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作成日時:2025.02.16
更新日時:2025.02.17

史上6人目の偉業・400試合出場・田村龍太郎は“永遠の若手”として走り続ける。「401試合目で優勝を決めて、ダブルで祝いたい」【F1第26節|インタビュー/しながわvs町田】

PHOTO BY伊藤千梅

【Fリーグ】しながわシティ 6-3 ペスカドーラ町田(2月14日/パークアリーナ小牧)

2月14日のFリーグ第26節・しながわシティvsペスカドーラ町田。しながわの田村龍太郎がFリーグ史上6人目となる400試合出場を達成した。

160cm・63kgのレフティにとって401試合目となるのは、Fリーグ初優勝をかけたバルドラール浦安とのファイナルシーズン最終戦だ。

「次の試合で浦安に勝って、優勝して、400試合とダブルで祝いたい」

偉大な記録も通過点にして、田村は走り続ける。

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自分の生きる道を見つけて

──400試合出場おめでとうございます。

ありがとうございます!

──2010年にデウソン神戸でデビューした時、今の自分はイメージできていましたか?

神戸での1年目の監督が比嘉(リカルド)さんだったんですけど、サテライトから上がった僕はほとんど試合にも絡めなくて。(ステラミーゴいわて)花巻に移籍して試合に出られるようになったら、チームがFリーグから退会してしまって……。だから、こんなに長くやれる選手になれるという自信はなかったです。

──どんなところが自分の強みだと思いますか?

体は大きくないので、相手より先に動き出すとか、攻守の切り替えとか、ゴール前に飛び込んでいくとかは人よりは意識してやっています。

──田村選手はバサジィ大分で33試合18得点、ボルクバレット北九州で25試合18得点と2度のキャリアハイを記録しています。ここまでゴールを決められる要因は?

基本的にはワンタッチゴールばっかりです。ドリブルでの単独突破から決めることはほとんどありません(笑)。セットプレーに合わせる、ファーで詰めるとかがメイン。どこにボールが来るかを常に探して、最後まで走り切って、そこにパスを出してくれるからだと思います。チームメートのおかげです。

──どうやって今のプレースタイルにたどり着いたのでしょうか?

神戸サテライトまでは自分で仕掛けるタイプだったですが、カテゴリーが上がるにつれてドリブラーでは生き残っていけないなって。それこそ、大分には仁部屋(和弘)さん、小曽戸(允哉)さんのような素晴らしいドリブラーがいたので、自分はそこの“間”でサポートできる選手になろうと思いました。

──大分で過ごした時間は田村選手にとって貴重なもの?

はい。大分で驚いたのが、誰よりもうまい仁部屋さんが一番練習すること。チーム練習の後、自主練でずっとボールを蹴っている。僕もそこで一緒に練習する時間が多くて、大分にいる間に技術が伸びたと思います。

──大分で9シーズンを過ごした後、北九州に移籍しました。

大分ではプロ契約でしたが、北九州に移ったタイミングで、フルタイムではないですが、仕事をしながらプレーする形になりました。仕事内容ですか? 事務作業です。パソコン、全然打てないんですけど……。でも、そこで自分を応援してくれる人のためにプレーする喜びを感じました。会社の人たちが応援してくれて、試合に来てくれたり、試合後に喜んでくれたり。毎日顔を会わせる人の応援を感じて、そのためにも頑張ろうというのが強かったです。



「永遠の若手」として、これからも

──しながわシティへ移籍する際のプレスリリースでは「今回の移籍に関して沢山の人に相談して悩み決断しました。」というコメントがありました。

大分に9年、北九州に3年で10年以上住んでいるので、大好きな場所になって、離れるべきかどうか、本当に悩みました。まだ自分自身、フットサル選手としてチャレンジしたいというのがあって、移籍をすることにしました。

──同じタイミングで加入したのは、堤優太選手や新井裕生選手など現役日本代表選手です。かなり激しい競争になることはわかっていたと思います。

はい。自分の年齢的に、最終章じゃないですけど、今しかもう行くチャンスがないというか。しながわで勝負しよう、と。

──本気で優勝を狙えるメンバーがいて、そのための環境がある。

一人ひとりのレベルが高いので、毎日の練習から競争が激しいですし、若くていい選手も多いので、まったく気が抜けません。それも含めてチャレンジです。

──しながわには個人の力で打開できる選手が何人もいます。

チアゴ(・セウバック)やマサ(平田ネトアントニオマサノリ)のように軸になれるピヴォの選手がいるので、いいフリーランニングをしたらボールが出てくる。(右サイドの)逆アラは(東出)脩椰が出ることが多いんですけど、僕らに食いついて彼らが打ったり、彼らに食いついて僕らがフリーになったり、スペースを空けたり、こぼれを狙ったり……ゴール前をかき回していきたいと思います。

──30歳を過ぎても、35歳を超えても、田村選手はプレースタイルの印象が良い意味で変わりません。

守備からしっかりやって、カウンターで抜け出して、ピヴォ当てして、周りを走って……。「永遠の若手」なので(笑)。

──永遠の若手!まさに田村選手にピッタリのフレーズだと思います。

デビューした1試合目から、今日の400試合まで、ずっと若手のプレースタイルです。うまい選手ではないので、走れなくなった終わりだなって思っています。ただ、走れる限りはやり続けたい。うまい選手たちの周りでチョロチョロしていけたらいいなと(笑)。

──ちなみに、15年ぶりの比嘉監督は変わってないですか?

全然変わってないです(笑)。一つひとつのプレーにこだわりますし、プレーモデルを落とし込んでくれます。そして、練習中から熱い。正解・不正解がハッキリしていてわかりやすいので、比嘉さんが求めるものに応えていきたいです。

──田村選手にとって「401試合目」がFリーグ初優勝をかけたバルドラール浦安とのファイナルシーズン最終戦になります。

今日の試合はチームに貢献できなくて悔しい思いが強いんですけど、401試合目ではチームのためにしっかり役割を果たしたいです。400試合はまだまだ通過点ですし、これからも必要とされる選手であり続けたい。401試合目で大一番に臨めるというのは、すごいワクワクしますし、そこで勝って、ダブルで400試合を祝えれればと思います。

■プロフィール
文=北健一郎
1982年7月6日生まれ。北海道旭川市出身。日本ジャーナリスト専門学校卒業後、放送作家事務所を経て、フリーライターとしての活動を始める。2004年、学生時代に日本人初のセリエAプレーヤー、相根澄さんのインタビューに同行したことでフットサルの世界に興味をもつ。これまでに手がけたフットサル関連書籍は10冊以上。04年、08年、12年とフットサルW杯を現地取材。唯一のフットサル専門誌だったフットサルナビの休刊を受けて、見る人・蹴る人・着る人をつなぐ新たなフットサルメディア「SAL」を立ち上げる。

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