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作成日時:2025.02.07
更新日時:2025.02.07

「大胆なプレーをどんどん見せていきたい」33歳の“新人アタッカー”酒井遼太郎が広げる自身の可能性【インタビュー】

PHOTO BY伊藤千梅

立川アスレティックFCの元気印・酒井遼太郎の勢いが止まらない。

これまで自身の強みである走力と対人能力を粘り強い守備で生かしてきた酒井だが、加入6年目の今シーズンはサバスコーチの進言をきっかけにサイドアタッカーとしての才能を開花し、リーグ戦では7ゴールをマーク。1月25日のペスカドーラ町田戦では、息のあったワンツーからサイドを突破し得点の起点となると、自身もネットを揺らしチームを勝利に導いた。

「今の立川で、一番危険な選手だと思っています」

現在首位を走るバルドラール浦安の小宮山友祐監督も警戒心を強める、“成長期”真っ盛りの33歳に話を聞いた。

 

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「あなたは攻撃で輝ける選手」だと言われた

──チーム2得点目の上村充哉選手のゴールにつながるワンツーがとても印象的でした。あのシーンを振り返って。

あのワンツーは、先週くらいから花田(耀祐)と練習していた形でした。

今シーズン、僕はサバスコーチから「どんどんドリブルをしていいよ」と言われていたのですが、そこを抑えるために僕がボールを持つと相手は一番に縦を切ってくるんですよ。

その中でどう得点を奪うかというと、選択肢としてはピヴォ当てをするかワンツーをするかで、自分の速さを生かすにはできれば横の人とワンツーがしたい。だから、僕が縦に仕掛けられるようにブロックをしたり離れてディフェンスを引きつけたりするのではなく、「一度タイミングを逃しても、そのうちパスを出して走るから、できるだけ横にいてくれ」と伝えていました。

本来すぐにパスが出てこなければ次の動きをどんどんしていくものなんですが、僕がボールを持った時は少し長めにその場に留まってほしいと、いろんなチームメートに伝えています。今日はそのワンツーを何度か出せて、そのうちの1回がうまくゴールにつながりました。

──ここ数年「体重を減らしてから動きが良くなった」という話を聞いていましたが、さらに推進力を増しているように見えます。

僕はもともとスピードと対人能力を強みにしていますが、アスレではその強みを守備に生かすことを求められていたし、自分もそのつもりでプレーしてきていました。

でも今シーズン、サバスコーチから「あなたは攻撃で輝ける選手」だと言われたんですよ。そこからオフェンスの動きを強化してもらったら、どんどん縦に抜けるようになりました。対戦相手としては、こんなに僕が仕掛けてくることは予想していなかったと思います。

そうしたら、シーズン途中からすごく警戒されるようになって(笑)。バルドラール浦安とレギュラーシーズンで二度目の対戦をした時、僕のドリブルを抑えるために小宮山友祐監督が「絶対に上がらせるな」と叫んでいたのは、ちょっとうれしかったですね。

守備側の「こうされたら嫌だな」を突ける

──ご自身としても「攻撃で力を発揮できるかもしれない」という感覚はあったのでしょうか?

「ありました!」と言いたいところですが、まったくなかったです。そもそも、アスレに加入した時に「守備を頑張ってほしい」と言われていたから、もう自分のマインドのベースが守備だったので……。

でも、サバスコーチはチームに来てからすぐ「あなたは攻撃の選手です」と伝えてきて。最初は誰かと間違えているのかなと思いましたよ(笑)。

──実際に、攻撃に重きをおくプレーをしはじめてからの手応えは?

手応えはめちゃくちゃありますね。勉強すればするほどおもしろいし、ディフェンス目線の考え方や動きがわかるからこそ、対峙する相手の“こうされたら嫌だな”の部分は簡単に理解できて、突けるんですよ。

だから自分がドリブルで抜いた時も「よっしゃ!抜けたぞ!」というよりは、「ですよね」という感じ。やりながら、答え合わせができている感覚です。

──ベテランの選手のプレーの幅が広がるのは、見ているこちらとしてもすごくワクワクします。

基本的にはみなさんと同じように、上手い選手の動きを真似したり、YouTubeで技を見たりして、自分のものにしていくということを最近は繰り返していますが、できることが少しずつ増えてめちゃくちゃ楽しいです。あとは現役選手の特権として、疑問に思ったことをチームメートに直接聞けるのはラッキーですよね。

アスレの後輩からいつもいじり倒されていて、あまり自分のことをベテラン選手とも思っていないですし、年齢なんて気にせずどんどんいろんなことを吸収していきたい。

相手は必ずスカウティングをしているので、縦が切られてピヴォ当ても警戒されるようになってきたように、今度はワンツーが防がれるようになるということが、絶対に起きてきます。

そういった時に、本当に能力や技術のある選手はうまくいかない試合を見返してどうするか考えるのではなく、試合中に打開策を考えられるはず。それができないのは、今の僕の課題ですね。まだまだこれからです。

──今後、どんなプレーに期待してほしいですか?

第19節の名古屋オーシャンズ戦、残り2分で一番後ろからドリブルで運んで3点目をアシストしたのですが、元日本代表の横江怜さんにもすごく褒めてもらえたんですよ。自分としてもすごくチャレンジングだったなと思いましたけど、ああいった大胆なプレーもどんどん習得して試合で見せていきたいですね。

サバスコーチからも「遼太郎のせいで失点するかもしれない。でも遼太郎のおかげで増えるゴールがたくさんある」とその役割を与えてもらっているので、学ぶ姿勢を大切にしながら責任をもって、力をつけていきたいです。


取材・文=青木ひかる
1996年7月31日生まれ。神奈川県出身。大学在学中、Jリーグや学生サッカーに魅了され、スポーツライターのアシスタントとして現場での取材経験も積む。スポーツ写真販売などを手がける一般企業を経て、2023年にスポーツメディアを運営する株式会社ウニベルサーレに入社。現在は横浜FCのオフィシャルライター、サッカー専門新聞エルゴラッソの横浜FC担当としても活動しながら、フットサル全力応援メディアSALにてFリーグやフットサルの魅力を発信中。

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