更新日時:2025.09.10
超有利な優勝候補は、なぜ初のカップ戦タイトルを逃したのか?茨木司朗監督「甘さがある。全部自分の責任」【Fリーグカップ決勝|記者会見/浦安】
PHOTO BY伊藤千梅
【Fリーグカップ2025】バルドラール浦安 3-3(PK 2-3) 名古屋オーシャンズ(9月7日/バルドラール浦安アリーナ)
9月7日、Fリーグカップ2025の決勝戦が行われ、バルドラール浦安と名古屋オーシャンズが対戦。延長戦とPKの末、浦安が敗戦した。
試合後、茨木司朗監督と本石猛裕が記者会見に出席した。
リーグ前期で見せられなかったものを2日間で示せた
●茨木司朗監督|バルドラール浦安
──試合を振り返って。
3日間、たくさんのお客さん、運営関係者のみなさんありがとうございました。
結果については、40分で試合を決められなかったことがすべてだと思います。まだまだ自分たちの足りない部分をこの2日間で感じることができました。ただリーグ戦の前期11試合で示せなかったものを、この2日間で示せたとも思います。発展途上ではありますが、残り3週で後期に向けて準備をして、優勝を争うだけでなく、名古屋しか成し遂げていない2連覇を達成したいと思います。
──決勝戦では失点の仕方がもったいなかったと感じます。
2失点目は、自分たちのなかで規律を守っていたなかで起きたエラーです。リーグ戦と形は違いますが、実は同じ局面で失点してしまいました。北九州戦で改善して自分たちとして手応えがありましたが、相手の質がさらに上がると、足りていないと感じています。想定内だっただけに、もどかしい失点でした。
──今シーズンから新体制になって、約5カ月を経て感じる今の浦安の良さとは?
私は小宮山前監督が積み重ねてきた5年間に携わっていなかったわけではないので、これまでのシーズンを踏まえながら前半戦を過ごしてきました。小宮山前監督から教えてもらったこと、クラブの歴史、テクニカルな部分を継続しながら、進化を止めてはいけないと思っています。
新しく自分が選手たちに要求していることは、これまでの得失点の傾向で、自分たちに足りなかった定位置攻撃の得点を求めています。そのパーセンテージは昨シーズンと比べて増やせているところです。当然、その分GK攻撃からのゴールの割合は減っていますが、総数でいうと同じ得点数を取ってきているので、僕のオーダーに選手たちは成果として出してくれています。そこに関していえば一つ新たな魅力かなと思います。
──また、銀メダルが増えてしまいました。何が必要だと感じていますか?
ご存知の方もいるかもしれないですが、私は自身が監督として出てきた大会は、決勝ですべて結果を取れない。本当にネタになっているくらい、カップ戦の決勝に僕は勝てません(苦笑)。
自分自身に向けるメッセージとしては、自分の甘さがあるからこういう結果になるとしか思っていません。PKを外した選手、試合中にミスしてしまった選手、ゴールを決められなかった選手たち、彼らがどう思っているかはわからないですが、そういうものもすべて、本当に自分の責任だと思って受け止めています。
自分がPKを外したような感覚でいますし、立場は違えど常にそういう気持ちで365日選手と向き合っているので。見えないものとの戦いですが、そういうものを一つずつ背負い込んでやるしかないと思っています。
カテゴリーが変わっても、順応しながらファイナルまできて、ここまでチームを導いてあげられたことは自信にもなりました。ただこの結果に終わったことで、自分の見えない何かを追い求めて、ひたすら自問自答しています。
──今日初めて試合を見たお客さんも、おもしろいと思うような試合だったのではないでしょうか。
会場のみなさんが熱狂できるのは、選手たちが勝負にこだわって戦っているからです。観客席から見えないところで僕がお伝えできるとするなら、延長でビハインドになった状況でも、本石選手をはじめ、うちの選手たちはまったく勝負を諦めていない。絶対に試合をひっくり返して、勝利を収めようというマインドを、選手たちの行動や発言から感じ取っていました。
そういうものはお客さんにも伝わっているのかなと思います。僕は選手たちを尊敬していますし、自信をもってみなさんにお見せできるチームだと思っています。
目の前で優勝を逃して悔しい
●本石猛裕|バルドラール浦安
──試合を振り返って。
悔しいの一言です。ここで名古屋に勝てなかったこと、トロフィーリフトを目の前で見ることになったのは悔しいですし、歯痒い気持ちもあります。今日のゲームは自分たちのペースでボールを持てていたし、自分たちが主導権をにぎって進められた試合でした。40分、延長も含めて50分の間で勝負を決めきれなかったことが課題だと思います。
決定機もたくさんあったし、守備のズレも明確に出てしまいました。カップ戦とはいえホームで決勝戦を戦えることはなかなかないなかで、目の前で優勝を逃して悔しいです。
──失点の仕方がもったいなかったと感じますが、ピッチ上では何が起こっていましたか?
名古屋のGK攻撃に対しては、チームとしての対策で自分たちからプレスをかけることは意識していました。そこで奪ってマイボールになったシーンもありますし、全部やられていたわけではないですが、最後のゴール前の部分で、押し込まれた時に受けてしまうことがありました。そういったシーンは立川戦でもあって、そこが今の僕らの課題かなと思います。
──今シーズンから新体制になって、約5カ月を経て感じる今の浦安の良さとは?
石田健太郎が抜けて、主力も抜けてしまいましたが、新加入で新たな戦力が加わっています。5年間ではなくとも、昨シーズンまで小宮山前監督のもとでやってきた積み上げのある選手たちもいますし、そのベースは落ちていません。みんなその上で茨木監督の細かいところの積み上げができています。
選手が変わった分、他の選手のタスクが増えて、求められることも多くなってきています。期間を言い訳にしてはダメだけですが、5年と半年では積み上げの量も違いますし、噛み合わない部分はまだあります。
この2試合では、これまでとは違った浦安が見られたと僕らも感じているので、ここで落ちないように残り3週間準備をして、後半戦、ファイナルシーズンまで全勝できたらと思います。
──カップ戦でチームとしていい変化が見られたかと思いますが、3週間の中断期間で何かきっかけがありましたか?
きっかけを感じてはいないですが、僕らは試合のない3週間だったので、カップ戦の準決勝は前から用意されていた場所でした。そこに向かって本気でタイトルを取りにいくとなった時に、ロビーニョが加入したり怪我から復帰した選手が戻ってきたりもしましたし、全員のコンディションが上がってきていたので、練習からの競争はかなり生まれていたのかなと思います。
──今日のPK戦にはどんな思いで臨みましたか?
僕が決めなきゃいけない場面で、自信をもって蹴ったのですが……力んでしまって、大きく枠を外れてしまいました。後悔はありますけど、あそこまで自分たちが延長で失点しても追いついてつかんだものでもあります。イゴールがPKを止めてくれていたなかで、僕含め、ロビーニョ選手と菅谷(知寿)選手も外してしまい、申し訳ない気持ちですが、みんなで戦ったことは間違いないとも思います。
──順番については、決まっていたのですか?
監督 あの場で選手に伝えました。
本石 僕が4番目と決まっていたのですが、5番目のはずだったロビーニョ選手がいて(苦笑)。
──本石選手はPKに強い印象でしたが、どこを狙ったのでしょうか?
上を狙ってはいましたが、コースは決めていなくて。強いシュートを打てば絶対に入ると思いました。
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