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作成日時:2025.03.28
更新日時:2025.03.28

“絶対王者”の復活へ、名古屋のエース・清水和也が示す来シーズンの決意「すべてを懸ける」【全日本選手権 準決勝|インタビュー/名古屋】

PHOTO BY伊藤千梅

【第30回全日本選手権|準決勝】しながわシティ 4-2 名古屋オーシャンズ(3月21日/駒沢オリンピック公園総合運動場 屋内球技場)

JFA 第30回全日本フットサル選手権大会の準決勝が3月21日、駒沢オリンピック公園総合運動場 屋内球技場にて行われ、しながわシティと名古屋オーシャンズが対戦。名古屋は2-4で敗戦を喫した。

リーグ戦でバルドラール浦安に優勝を譲り、8連覇の夢を絶たれた名古屋。そんななか迎えた全日本選手権では準決勝でしながわ相手に敗北。2点ビハインドから1点を返すも、その直後に再び失点するなど、今シーズンを象徴するような試合で準決勝で姿を消すことになった。

今シーズンの結果を受け止め、「自分自身に常にプレッシャーをかけ続けなければならない」と自身に矢印を向ける清水。追われる王座から、奪い返すチャレンジャーに。失意のシーズンを過ごし、来シーズンに懸ける思いとは。

取材・文:柴山秀之

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失点の仕方がすべてだった

──今日の試合内容と結果をどのように感じていますか?

早い時間帯に0-2になってしまったことが、想定外ではありました。いろいろな対策をしてきたものが台なしになり、そこが一番難しかったと今は感じてます。

──リーグ戦を落としたなかで迎えた全日本選手権でした。タイトルへの重圧は感じていましたか?

個人の話にはなりますが、僕自身はそこまで緊張はなかったです。むしろ「やってやろう」という思いでした。

ただ、スタートのメンバーが(準々決勝の)バサジィ大分戦とは変わった部分もあり、その少しのズレを逃さなかったのがしながわシティでした。リーグ戦などの試合を振り返ると、自陣でのミスや、セットプレーからの失点が続いてるということもあり、自分たちがしながわに苦手意識をもっていたのが正直なところです。

0-2になっても取り返してやろうという気持ちのほうが強くありました。ただ、1点を取り返した後の失点はもったいなく、前がかりになりすぎたことが裏目に出ました。本来であれば起きないであろうミスが続いてしまったことに関しては、チームのセオリーから外れてしまった部分はあるのかなと思います。失点の仕方を含めてやってはいけないことをしてしまったと思います。

──第2ピリオドの入りは良かったと思います。1点取り返した後から失点せずに試合を進められれば、勢いに乗っていけたと考えますか?

どうしても(選手の)組み合わせによって、攻撃の色が変わることはあります。いい時はいいですが、悪い時は悪くなってしまうという、紙一重の部分もあり、難しいなと感じる時間帯もありました。

ただ、自分たちがどうこうというよりも、しながわの守備の圧力を相当感じました。前がかりになった後のカウンターで失点したことに関しては、自分たちの攻撃の終わらせ方が課題です。すべてが悪いわけではなかったですが、結果を得られなかったことは本当に真剣に受け止めなければいけないと思います。

──今シーズンはセットの再現性や組み合わせは流動的だったと思いますが、1年間を振り返ると?

個人的には、誰と組むかによって自分の色を変えていたこともあり、やりにくさみたいなものは感じていませんでした。しかし、相手ありきのスポーツなので、自分たちが良くてもゴールが入らない時は入らないですし、そういう意味では、ゴールをこじ開ける個々のクオリティに焦点を当てる必要があると思います。

そこが上回れなかったからこの結果になったと思っていますし、自分一人で打開できる局面もありますが、2、3人に囲まれた時は周囲の助けも必要です。セットで出ている以上は言い訳せずにどう崩すか、どう壊していくかを考えなければなりません。

そして今日は再現性を出せなかった時間帯もありました。試合をやっていく上で、試合を読む力や個々のクオリティは、チーム全体を見てももっともっと伸ばさなければならないと感じています。

──しながわシティには今シーズン1勝もできずに終わりました。

わかっていても修正できなかったところもありますし、勝てなくなった時に、いろいろなところに目が向いてしまったことがこの試合でもありました。

それを壊す力が自分にはなかったことが課題で、試合を勝たせられる選手であれば、少なからず状況が変わったのではないかと思います。自分自身に常にプレッシャーをかけ続けなければならないですし、むしろそれをやってこそ“名古屋のピヴォ”だと思っています。

そしてチームとしてのクオリティを出せ始めたのが、第2クールくらいになってしまったのも問題点です。そこでもっと変わっていれば、後半戦の自分たちのやり方含めて、状況も変わったと思います。また先ほど話した通り、個々でクオリティが出せなかったことは反省しなければならないですし、それは選手たちの責任です。選手のクオリティが出せなかった部分はしっかりと見つめ直さないといけないと思います。

全部を奪い返す

──今後、名古屋は王者の立場を取り返しにいくことになります。

“絶対王者”と言われている立場ですが、今回の結果はそれにふさわしくないと思っています。最後のタイトルを取るチャンスを逃し、不甲斐ない結果になってしまい、応援してくれている人に対して申し訳ない気持ちです。名古屋オーシャンズとして最低な結果を残してしまったことは、しっかりと自分の中で消化して、背負って、「違った姿を見せる」と言い切りたいです。

今までの歴史が変わるのかと言われたらそうではないと思いますし、自分たちが積み上げてきた歴史は素晴らしいものです。ただタイトルを逃した責任に関しては、今いるメンバーが当事者です。次にどうしていくかが大事だと思っています。

自分自身も最初に名古屋が優勝を逃した時は在籍していなかったですが、そこから立て直すのは相当難しかったと聞いています。自分は今、「すべてを懸ける」としか言えないですが、全部を奪い返すつもりでいますし、一切の妥協をせずにやっていこうと決めています。周りがなんと言おうとも、名古屋オーシャンズの選手としての自覚と、責任を持ってやっているつもりなので、1人だけではなく、周りを巻き込んでつくり上げていきたいと思います。常に自分が先頭に立ち、名古屋オーシャンズというチームは、「やっぱり強いな」、「やっぱり勝てないな」と思わせないといけません。そういった意味では、非常に高いモチベーションをもっています。

一方、リーグ全体として日本のレベルが上がり、代表の強化につながることを考えれば、いい流れになっていると捉えることもできます。しかしイチ名古屋の選手としては、どのような状況でもすべて蹴散らしてきたのが名古屋なので、もう一度見つめ直して、自分たちが胸を張って「俺らは名古屋オーシャンズだ」と言えるように、来シーズンのスタートからしっかりとやっていきたいです。

今シーズンの経験は生かさなければならないですし、ぶっちぎりで(優勝して)面白くないなと思われてもいいように、むしろそれが褒め言葉になるように、来シーズンに臨みたいです。

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