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作成日時:2025.09.15
更新日時:2025.09.15

20歳のテクニシャン・片山聖、公式戦初得点の歓喜と悔恨と、野望。「今は悔しすぎて、特になんもない」湘南の超新星が立つスタートライン【Fリーグカップ2025|インタビュー/湘南】

PHOTO BY伊藤千梅

【Fリーグカップ2025 準決勝】名古屋オーシャンズ 2-1 湘南ベルマーレ(9月6日/バルドラール浦安アリーナ)

9月6日、Fリーグカップ2025の準決勝が行われ、名古屋オーシャンズと湘南ベルマーレが対戦。湘南は1-2で逆転負けを喫した。

試合には敗れたものの、準決勝で先制点を挙げたのが、湘南の新星・片山聖だ。今大会、片山は1回戦のしながわ戦で前線でのボールカットから待望のトップチーム公式戦初ゴールを挙げると、名古屋戦でも仕掛けからミドルシュートを放ち、ゴールネットを揺らした。

昨シーズン育成組織のS.B.F.C. LONDRINA U-18から昇格した片山は、1年目にして15試合に出場。今シーズンは現時点でリーグ戦10試合に出場し、卓越したテクニックを武器に徐々に存在感を発揮している。

個人として2得点の活躍と、チームとして届かなかった決勝進出。将来的には日本代表や海外でのプレーも目標に掲げる急成長中の20歳は、この大会でどんな思いを抱いたのか。準決勝後、話を聞いた。

堤選手のプレーをずっと見てきた

──カップ戦2連戦を振り返っていかがですか?

いやー、もう今は悔しすぎて、特になんもないって感じです。優勝するつもりできたので、悔しいという言葉しかありません。

──トップチームで公式戦初得点を決めたことへのうれしさはない?

リーグ戦だったら、1回戦の得点はだいぶ余韻に浸っていたと思うんですけど、昨日は「明日試合だ」と思って、帰ってすぐに寝ました。準決勝の得点もまだ試合中だったので、うれしさにはこれから浸るのかなと思います(笑)。でも優勝できなかったので、やっぱり悔しさが強いですね。

──この大会にはどのような気持ちで臨みましたか?

自分の役割としては、スピードを生かさないといけません。守備面では相手が狙ったところにいち早くプレスにいくことは意識しています。攻撃になったら自分はサイドで仕掛けないといけない選手なので、そこはどんどん仕掛けようという意識でやってました。

──実際に仕掛けからゴールが生まれました。準決勝の名古屋戦での得点を振り返ってもらってもいいですか?

コーナーのセットプレーから、ボールを中に放り込む形を狙っていたのですが、後ろに立ち位置をとったら、意外と1対1できるかもと思って、後ろにポジションを取っていました。そしたら(内村)俊太さんからいいボールがきたので、もうこれは仕掛けようと思いました。

一度、中への仕掛けをキャンセルした時に、相手が寄せてこなかったので「いこう」と思って。もう一度前を向いてカットインしたんですね。マッチアップしていたのが速い選手だったので、絶対にここ来るだろうなと思って、キックフェイントをしてボールを持ち変えました。

顔を上げた時にゴール前に誰もいなくて、どうしようと思ったけど、「いや、もう思い切って打とう」と思って、バンって打ったら、相手がちょっと触って、コースが変わって入りました。

──誰か目標にしている選手などはいますか?

準決勝で対戦した名古屋の堤(優太)選手は、高校の時からずっとプレーを見ていました。今日は長い時間ずっとマッチアップしていて「いや、なんだこれ。何してくるんだ」と(笑)。

自分は堤選手をイメージしてずっと練習してきて、トップに上がってからも、ライバルというのはおこがましいですが、目指している存在でした。準決勝では、抜いて点を決められたことは良かったと思います。

今回マッチアップをしながら、学ぶこともたくさんありました。これから帰って、また映像を見返して、吸収できることは吸収して超えていきたいなと思います。

後半戦は一度も負けない気持ちで

──リーグ戦では、チームとして「優勝」を目標に掲げています。

そうですね。今シーズンは安藤(良平)さんが入ってきて、より伝えてくれる人もいるし、練習からプレー以外でもいろいろなものを感じさせてもらっています。ベルマーレは毎年優勝を目指すと言っていると思いますが、より優勝を現実的に考えられるようになったのかなと思います。

今回のカップ戦みたく上位陣にも食らいついていけるチームじゃないといけないと思うし、なんなら勝たないといけません。後半戦は、一度も負けないくらいの気持ちでやっていこうと思っています。

──昨シーズンと比べてどのような変化がありますか?

自分自身は、試合に出られる時間が多くなったので、プレー中に考える幅が広がりました。

チームとしては、ベテラン選手たちが発信する量や内容も変わってきたと思います。昨シーズンはシンプルに「そこパスつなげ」という指摘はありましたが、それがより具体的に「ここに出したら、こう動こうよ」といった戦術的な会話も増えてきて、そういった面で自分たちの質が上がったのかなと思います。

そこを突き詰めていくと、より細かい戦術的なアドバイスや話し合いができるのかなと思うので、もっとやっていきたいなと思います。

──片山選手は現在チームで2番目に若い選手ですが、あまり物おじしないタイプに見えます。普段はどのように練習に取り組んでいますか?

自分の中で考えてやってみてから、安藤さんや俊太さんといった戦術的に詳しいベテランだったり、経験値のある選手に聞きにいきます。わからないことがあったら、わからないままにはしたくはないので、聞くしかないと思っています。

話しを聞いた上で、次の練習で試してみて「こっちのほうがうまくいった。でもこれはうまくいかなかった」と試しながらいろいろと変えています。

誰かとズレた時も、俺はこうしたかったという考えをぶつけ合って学んでいます。

──個人としての今後の目標を教えてください。

日本代表もどんどん狙っていきたいですけどね。そのためには結果を出さないといけないので、もっと点取らなきゃいけないなと思っています。

日本代表としてワールドカップに出るのであれば、日本もレベルは上がっていると思うんですけど、海外の刺激もほしいなと思っています。

名古屋の外国籍の選手と対戦すると、影響を受けることも、「すご」と思うこともたくさんあります。そういった面でも、海外に自分からいってみたいなとは思っています。ただ、いますぐにとは考えていません。

──リーグ後半戦に向けての意気込みをお願いします。

今のチームでは、ボールを持ったらドリブルもあるし、パスもあるし、シュートもある……そんな、相手から見て何をしてくるかわからない選手が、極端に少ないと思っています。そういった面では自分がそこにならなきゃいけないなと思います。

実際に今日の試合でも、いろいろと試して合わなかったこともあったし、成功したこともありました。そこをもっと追求していって、チームになくてはならない、唯一無二の存在になれるように日々やっていきたいなと思います。

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