更新日時:2025.02.26
「自分の甘さ」1年で退任の稲葉洸太郎監督が、最後のリーグ戦で残した後悔【F1第26節|記者会見/大阪vs横浜】
PHOTO BY本田好伸
【Fリーグ】シュライカー大阪 3-0 Y.S.C.C.横浜(2月15日/パークアリーナ小牧)
2月15日、パークアリーナ小牧にてFリーグ2024-2025 ディビジョン1の第26節が行われ、シュライカー大阪とY.S.C.C.横浜が対戦。横浜は0-3で敗戦した。
前日の大分戦では、残り10秒で失点し引き分けに。リーグ最終節の大阪戦では第2ピリオドで3失点を喫し敗戦。最後まで勝ち点を積み上げることができなかった。
1年での退任を発表している稲葉洸太郎監督に、記者からは「甘さを感じるチームだったようにも感じる」と厳しい言葉がかけられた。
それに対し、「自分の声かけの甘さ」と返した稲葉監督が、今シーズンを通して感じていることとは。試合を終え、キャプテンの菅原健太と共に、記者会見に出席した。
日々の練習から立ち返っていく
●Y.S.C.C.横浜|稲葉洸太郎監督
──試合を振り返って。
今日の試合は、引き分け以下で大分と順位が入れ替わってしまう試合でした。リーグ戦としてはこのメンバーで戦う最後の試合ですし、もちろん勝つつもりで準備をしてきました。第1ピリオド、さまざまな守備の形を駆使しながら0-0で折り返したことは、想定内の入りでした。
ただ、先制点を取られたところで、少し足が止まってしまったと思います。ディフェンスラインを変えると走る距離が変わるので、そこにフリーのスペースができてしまいました。最近は長めのパワープレーができていなかったのですが、最後までこの形で得点を狙いにいきました。
悔しい結果ですけど、これがチームとして、自分自身の監督としての実力だと思います。
──シーズンを終えて7勝4分16敗。27試合の総括をお願いします。
シーズンのスタートは、自分たちの形でストロングポイントをつくるところから始めました。ピヴォ当てやボールを入れた後の形を形成しつつ、そこからアラがより早いテンポで上がって裏を狙うスペースアタックなど、順序立てて取り組んできました。
守備についても、まずはFリーグの舞台でやられないように、マークチェンジなど段階を追って行いました。今のようにいろいろな形の守備ができることは、相手からすれば面倒臭いチームになれたのかなと思います。
あとはセットプレーで点を取れるチームになってきたことは武器になっています。そこは特に積み上げを感じる部分ですね。
最終的にどう戦うかはこちらも提示しますし、準備しますけど、それ以上に個や切り替えなど、一瞬のところで絶対に隙をつくらないようには落とし込んでいました。相手よりも走るといった、当たり前のところに最終的に行き着いて、ループするようなサイクルをつくっていきました。
リーグ戦ではボールを保持していい流れがつくれても、負けてしまう試合が多くありました。強度といった根本的な部分で負けていると、戦術以前に勝てないことを学んだシーズンだったと思います。
──昨日の大分戦では、ラスト10秒に倒されて失点しました。球際でやられてしまう、甘さを感じるチームだったようにも感じますが、もっとこうすれば良かったと思う部分はありますか?
昨日の失点については、僕があと一言声をかけていれば、(菅原)健太がもう少し高い位置を取れていただろうという後悔があります。そういったところで、自分の声かけの甘さを感じています。
今日の試合の最後は、正直難しいジャッジだったとは思います。ただ、ゴール前までいかせてしまったのは、自分たちの経験不足ですし、実力です。
僕は、軽いプレーについては「それはやってはいけない」と、練習からしっかりと伝えているつもりでした。ただ最終的には僕が選手を信じて、任せてしまっている部分はあったので、もっと強く言えていたら結果は違ったかもしれません。チームに対しての自分の声かけの甘さなどは、1年を通してあったと感じています。
選手には練習でやっていることしか試合で出ないと伝えているので、日々の練習から立ち返ってやっていきたいと思います。
──矢尾板岳斗は、昨日の2点に続き、今日もドリブルでも違いを見せていました。彼のようなタレントが今後どのように伸びてほしいですか?
彼は、サッカーでもカテゴリー別の代表になっています。スピードの生かし方についてはどこで使うか、100%、80%、60%のスピードの使い分けをアプローチしています。
また、僕もアタッカーだったのでわかりますが、あのようなプレースタイルは、カウンターを受けるきっかけになりやすい。そのため、プレーの終わり方については厳しく伝えていますし、軽いミスをしたら試合には出さないと話しています。
ただ、安パイなプレーばかり選んでいては個人の良さを出せません。アタッカーの苦しさではありますが、それが責任です。ミスをしても、自分でケツを拭くプレーをするしかありません。
今シーズン出場機会は多くありませんでしたが、コミュニケーションは取ってきましたし、ずっと一緒に練習していました。ボールロストも多いですが、プラスの面を出せることも増えてきたので、小牧ラウンドではがっつりと起用しました。結果も出たのでうれしかったですね。
(野尻)大和も同じような難しさがありましたが、どんどん力をつけて相手への脅威になっているので、そういった選手たちが、自分だけの個性を生かしてさらに伸びてほしいと思います。
ゴール前で決められないことは個人の責任
●Y.S.C.C.横浜|菅原健太
──試合を振り返って。
チームとしては雰囲気もとても良く、全員が勝利に向かっているなか第1ピリオドを戦うことができました。ただ、第2ピリオドは足が止まってしまい、一瞬の隙を突かれて、立て続けに失点してしまったことが敗因だと思います。
自分もチャンスがいくつかあったけれど、決められなかった反省があります。パワープレーを長い時間やったけれど1点も取れなかったことは、今後に向けても課題だと思います。
──稲葉監督は1年での退任を発表しています。選手としてプラスになったことや、今後生かしたいことを教えてください。
まずは選手である以前に、人としての礼節を教えてもらいました。ピッチ外での立ち居振る舞いを非常に重視している監督で、その思いは今シーズンで選手たちに伝わったと思いますし、今後のフットサル人生の糧になるような1年を過ごせたと思います。
プレーでは、個を生かす戦術だったので、ギリギリの試合で勝ちきれない、ゴール前で決められないことは個人としても責任があると思っています。自分としては、そこがチームが勝てなかった原因だと捉えています。
──昨シーズンは鳥丸太作監督の下で大きな快進撃がありました。そこでできていたクワトロや連動性が今シーズンはなくなったようにも感じますが、何がうまくいかなかったのでしょうか。
昨シーズンはクワトロで、今シーズンは3-1の戦術を用いていますが、チーム自体はボール回しができていないとは思っていません。ピヴォ当てからのいい崩しもありました。ただ、決め切るところで、最後のファー詰めがいなかったり、1対1の場面で外したりすることが、シーズンを通して多かったと思います。
チャンスの数は昨シーズンと変わらないと思いますし、やりたいフットサルは体現できたけれど、「結果」が出せなかったなと感じています。
──相棒の堤優太選手が移籍していなくなった影響も?
そこは、ピヴォ・アラの相性として右利きと左利きがあり、横浜には右利きの選手が多いのでやりづらさはあります。ただ、シーズンを通して2人組や3人組の練習をしてきたので、裏を取るシーンも最後は増えてきて、チームとして成長したと思います。
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