がむっちゃ大好きなんです。ピヴォとしておりてプレーするところを勉強させてもらっています。それにしても、あの身体能力には惚れ惚れしますよね。ああなりたいという願望もあります。
──改めて代表活動への意気込みを教えてください。
凜 今回はとにかく自分の良さや、自分ができるプレーを出しにきました。それに加えて、今シーズンはまだ全日本選手権があるので、自チームに戻った時にここで経験したことを発揮できるように、たくさん吸収したいと思います。1日1日を大事にして頑張ります。
涼 私は気がつけば代表初招集から10年が経っていました。須賀さんともずっとやらせてもらっていますが、そのポジションに甘んじることなく、“代表”というものを体現していきたいです。さらに、自分でももっとレベルアップして、結果を残していけるようなプレイヤーになりたいと思っています。
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