更新日時:2025.05.12
【女子日本代表】難敵・タイに逆転負けも、前向きに。試合後の円陣で須賀雄大監督が強調した、“信じる”ことの重要性「ここで絶対に下を向かないことが一番大事」
PHOTO BY伊藤千梅
【AFC女子フットサルアジアカップ2025】日本 1-3 タイ(日本時間5月11日/フフホトスポーツセンター)
5月11日、日本女子代表はAFC女子フットサルアジアカップ2025・グループステージ第3戦でタイ代表と対戦。1-3で敗戦した。
第1戦と第2戦を連勝で飾り、他カードの結果に伴ってすでに決勝トーナメントの進出が決定していた日本女子代表。この第3戦は、グループステージの1位突破をかけ、アジアの強豪国の一つであるタイ代表との一戦に臨んだ。
立ち上がりから一進一退の攻防が続く中スコアレスで試合を折り返した日本は、第2ピリオドにさらに攻撃の圧を高め、26分に網城安奈のゴールで均衡を破ることに成功する。
しかし直後にで同点弾を決められると、連続失点し1-3で試合は終了。「全勝優勝」を目標の一つとして掲げていた須賀ジャパンにとって手痛い敗戦で、グループステージの2位通過が決定した。
試合を終え、須賀雄大監督に話を聞いた。
取材=伊藤千梅
編集=青木ひかる
今こそ前を向いて、強い気持ちで戦う
──厳しい結果となりましたが、試合を振り返って。
タイが強いチームであることは、前回対戦時も1-1で第1ピリオドを終えたことからもわかっていて、今回も均衡したゲームになることもチーム全体で予想はしていました。実際、今回も第1ピリオドは0-0でしたが、そこから先制点を良い形で取ることができました。
ただ、相手のトランジション、特に攻撃への切り替えの精度は非常に高く、その対応には苦労しました。そこは明確に改善すべきポイントだと思います。
同時に、自分たちがよりアクティブにゴールを狙いにいく姿勢を強め、ワンプレーの精度を高めていくことも重要です。
いずれにしても、大会はまだ続きます。ここで下を向くのではなく、自分たちが積み上げてきたものを信じ、強い気持ちで次の試合に向かっていきたいと思います。
──定位置攻撃での手応え、課題感については?
強い相手ということもあって、選手たちも少しナーバスに、普段は感じないようなところでプレッシャーを感じていたところもあったと思います。そういったメンタル面もハーフタイムでしっかりと声をかけて修正しました。
第2ピリオドについては、それぞれの選手が個を発揮して相手にとって脅威になろうとしていたし、その流れから先制点も取ることができたので、そこは非常に評価できるポイントだと感じています。
今後は、今日のようなシチュエーションにどんどん慣れていくこと、負けられない強いプレッシャーの中でも、しっかりと技術を発揮し、決定力を高めていくことが必要です。そうした点は、一つ課題感をもって、次の試合までにしっかりと改善していきたいと思っています。
──ハーフタイムには、どのような指示をしましたか?
定位置攻撃に関しては、自分たちがやるべき形は間違っていないと感じていました。ただ、プレスがかかっていないのにすぐにパスを出して、一つ前を向いて相手のプレスの圧力を和らげる動きをすることを控えていた印象がありました。
なのでハーフタイムでは前を向ける場面ではしっかり前を向くこと、そしてピヴォ当てからの反転や、自分でボールを運ぶことで相手に脅威を与える。その上で次のパスにつなげるというように、単にグループとしての戦術だけでなく、個人としてどうプレーするかという意識づけを強く行いました。
守備に関しても、タイの背後を狙う動きは事前のスカウティングでも警戒していたポイントだったので、選手たちも「背後を取られたくない」という意識が強く出ていました。もちろん、それも重要なのですが、それ以上に女子代表としてはアクティブにボールを奪いに行くという姿勢が基本なので、そこを再確認しました。
──試合終了後、円陣を組んでいましたが、どんな声をかけましたか。
「ここで絶対に下を向かないことが、一番大事だ」という話をしました。
すでに気持ちは次の試合に向かっていて、あとはどれだけ強い覚悟とメンタリティをもって臨めるかが鍵になると思います。
もちろん、ネガティブな感情や声があることもわかっています。ただ、そういったものに引っ張られるのではなく、自分たちは「次に勝つ」という強い思いと、前向きに戦う。それだけだと、みんなに伝えました。
──決勝トーナメント初戦に向け、意気込みをお願いします。
繰り返しになりますが、今こそ前を向いて、強い気持ちで戦うことが何より大事だと思っています。自分たちはこの大会で優勝するつもりでここに来ていますし、その目標は今もまったく変わっていません。大切なのは、どれだけその気持ちを保てるかだと思います。
選手たちは間違いなく素晴らしい存在であり、私自身、彼女たちに誇りをもっています。必ずしっかりとリカバリーをして、次のベトナム戦に向けて、戦ってくれると信じています。
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2025.05.11