更新日時:2025.07.30
不動の“成熟セット”のその先とは?絶対的ピヴォ・尾田緩奈が追求する、3強に勝てる“最強セット”への渇望【女子第5節|インタビュー/立川】
PHOTO BY伊藤千梅
【メットライフ生命女子Fリーグ2025-26】立川アスレティックFC 5-0 さいたまサイコロ(7月25日/ひがしんアリーナ)
7月25日、メットライフ生命女子Fリーグ2025-26シーズンの第5節が行われ、立川アスレティックFCレディースとさいたまサイコロが対戦。立川は5-0で勝利した。
今節、前線でのボール奪取から2アシストを記録したのが、立川の絶対的ピヴォ・尾田緩奈だ。ボールを収め、味方を使い、自らも前を向いてゴールを目指す姿でチームをけん引。誰よりもピッチを走る31歳が、チームを勝利に導いた。
記者会見では監督から「ファーストセットは成熟してきている」と話があったが、不動のファーストセットでプレーする尾田は、「まだまだ課題が多い」と話す。
昨シーズンの上位3チームを打ち破り優勝するためには、何が必要か。6連勝におごらず、その先を見据える尾田に話を聞いた。
数字にはこだわりつつも、チームが勝つことを最優先に
──今日の試合を振り返っていかがですか?
相手がクワトロでくることはスカウティングでもわかっていたんですけど、今まであまりクワトロのチームと対戦したことがなかったので、守備で走らされる時間が多くあったと感じました。
あとは相手がゴール前を固めてきていたので、ボールを保持してシュートも打っているけど、入らないみたいな時間帯も多かったと思います。勝てて良かったですけど、どちらかというと課題が多く見つかった印象です。
──それでも第2ピリオドには得点がポンポンと入っていたと思います。
そうですね。でもシュート数が41本で5得点なので、質を上げないといけません。
──今日は2アシストされていましたが、振り返っていかがですか?
1点目はカウンターで(中島)詩織さんからボールをもらったところで、自分でいくことも一瞬頭によぎったのですが、詩織さんがいいランをしてくれていたので、少し時間もかけながらアシストできたと思います。
2点目は相手がGK活用をしてくることはスカウティングでわかっていたので、いいプレスからボール奪取ができました。これも(松木)里緒が見えていて、一瞬自分で……とまた頭によぎったんですけど、6試合連続ゴールをアシストできて光栄です(笑)。
──「一瞬よぎった」というように、自分で得点も取りたい気持ちもあると思うのですが、そこはチームの得点を優先したようなイメージでしょうか?
うう、決めたい(泣)。そうですね。ピヴォというポジションだからこそ、数字にはこだわりつつも、チームが勝つことを最優先に考えています。今回のような2対1の状況では、GKの位置も見た上でアシストを選択しています。
でも他の場面で自分にもチャンスはあったので、そういうところでちゃんと決められるように練習します。
──今のチームの雰囲気はいかがですか?
すごくいいなと思っています。メンバーが21人なので、本当に限られた人しか試合に出られません。毎回登録メンバーも違いますし、普段の練習からバチバチです。「メンバーに入ってやる」という気持ちが、試合を重ねるごとに全員がだんだんと上がってきているなと感じます。すごくいい雰囲気でやれていると思います。
──そのなかで、記者会見でも監督から「ファーストセットは成熟してきている」といった話もありましたが、実際にプレーしていてどう感じていますか?
昨シーズンと同じ4人だからというのはもちろんあるとは思います。ただ、今日で言うとボールを持ててもテンポが悪かったり、失う場所や回数といった課題は本当に多いです。
──まだまだ高めていける、と。
そうですね。昨シーズンもこの時期までは勝てていたけど、3強には勝てていません。今シーズンは優勝を見据えているなかで、たとえば今日もボールが持てていたけど、SWHレディース西宮だったらどうなのとか、アルコ神戸だったらどうなのかを考えた時に、少しのパスのズレやタイミング、テンポは、もっともっとお互いでコミュニケーションをとって、質を上げていかなきゃいけないとめちゃくちゃ思います。
──3強との対戦はここから待ち受けています。個人として、チームとしてどのように積み上げていきたいですか?
まずチームとして優勝を目指しているので、そこで自分が主軸になって、必ず毎試合でゴールなりアシストなり、結果を出していきたいです。そこにこだわった先に、個人としてのチャンスも来るかなとは思っています。
おばさんですけど、試合も普段の練習も、誰よりも熱く積み重ねていきます(笑)。
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