更新日時:2025.06.24
序盤の2連敗は、王座奪還に必要な痛みなのか?名古屋・木暮賢一郎監督「開幕ダッシュしたい気持ちはあった。痛いは、痛い。ただ、内容に悲観はない」【F1第4節|記者会見/しながわvs名古屋】
PHOTO BY本田好伸
【Fリーグ】しながわシティ 3-2 名古屋オーシャンズ(6月21日/品川区立総合体育館)
6月21日、メットライフ生命Fリーグ2025-26シーズン ディビジョン1の第4節が行われ、しながわシティと名古屋オーシャンズが対戦。名古屋が2-3で敗れた。
前節、フウガドールすみだに敗れた名古屋は、この日も1点を争う攻防のなかで終盤まで2-2で推移したものの、終盤に決勝点を奪われ2試合続けて“勝ち点0”に終わった。
試合後、今シーズンから指揮を執る木暮賢一郎監督と、キャプテン・清水和也が記者会見に出席した。
また次に向かって練習するしかない
●木暮賢一郎監督|名古屋オーシャンズ
──試合を振り返って。
すべての試合が大事ですが、前節の敗戦後であることも、昨年のしながわとの結果(●3-4、●2-4、△3-3)もそうですし、タイトルを取り戻すために、そこを競うであろうチームとのアウェイ戦であることを含めて、非常に重要なゲームだと捉え、できる限りいいのことに取り組み、いい準備をしてきました。
試合内容はもう一度、細かく振り返らないといけないですけど、ただし、前節も、今節も、競った展開のなかで、一つの細かいところによって勝ち点が「0」か「1」か「3」になるかを左右する勝負の世界にいますから、そのディテールが一番足りなかった。そこをどれだけ早く改善して、次のホームに臨めるかですね。
これまで非常に苦しい経験をしている選手が多いことは必ず大きな力になってくると信じていますから、結果は受け止めて、ただし、自信をもって、引き続きいい取り組みをしていきたいと思います。
──今シーズンはカップ戦がないなかで多くのトレーニングマッチもしてきました。監督としてどんなチームを目指していて、現時点の選手の理解度などをどのように感じていますか?
カップ戦がないなかで、タイトルを獲るためにも開幕ダッシュしたい気持ちはありました。新しいチーム、監督、選手が来ているのでチームづくりに時間がかかりますから、スタートから苦しい状態になることを避けるために、8試合のプレシーズンマッチを戦いました。
公式戦ではありませんが、そこでは負けることなく、着実に名古屋オーシャンズとしての新しいスタイルを体現しながら、それは試合だけではなく、取り組む姿勢や強度などを含め、非常に順調にきていました。
開幕から2試合は連勝できて、一つ目のサイクルとして、完成度が何%というものはないですけど、思い描いている道を歩めているという感触は間違いなくありました。ここでしながわ戦を迎えるからこそ、先週のゲームが非常に大事になると考えていましたし、そのすみだ戦についても時間をかけて準備していました。
やるべきことをやって、こうなってしまったら苦しくなるというものを、このすみだ戦、しながわ戦と、非常に多くの要求、勝つために努力してきました。そのなかでの2敗ですから、痛いは痛いですけどね。
勝敗ということだけを見れば悲観もありますけど、内容的には、プレーも良くなくて、相手を褒めるしかないとかといったことではありません。もちろん、我々が犯したミスを相手が突いてきた相手のメリットもあります。
そういう勝負のなかで、「いいプレー」と「勝つ」という、そこの溝をどれだけ早く、埋められるか。そのためには練習が必要だと思いますから、また次に向かって練習するしかありません。
我々は試されていると思います。チームの歴史・背景を含め、名古屋オーシャンズというチームの力が試され、難題を突きつけられている。それを克服するために自分はきたと思っています。早く練習して次に向かいたいです。
──試合後のロッカールームでは長い時間ミーティングをされていたようですが、どんな話を?
言えないですね(笑)。
──「痛いは痛い」と。今日の試合でも想定外はありましたか?
我慢くらべのような時間帯もあったと思いますし、相手のメリットとしてやってくることに対して、自分たちも100%の準備をしてきたと思っています。ただしそれを体現するのは当然、簡単ではないですし、そこはしつこく突き詰めていくしかありません。準備して、体現する。そこは自分たちがやるべきことが足りなければ2倍、3倍もやる必要がありますし、しつこいくらい言い続けないといけない。そういう世界にいると思っています。
まだ“そこ”から抜け出せていない
●清水和也|名古屋オーシャンズ
──試合を振り返って。
僕自身も監督と同じようにディテールについては、ピッチに立つのは選手ですから、そこを体現することも、決め切るべきところも、この2試合は精彩を欠いています。そこは前の選手として責任を感じていますし、状況を打破することやチームに勢いを与えることを自分がまだまだできていないと、個人的に感じています。
チームとしては間違いなくいい道を辿っているなかで、まだ“そこ”から抜け出せていない部分もあります。ただし、そこを切り開くのも自分たち。この2敗が今後どのように影響するかは、自分たちが、「これがあったから、こうできた」と言えるようにやっていかないといけないと思っています。
だからこそ、次のホームゲームはより大事になります。細かいところをしっかりと見返して、選手一人ひとりが何をできるか、いま何をしないといけないかを見つめ直して次につなげたいと思います。
──「そこから抜け出せていない」というのは、前節の敗戦?あるいは昨シーズンのことも含めて?
自分のニュアンスとしては、失点した後に負のオーラを断ち切れないことが多いな、と。今日は連続失点はなかったですけど、すみだ戦はありました。そこは昨シーズンと似ているところだとは感じています。
ただし、すべてが悪いわけではないですし、細かいところで決め切れたら間違いなく状況を変えられます。だからこそディテールを突き詰めていかないといけないと思っていますし、自分自身がその流れを断ち切る起爆剤になるはずですから、それができなかったことは自分のエラーです。
──新加入の外国人選手たちのクオリティをどのように感じていて、どのように連係を深めながら融合していきたいですか?
本当に個性豊かな外国人選手がそろっています。今日はセットが固定されている印象もありますけど、練習では選手の組み合わせを変えて練習しています。誰が誰と一緒に出ても同じようにやれることをコンセプトにしながら、出ているセットでどう色を出していくか。今日、僕は(ルーカス・)トリポディと伊集(龍二)とアンドレ(アンドレシート)と一緒に出ました。
伊集は二十歳という若さであれだけ自信満々にプレーをしてくれたという新たな発見がありました。彼もペルーの血が入っているので、外国人チックだな、と。トリポディはみなさんもまだそれほどイメージはないと思いますけど、正直、自分もああいうプレーヤーなんだなと新しい発見もあります。
そのなかで彼の良さをどのように出そうかなという時に、サイドでのシュートであるとか、シューターとしてポイントが生きてくるなと思っています。アンドレはみなさんご存知だと思いますし、何をしてもうまい。だからこそ、そのセットで点を取らないといけなかった。
惜しいシーンは“腐るほど”あった。そこを決め切る力を死ぬ気でつかんでいかないと試合を難しくしてしまうので、その責任を果たしていきたいと思います。別のセットのグルジェルや(石田)健太郎、水谷(颯真)、八木(聖人)など、タレントがいるなかで今日も何本も惜しいシーンをつくっていました。自分たちのセットとは違った色を出せるので、その完成度を早急に、より高めていくことが自分たちの課題だと思っています。
どんな形でもいいから1点を取る。そしてしっかりと守ることをより意識してトレーニングしていきます。