更新日時:2025.02.16
「勝つためなら喧嘩していい」。しながわの闘将・比嘉リカルド監督が目指す“プロフェッショナル”なチームづくり【F1第26節|記者会見/しながわvs町田】
PHOTO BY伊藤千梅
【Fリーグ】しながわシティ 6-3 ペスカドーラ町田(2月14日/パークアリーナ小牧)
2月14日、パークアリーナ小牧にてFリーグ2024-2025 ディビジョン1の第26節が行われ、しながわシティとペスカドーラ町田が対戦。しながわは6-3で勝利した。
この試合では3点をリードした状況にもかかわらず、主将のサカイ・ダニエル・ユウジとカイオが激しく言い合う場面があった。一見するとチーム状態が悪いようにも見えかねないが、比嘉リカルド監督はむしろポジティブに捉えている。
「どんなチームをつくりたいかや若手の選手の成長を考えて、厳しく要求するシーンが見られるのは、監督としてはうれしい」
勝利へのこだわりを徹底する比嘉監督率いるしながわ。現在首位のバルドラール浦安とは勝ち点差「3」。16日に控える直接対決で、逆転優勝への望みをつないだ。
試合を終え、比嘉リカルド監督とサカイが記者会見に出席し、チームが目指す方向を語った。
要求し合えるチームに
●しながわシティ|比嘉リカルド監督
──試合を振り返って。
今シーズンはリーグ戦で町田に勝利できていなかったこともあり、特別な気持ちで試合に臨めたことも、勝因として大きかったです。選手たちは常に自分たちのリズムをつくってくれました。
第1ピリオドで3点リードしたことで、そのあとに失点しても焦らずにメンタルをコントロールすることができました。この6-3という結果は、すごく価値のある勝利です。
僕は、日本のFリーグの選手たちの(味方への)要求の仕方はとても好きです。お互いに激しく要求してヒートアップすることもありますが、大事なのはどう止めるか。子ども同士であれば誰かが止めなくてはいけないですけど、「これくらいでやらないと勝てない」という気持ちと、大人としてどう引き留まるか。今日は、メンタル的なレベルも上がった試合になったと思います。本当にすごくうれしいです。
──3点リードした状況で、サカイ選手とカイオ選手と激しく言い合っていました。その様子を外からどう見ていましたか?
喧嘩になってしまったら、ただの個人同士のプライドのぶつかり合いでしかありません。でも、どんなチームをつくりたいかや、若手の選手が成長できるようにと考えた時、厳しく要求するシーンが見られるのは、監督としては(うれしいし)好きですよ。
毎日なんのために練習して、たくさん走って、1シーズン戦っているのか。それは勝つためですよね。自分も伝え方がオーバーになってしまう時があって、言い過ぎた時は試合後に謝ることもあります。でも、味方同士であることは変わらないし、選手同士のつながりも強くなるはずだと考えています。
子ども同士のように変なプライドをもってしまうと、ただの喧嘩になってチームになりません。ただ「この試合に勝ちたい」という気持ちの上で言い合うことなら、僕はいいと思っています。どう捉えるかは人それぞれかもしれませんが、自分はこうしてお互いに要求し合えるチームをつくっていきたいです。
──前節、岸和田ラウンドで敗戦し、準備期間も短いなかで監督として特に伝えたことは?
監督として、試合で起こるミスは修正しないといけません。メンタルの強化を考えても、決して流してはいけません。ミスをして、相手にシュートを打たれてポストに当たったら怒りますし、練習での修正は厳しく伝えます。
だけど、失点したら言わない。そして試合に負けた後は、“お兄さん”としてハグするしかないと思っています(笑)。僕はそういう監督としてやってきています。
──次の試合に向けて、優勝への意気込みをお願いします。
勝ちにいきます。試合のあとにもみんなに伝えましたが、どこが勝ってどうなるか、違うチームの結果を考えすぎると自分たちにフォーカスしなければいけないことを忘れてしまいます。
まだリーグ戦は終わらないので、自分たちは今から切り替えて、浦安に勝てるように。今シーズンはまだ、浦安に1勝もしていないので、勝ち点3を取れるように自分たちに矢印を向けたいです。
精神的な強さが大きな武器になった
●しながわシティ|サカイ・ダニエル・ユウジ
──試合を振り返って。
すべてを捧げるつもりで今日の試合に臨みました。立川戦とは気持ちの面で大きな違いがあったと思います。
立川と町田で大きな違いがあるとか、立川を舐めていたというわけではなく、人間ですから波がどうしてもできてしまい、前節は残念ながら勝ち点を失ってしまいました。一方で今日は、監督が話したように精神的な強さが大きな武器となりました。
──3点リードした状況で、カイオ選手と激しく言い合いをしていましたが、どんな話を?
まず、試合で熱くなってお互いの要求が激しくなることは、ブラジル人にとってはよくあることです。
そして、優勝を目指すなら小さなミスを見逃してはいけません。
あのシーンについては、キックインからGKへのバックパスの選択肢もあった状態でカイオがクリアをしてしまい、相手ボールになってしまいました。冷静にカイオの競技レベルを考えて、なぜその選択をしたのかがわかりませんでした。表現が少しオーバーだったと反省していますが、一番年上として、そしてキャプテンという責任ある立場としても、あのような簡単なミスを許すことはできませんでした。
──次の試合に向けて、優勝への意気込みを。
試合は、100%コントロールできるものではないと思っています。ただ、結果をつかむためにどれだけ力を捧げて、努力して、戦うかは、私たちができることです。優勝かそうではないかという順位は置いておいて、目の前の試合に勝つために、全力を尽くし、何も後悔を残さないように頑張ります。
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