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作成日時:2025.02.07
更新日時:2025.02.07

「優先順位は、自分が一番上」。7試合・13得点、覚醒したエースが結果で証明するエゴ(清水和也/名古屋オーシャンズ)|月間MVP受賞インタビュー

PHOTO BYFリーグ

12・1月のFリーグ月間MVPは、名古屋オーシャンズの清水和也選手が受賞。今回の対象期間となる2024年12月7日の第18節から1月25日の第25節までの7試合で13得点を記録し、第24節・町田戦までは7試合連続ゴールと圧巻のパフォーマンスを見せた。絶対的なエースとして名古屋の攻撃をけん引する清水選手の受賞インタビューをお届けします。

インタビュー・文=伊藤千梅(SAL)
編集=本田好伸(SAL)

※インタビューは2025年1月31日に実施しました



世界で戦えるパーフェクトな選手へ

──月間MVPの受賞おめでとうございます!

ありがとうございます。そのような評価をしてもらえてうれしいです。

──2024年12月7日の第18節から1月25日の第25節までの7試合で13得点、第24節の町田戦までの7試合連続ゴールと圧倒的な活躍を見せています。ご自身の評価は?

7試合連続ゴールといった数字は、あまり気にしていません。調子のいい時は「運」の部分もあるからこそ、大事にしたいのはそこにいたるプロセスです。

例えば、第18節のしながわ戦に敗れてしまいましたが、そこで勝ち切れていれば、チームとして今とは違ったシチュエーションになっていたはずです。フリーキックから得点したものの、まだまだチャンスはありました。できなかったことにフォーカスして、より大事な試合で得点を重ねて、チームを勝たせられる選手にならないといけないと思っています。

──この結果には満足していない、と。

そうですね。ゴール以外の改善点も多いと感じています。よりパーフェクトに近いプレーをして、世界のトップレベルの選手たちと対等に戦えるように意識しています。

──世界水準を意識しているわけですね。

そうでなければ、クラブでも、日本代表でも戦えないと思っています。昨年は日本代表がワールドカップ出場を逃した事実があります。自分は当事者ですし、その責任から逃げることはできません。過去は消せないけれど、目の前のことを一生懸命やって、リーグや代表で結果を出す必要があります。スピード感をもって成長しないといけないですね。



“共通認識”から生まれた浦安戦の一撃

──7試合で決めた13得点のうち、最も印象に残っているゴールはありますか?

第20節の浦安戦で決めたゴールですね。絶対に勝たなければいけない試合において、いい時間帯で追加点を奪うことができました。決してキレイなゴールではなかったけれど、思いが乗っていたからこそ、ネットを揺らせたと思います。

──コーナーキックから吉川智貴選手のパスを合わせたゴールでした。

あの場面では僕の後ろにアンドレシートもいましたが、彼はかなりマークされている印象がありました。なので「自分がボレーを打つフリをするから」「じゃあそこで俺も智貴からボールをもらうね」とスペイン語で会話をしていました。

配球も完璧でしたし、自分1人の得点ではありません。足に当たり損ねてしまいましたが、周りの選手と状況判断しながら対応できた狙い通りのゴールでした。

──その場の状況に合わせてプレーを変化させることは多いですか?

多いですね。どのチームもそうですが、セットプレーに対してどう守ってくるかによって、手薄になるところが出てきます。それに対してどこを狙うかをセットのメンバー全員で共通認識をもてているかどうかはすごく大事です。

試合ですぐに合わせられるように、どの方向でブロックしていくかなどは練習から細かくコミュニケーションを取っています。今シーズン、名古屋がセットプレーで得点を取れているのは、相手ディフェンスのちょっとした隙を突けているからだと思います。

──今シーズンはここまでの24試合(出場は22試合)で28点を挙げて得点ランキング1位に立っています。ご自身の得点を振り返っていかがですか?

