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作成日時:2025.07.24
更新日時:2025.07.24

清水和也が示す姿勢と、あえて口にしない“何か”とは。名古屋らしさを体現した絶対的エースのゴールの意味【F1第8節|インタビュー/名古屋】

PHOTO BY伊藤千梅

【メットライフ生命Fリーグ2025-26シーズン ディビジョン1】バルドラール浦安 2-4 名古屋オーシャンズ(7月18日/バルドラール浦安アリーナ)

7月18日、メットライフ生命Fリーグ2025-26シーズン ディビジョン1の第8節が行われ、バルドラール浦安と名古屋オーシャンズが対戦。名古屋は4-2で勝利を飾った。

2点ビハインドで迎えた第2ピリオド、名古屋に流れをたぐり寄せたのはエース・清水和也だった。28分、普段よりも低い位置でボールを受けると、ミドルシュートで反撃の狼煙を上げるゴールをマーク。その一撃を皮切りに、名古屋は29分、32分と立て続けにゴールを奪い逆転に成功。そして33分には波状攻撃から最後は再び清水がゴールへと叩き込み、4-2で試合を終えた。

「らしさを出せた」と話すように、第2ピリオドは“これぞ名古屋”と思わせる攻撃力を示した。ただし、それでも清水は、この試合の課題にフォーカス。昨シーズンと同じことを繰り返さないために意識していくこととは。試合後、話を聞いた。

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思うだけは簡単。実行しないといけない

──今日の試合を振り返っていかがですか?

試合の入りを含めて緩みはなかったと思いますが、一番警戒していたセットプレーで失点してしまいました。その後、GK攻撃のミスでも相手に点を献上してしまい、自分たちの良さも出せなかった第1ピリオドでした。チャンスはあるものの決めきれなかったことが、試合を難しくしてしまった要因かなと思います。

第2ピリオドに入る前にチーム全員で修正を促しました。ただそれ以前に「戦っているか」の部分がプレーしていても甘かったと感じています。第1ピリオドはすべてが悪かったのかな、と。

第2ピリオドに関しては、自分たちの理想とする形で点を取れたのと、1点を取ってから同点にするまでの流れが早かったので、自分たちの本来の姿で一気に流れを引き寄せられたのかなと感じています。

苦しいゲームだったなかで自分たちにとってこの1勝は大きいですけど、勝利以前に戦う姿勢や、第1ピリオドのような内容を今後起こしてはいけないと思っているので、そこの反省点が大きいと自分は感じています。

──なぜ、第1ピリオドのような入りになってしまったと思いますか?

セットプレーは、正直対策をした上でも難しいですし、入ってしまったという感覚でもあります。ただあのようなゴールから一度自分たちがガクッと落ちたところが良くなかったのかな、と。そこからなんとかして1点を取りたい場面でGKを上げて、いつもだったら配置を取らなきゃいけないところで、取れていなかった部分もありました。少し後手を踏んでエラーも出てしまったと思うので、焦りという要因は一つあるのかなと自分では感じています。

ただ、それを昨シーズンは修正できないままズルズル引きずってしまいましたけど、今回修正できたところは、チームとして成長が見られていると思いますが……そういう状況にもっていかないことが、一番だと思っています。もちろん僕もそうですし、チーム全員がその問題を真摯に受け止めて、考えて修正をしていかないと、また同じような形になってしまうと思います。

逆にそこを突いてくるチームがたくさん出てくれば、簡単に失点をしてしまいます。そういった意味ではすごくいい教訓になりましたし、それをプラスに変えていかなきゃいけないと個人的には思っています。

──吉川智貴選手は「みんなわかっている。あとは向き合うだけだ」とおっしゃっていますが、清水選手はその言葉をどう捉えて、どのように向き合っていこうと考えていますか?

