更新日時:2025.05.18
【女子日本代表】悲願のアジアカップ初優勝!タイとの超激闘PK戦を制し選手の目に歓喜の涙 中1日6連戦の激戦を終えアジア女王としてW杯へ
PHOTO BY伊藤千梅
【AFC女子フットサルアジアカップ2025】日本 3-3(PK3-2) タイ(日本時間5月17日/フフホトスポーツセンター)
5月17日、日本女子代表は中国・フフホトスポーツセンターでAFC女子フットサルアジアカップ2025・決勝を戦い、タイ代表に延長戦を経て、PK戦の末に3-3(PKスコア3-2)で勝利。壮絶な激闘を制して悲願のアジアカップ初優勝を果たした。“なでしこ5”は、アジア女王として今年11月にフィリピンで初開催される女子フットサルワールドカップに出場する。
■日本vsタイ ハイライト(決勝) ※画像クリック
追野のゴールで先制も延長、PK戦の激闘に
13日の準々決勝はベトナムに2-0、15日の準決勝はイランに3-2で勝利し、悲願のアジアカップ初優勝に王手。迎えた決勝は、グループステージ第3戦で、今大会で唯一敗れたタイとの再戦が実現した。
迎えた第1ピリオド、先発はGK井上ねね、FPはグループステージを含む今大会5試合と同様、江口未珂、四井沙樹、筏井りさ、松本直美の不動の1stセットで試合に入った。
立ち上がりから日本が積極的に相手陣内でプレーする時間をつくる展開のなか、2分半で池内天紀、追野沙羅、岩崎裕加、高橋京花の2ndセットに交代。準決勝のイラン戦で負傷した江川涼はベンチでに座り試合を見守った。
3分に直接FKを与えた場面ではキャプテン・伊藤果穂がピッチに立ち、体を投げ出す守備で闘志を見せる。すると5分、待望のシーンが訪れる。
左サイドの高い位置のキックインの流れから相手にボールが渡ったものの、すぐさまプレスをかけて追野がボールを回収。一度、セットの代わり際でピッチに入った右前の岩崎裕加に預けると、リターンを右足で蹴り込みゴールネットを揺らした。
直後、日本は宮原ゆかり、伊藤、網城安奈、岩崎の3rdセットがピッチに立つと、宮原が右ポストをたたくシュートを放つなどさらに攻勢を強めていく。しかし、次の1点は相手に奪われてしまう。9分、右CKから送られたボールをニアにたたき込まれ、試合は振り出しに。10分、日本はタイムアウトを取って戦況を確認した。
その後、互いに決定機をつくれないまま時間が経過。同点で試合を折り返した。
迎えた第2ピリオドは池内、追野、岩崎、高橋のセットで臨むと、いきなりの勝ち越し弾を奪う。左CKでキッカーの池内から中央のマイナスに戻したパスを追野が左足のダイレクトで右につなげると、エリア付近にいた高橋が左足一閃。相手GKが反応しきれないゴール左上隅の“神コース”に突き刺し、日本が2-1とリードに成功した。
しかし25分、日本はカウンターからゴールを許し、再びのタイスコアに。その後も一進一退の攻防を繰り広げたなか、両者譲らず、40分の戦いが終了。日本にとっては、今大会で初めて延長戦に突入した。
迎えた延長第1ピリオド、43分に日本の左サイドからのシュートを決められ、勝ち越しを許してしまう。猛攻を仕掛ける日本は44分、追野がミドルシュートを放ち、そのこぼれを岩崎が狙うなど決定機を迎えたものの、相手GKの好守に阻まれ、追いつくことができない。しかしその直後、左サイドのキックインから中央でトラップした宮原が左足一閃。強烈なシュートをゴールネットに突き刺し、今度は日本が試合を振り出しに戻すことに成功した。
日本は延長第2ピリオドは両者譲らず、試合はPK戦へと突入。後攻の日本はまず、相手のシュートを守護神・井上がいきなりシャットアウト。しかし、日本の1人目、江口のシュートも止められてしまう。日本は2人目の網城が成功すると、タイの3人目のシュートは枠外へ。日本は3人目の宮原、4人目の岩崎が決めると、井上が相手5人目のシュートを再びセーブしてPKスコア3-2でタイムアップ。
選手たちは井上の元に駆け寄り歓喜の輪をつくった。
この結果、日本は2015年大会の準優勝、2018年大会の準優勝の雪辱を果たし、悲願のアジアカップ初優勝。今年11月に初開催される女子W杯にアジア女王として出場する。
なお、大会ベストGKには井上ねねが、大会最優秀選手には追野沙羅が選ばれた。
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