見ている人を楽しませることができるのがゴールだと思っています。周りから「ゴラッソ」と言われていても、自分ではそこまでいい感触ではなかったものもありますけど、ストライカーとして、自分の得点によって見る人の記憶に残せるのは幸せですね。世の中で話題になったり、フットサルを見るきっかけになってくれたりしたらうれしいです。

──ゴールを奪うために普段から取り組んでいることはありますか?

自分はシュートを打つのが大好きなので、練習後に必ず、5分でも10分でも打ってから切り上げることをルーティーンにしています。すみだの時は、檜山昇吾(現・立川アスレティックFC)とよく練習していました。今は、名古屋サテライトの選手やラファ(田淵広史)、シノさん(篠田龍馬)に付き合ってもらうこともあります。

自分の得意な形や、セットプレーのシチュエーションをイメージしながら練習することで、自分の状態や感覚を把握できるので、それはずっと取り組んでいることの一つです。



どんなに悪くてもシュートを打ち続ける

──清水選手はすごく勝負強い印象があります。なぜ、ここぞという場面で決められるのでしょうか?

今シーズンは、“エゴイスト”ではないですけど、「自分」の優先順位を一番上にしてプレーしています。思い切りの良さが結果に反映されているかもしれません。

セカンドポストに走っている選手がいても、自分でシュートを打って完結してしまうこともあります。外から見ていて「そこはパスを出せよ!」と思うかもしれないですけど、自分が取り組んできたことへの自信の表れとして貫いています。みんなも自分をリスペクトしてくれて、文句を言わないで堪えてくれているのかなと思います。

──たしかに、強引に前を向くシーンも多いですよね。

映像を見返して「もっとこうすれば良かった」と思うことはありますが、自分の決断に後悔はしないと決めています。確率的に、パスを出したほうが圧倒的に点につながると思う場合はそっちを選択しますが、五分五分くらいであれば、自分が打ちます。

何が一番大事なのかというと、点を取ってチームが勝つことです。自分でシュートを打つ決断をして、結果的にチームを勝利に導けたら文句を言われることはありません。でも決め切る力がないと自分勝手な選手ですし、信頼を得られません。そこは紙一重です。

──結果が出ないことへの怖さは?

もちろん、これまでにたくさん後悔をしてきました。でもむしろ「打てば良かった」と反省することのほうが多い。だからこそ、確率を上げるためにトレーニングをします。

あとは、決定的な場面とは、仲間がピンチを凌いでそのチャンスをつくってくれているということなので、その気持ちも感じながらプレーしないといけないと思っています。

──それが、今シーズンの結果につながっているのですね。

そうですね。名古屋に移籍して1年目の昨シーズンは、チーム内の立ち位置や役割にアジャストできない面もありました。その悩みが結果的に数字に出てしまったと思います。

ゴールを取れていない時に「でもこれはできている」と、得点できていない事実から目を背けてしまっていました。今思うと、シュートを選択できていないことが原因です。

だからこそ今シーズンは、仮に自分がどんなにパフォーマンスが悪くても、シュートを打ち続けることが大事だと思えるようになりました。

──いよいよ、リーグ戦も残り3試合です。

北九州ラウンドでは、点を取れるチャンスで決め切ることができませんでした。まだできたことがあるという思いもありますが、それでも切り替えないといけません。

チーム全体としても、残りの試合に懸ける思いは、トレーニングからひしひしと感じています。今週も激しいトレーニングができましたし、来週はさらに気持ちが入ると思います。みんなで前を向いて、気持ちを合わせてやっていきたいと思います。

──逆転優勝のためには、一つの負けも許されません。

まさに。ですからもう、シンプルにすべて勝つ。それが最低限です。

他力である状況は変わらないので、そこは自分たちの力のなさを感じますけど、最後の最後まで何が起こるかわからないことは昨シーズンに感じています。

3試合ともすべての力を出し切って、必ず勝つという強い気持ちをもつ。それだけです。



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