更新日時:2025.06.25
追い込まれても動じない…王者を率いる“Fリーグ新人監督”のメンタリティとは?浦安・茨木司朗監督「連覇に挑戦できる、唯一のチャレンジャーである」【F1第4節|記者会見/浦安vs長野】
PHOTO BY本田好伸
【メットライフ生命Fリーグ2025-26シーズン ディビジョン1】バルドラール浦安 7-3 ボアルース長野(6月23日/バルドラール浦安アリーナ)
6月23日、メットライフ生命Fリーグ2025-26シーズン ディビジョン1の第4節が行われ、バルドラール浦安とボアルース長野が対戦。浦安は7-3で勝利し、無傷の開幕4連勝を飾った。
第1ピリオドから先行されては追いつく展開のなか、第2ピリオドは24分にエース・本石猛裕の4戦連発弾で初めて勝ち越したものの、直後に追いつかれ3-3と粘られていた。しかし、26分に柴山圭吾が勝ち越しゴールを挙げると、その後は盤石の試合運びで、終わってみれば4点差をつけてホームで完勝を収めた。
試合後、今シーズンからチームを指揮する茨木司朗監督が記者会見に出席した。
本石のフィクソは序盤の最適解
●茨木司朗監督|バルドラール浦安
──試合を振り返って。
まずは、平日にもかかわらず、たくさんの方に足を運んでいただけたことに感謝しています。
長野のここまでの3試合を見てきて、開幕節の名古屋戦のように、無駄を削ぎ落としてやり続けてくるだろうという想定がありました。スコアをもっていかれたことは反省点で課題ではありますけど、こちらのストロングポイントで上回れる確信がありましたし、予想通りそこでスコアを動かして勝ち点3を取れたことは良かったですね。
──4-3と1点差をつけたタイミングで祝航大と成田美光を入れました。チャレンジングな選択の狙いは?
まさに「チャレンジング」というそのワードが、みなさんにとって感じるものだとは思います。開幕から3試合で、成田は少しは出場しましたが、基本的にピッチに立っていない選手をここで使うのかと思うかもしれないですけど、ここまでのトレーニングを見ていて、十分にパフォーマンスを発揮してくれる自信がありました。
長いシーズンを戦うなかで、この数試合は人数を絞ってきましたけど、そのまま27試合を戦い続けるのは不可能です。いろんなプラン、マネジメントもそうですけど、日々の練習を見ながら、やってくれるという決断でした。
──本石猛裕のフィクソ起用の狙いは?
昨シーズンの段階から、アラに関してはいけるという確信がありました。ただ、フィクソに関しては今年が始まってからですね。人がいなくてというよりは、レアンドロは今は練習はできていますが、今週のゲームには復帰できていないので、多少なりとも誰かをフィクソにという選択はありました。シーズンが明けてから、いろんな選手をチャレンジしたり、グループを最適化するなか、本石をフィクソにしたことは序盤での最適解かなと思います。
──長野と対戦して、想定以上の部分は?
1失点目のGK活用はこの3試合で見せていない形でした。それはつまり、我々に対抗するために裏を突いてきたということです。こちらもギリギリ対応できていましたが、ウィークサイドの人が少ないところにボールが転がり、失点してしまいました。相手が先に取ったタイムアウトで修正しましたが、そこは手を焼きました。
GKを使って、人数をかけてくる戦略を取ってきたところには悩まされましたね。
──初のFリーグ監督が、王者のチームの監督として。4試合戦ってきてどうですか?ベンチに入っている稲葉洸太郎コーチも選手とかなりコミュニケーションを取っていますがどのような分担がありますか?
チャンピオンチームではありますけど、自分としては「連覇にチャレンジできる唯一のチーム」だと言い聞かせています。チャレンジャーである、と。名古屋以外に唯一、連覇を狙えるチーム。過去には一度、大阪もその権利をつかみましたけど、達成できませんでした。だから、チャレンジャーとしてそこを狙っています。
もちろん、プレッシャーはありますけど、選手、スタッフと共に一つずつ乗り越えています。
足立区のサッカーチームで、高校は駒場高校で、彼は暁星一筋で、いつでも最終的にはベスト4くらいで当たりました。練習試合もしょっちゅうしていました。
稲葉コーチとは、小・中・高と旧知の仲です。同じチームではなかったですけど、東京でサッカーをしていて、トーナメントの上のほうでだいたい対戦してきて、常に勝って、負けてという経験をしてきました。
中学では、彼のチームに敗れて引退させられてますからね。高校は僕は駒場高校で、彼は暁星一筋でしたけど、選手権が終わってから、フットサルを初めて同世代でやり始めると、当時はワンデイ大会で必ず当たっていました。
そこから「敵でやるのはやめようぜ」と一緒にチームを組んで大会などにも出ていました。その後、僕は今のフウガドールすみだの前身となる「ボツワナ」を立ち上げ、彼は公式のリーグを戦うチームへと加入しました。
僕が浦安に行くタイミングで彼はすみだにいたりしたので、偶然、チームの時間を共にすることはなかったのですが、ずっと一緒にやってきた仲なので、違和感は何もないですね。お互いに気を使うところがない。
GKコーチの藤原(潤)もそうですけど、僕にできないこともそうですし、Fリーグや日本代表での経験を彼らはもっています。そこは十分、彼らの力を借りながら、最終的に僕が決断するという役割でやっています。