智貴くんは抽象的に言いますし、自分も内側にとどめておきたい思いが強いので。でも、間違いなくみなさんも「名古屋とは」という部分の違和感を、ここ数年感じていると思います。

それは自分たちもそうで、名古屋の選手ですけど、本来あるべき名古屋の姿になれていないというのは、チームとしての課題です。昨シーズン自分は優勝を逃して、何かを変えなきゃいけない、何かが足りなかったからこそ負けている、その“何か”を自分のなかでしっかりと考えて、今シーズンはそれを起こさないようにという気持ちをもってやっています。

ただ、そう簡単には変わらない。少し言い方が難しいですが、変えたくても“ビビっている”というか、「また去年と同じなのかな」と思ってしまう部分も、多少なりはあるのかなと思います。

でも、自分の感覚的には間違いなく向き合えてはいると思いますし、チームも変わりたいと思っています。ただ、思うことは簡単なので。それを実行していかなきゃいけないところで、智貴くんは「向き合うだけ」と言っているのかなと思います。

僕らも人なので、一人ひとり思っていることは違います。でも唯一みんな思っているのは、優勝したい。優勝するからこのチームにいるし、優勝しなきゃいけないチームだと思っているので、そういった意味でも、一人ひとりの向き合い方、行動に移すことが、今シーズンは本当に大事だなと思っています。

結果、向き合えたからこそ、今日のような結果にもなれていると思うし、でもそれを誰かに言われて気づくのでは良くないなと、自分もそこは自分自身に甘いと思っています。だからこそ、今日の第1ピリオドは本気で変えていかなきゃいけないし、チームとしても勝ったからいいよねではなく、勝ったからこそ立ち上がりをもっと良くしていくという議論にならないといけません。そういった意味では、キャプテンがそう言っているなら、個人個人の向き合いを、よりもっと強くしないといけないのかなと自分も捉えます。

……すみません。“何か”というのは、自分の中ではあるんですけど、それはパッと言いたくはない。まずはしっかりと自分のなかで向き合って、結果で示したいと思っています。

──1点目のミドルシュートはその思いを示せたシーンになりますか?

そうですね。第1ピリオドはなかなか自分の好きな位置で仕事をさせてもらえなかったことで、フラストレーションが溜まっていました。第2ピリオドはなんとしてもという思いでしたが、自分たちが押し込めば押し込むだけ相手も必死に守ってきます。その時に自分は本来ピヴォのポジションにいなきゃいけないのを、あえて少し下げて、そこの空いたスペースを狙っていました。

ボールが来た時、僕のコース的にはイゴールしか見えてなかったので、イゴールの“ここ”だったら可能性があるかなと思って打ちました。シュートがいい弾道で入ったので、そこに関しては、いい意味でチームを勢いに乗せる1点だったのかなと思います。ああいうゴールを自分は取らないといけない。ゴールの形はなんでもいいですけど、勢いに乗せるところはマストだと思います。

第1ピリオドは不甲斐ない姿を見せてしまいましたが、第2ピリオドはあれで息を吹き返した部分は若干あるのかなと思うので、そこに関しては、自分のらしさも出たし、名古屋のらしさも出たのかなと思います。

──田中晃輝選手がマンツーマンでついてくる場面も多くありました。

もっと高い位置でボールを受けないと、というオーダーが入ったので、そこに関してはより高い位置で簡単に受けようとは思っていました。第2ピリオドでは間違いなく浦安の足が止まるとは思っていたので、自分がより高い位置で仕事をしたら相当嫌だろうなとは思っていました。そこが功を奏して、僕だけじゃなくて他のメンバーもどんどん走って高い位置のフリーキックやコーナーキックといったチャンスを生み出せていたと思います。

ただ本来やるべき自分たちの攻撃方法はあれだったので、もっと早く、立ち上がり5分でうまくいかなかったら、6分目でそこを修正をしなきゃいけなかったところを、自分たちはズルズル引きずってしまった。そこはセットとして責任を感じますし、あのように相手がしつこくるのであれば、もっと前で戦うべきだったと試合が終わってから思うので、そこはしっかりと反省して、次に生かしたいなと思います。

──確かに強い時の名古屋は、第1ピリオドで拮抗していても、第2ピリオドに相手の足が止まってくるタイミングで動き回って、相手を疲弊させる戦い方もあった気がします。

そうですね。終盤のパワープレーの守備から攻撃にかけては、相当相手は嫌だったと思いますし、6分あったのがあっという間に3分になっていたりと、そこは自分たちのなかでもイニシアチブが取れていたのかなと思います。

試合の流れを見て、自分たちで判断できるのが名古屋ですし、もっとそのクオリティを上げていかないといけません。おっしゃる通り、らしさや強さはそういうところにも出てきますし、より頭も足も使っていかないといけないと思います。

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