更新日時:2025.03.25
「やっとタイトルを獲れたので、これを弾みにまだまだ頑張ります」田村龍太郎がしながわシティで過ごした、苦しくも充実の1年【全日本選手権 決勝|インタビュー/しながわ】
PHOTO BY伊藤千梅
【第30回全日本選手権大会|決勝】立川アスレティックFC 2-5 しながわシティ(3月22日/駒沢オリンピック公園総合運動場 屋内球技場)
3月22日、駒沢オリンピック公園総合運動場 屋内球技場でJFA 第30回全日本フットサル選手権大会の決勝が行われ、しながわシティは立川アスレティックFCと対戦。しながわが5-2で勝利し、4年ぶり2度目の優勝を飾った。
今シーズンしながわに加入した田村龍太郎は、F1全27試合に出場し3ゴール。この全日本でも全5試合に出場し、豊富な運動量とスピード、経験に裏打ちされた“効く”プレーでチームを支え、見事タイトル獲得に貢献した。
今シーズン限りでの退団が発表されているが、Fリーグ通算401試合出場を誇るベテランは、1年間のしながわ在籍で何を感じたのか。試合後、田村に話を聞いた。
取材・文=福田悠
堤優太のプレーを見て、「これが日本代表か」と感じた
──優勝おめでとうございます!今のお気持ちを聞かせてください。
タイトルを獲ることができて嬉しく思います。今シーズンはチームとして「リーグタイトルを獲るぞ」という強い気持ちをもって戦ってきましたが、惜しくも優勝できずに3位で終わってしまって。だからこそ何とか一つタイトルを、この全日本を獲ろうとみんなで切り替えてやってきたので、無事に優勝することができて良かったです。
──田村選手は今シーズン限りでの退団が発表されていますが、しながわシティというクラブで1年間プレーしてみていかがでしたか?
短い期間ではありましたが、このクラブの一員になれて本当に良かったと思っています。トレーニングの内容や選手の質が高くて、誰が出ても強さを維持できるチームでした。一部の選手に依存しない、選手層の厚みがすごくあったと思います。僕個人としても得るものが多く、まだまだ選手としての自分の価値を高めていかなければいけないなと感じました。
──誰か影響を受けた選手や、この選手は凄いなと感じた選手はいましたか?
やっぱり堤(優太)ですかね。僕が今まで見てきたなかでも抜群に素晴らしい左利きの選手だなと思いました。背格好やプレースタイルなど、僕と似ている部分も多いので、個人的にも学びの多い選手でした。人間性も素晴らしくて、「これが日本代表か」と。僕も以前日本代表に呼ばれはしましたけど、定着できるほどの結果は残せなかったので。ずっと代表に選ばれ続けている選手との差を感じた上で、そのレベルを目指して1年間プレーしてきました。
──バサジィ大分時代も仁部屋和弘選手、小曽戸允哉選手といった日本代表の面々と共にプレーしていましたが、それとはまた違った凄さを感じたと。
そうですね。仁部屋さんや小曽戸さんからも、プレーはもちろん、フットサルに取り組む姿勢なども含めてめちゃくちゃ影響を受けました。ただ、僕は彼らとはプレースタイルが異なるのと、体のサイズも違っていたので、2人のプレーをそのまま真似するのは難しかったんですよ。
でも、つっつーに関しては同じポジション、同じ体格で、ピッチ上で見えている景色も一緒のはずなのに、「今のタイミングでそこに(パスを)出せるか」といった質の高さを感じました。練習でマッチアップしても、「ここで縦に仕掛けられるのか」といった驚きが多く、衝撃を受けましたね。
あとは(新井)裕生もです。チーム内に怪我人が増えてからはアラでもプレーしていましたけど、もっているイメージも、(それを具現化できる)技術も素晴らしいですし、ピヴォでもアラでも決定的な仕事ができる柔軟性も含めていい選手だなと。その2人からは、僕のなかでかなり影響を受けました。
「まだまだあいつはやれる!」と思ってもらえるように、常に全力で
──なるほど。ただ、田村選手ほどの実績と経験がありながら、今でもそうして年下の選手たちのプレーを素直に「素晴らしい」「影響を受けた」と言えることもまた素晴らしいと思います。400試合以上出ている選手なんて、Fリーグの18年の歴史のなかでも田村選手を含めて6人しかいないわけですから。36歳でありながらあれだけ攻守に走り続けられる選手もそういませんし、今日の決勝でも、田村選手が逆サイドからゴール前までカバーに入れていなければ間違いなく失点していた場面がありました。
ありがとうございます。選手である以上、自分にできるプレーはやっぱり毎試合100%で出し続けたいと思っています。ドリブルができたりボールを持てたりという選手と比べて、僕は運動量で勝負している分、守備で貢献したりとか、逆に相手ゴール前までしっかり走り切って出ていくという部分は、常に大事にしていきたいですね。
しながわは今シーズンで退団しますが、フットサル自体はまだFリーグで続ける予定です。個人的に今シーズンは結果を出せなかった部分も大きかったので、改めて自分の価値を示すという意味でも、またしっかり自分と向き合って、チームを勝たせられる選手になっていきたいと思います。今年で37歳になりますけど、「まだまだあいつはやれる!」と思ってもらえるように、結果にこだわって頑張ります。
──ぜひFリーグ通算500試合出場目指して頑張ってください!
そうですね(笑)。ありがとうございます。もうベテランの年齢ですけど、スポットで5分だけ出場して仕事をするタイプでもないので、シーズンの全試合に出場するつもりでしっかり競争に割って入って、長い時間試合に出て、出たら一番走って、というのを示していきたいです。僕個人としてもやっとタイトルを獲れたので、これを弾みにまだまだ頑張りたいと思います。
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2025.03.31