更新日時:2025.10.04
【日本女子代表】アジア女王になっても、ライバルは自分。業界をけん引する存在、松本直美の強い意志「世界一になる」
PHOTO BY伊藤千梅
9月24日から28日の5日間、フットサル日本女子代表は高円宮記念JFA夢フィールドでトレーニングキャンプを実施。26日と28日にはフットサルフィリピン女子代表とトレーニングマッチを行い、それぞれ5-1、11-2で勝利。FIFAフットサル女子ワールドカップの開催国を圧倒した。
松本直美は、アジアカップ優勝後、より「世界」を意識するようになったという。須賀雄大監督から伝えられた「自分に矢印を向ける」という言葉を胸に、11月に開幕するワールドカップを見据えている
26日のトレーニングマッチ後、話を聞いた。
取材=本田好伸
編集=柴山秀之
キーワードは“自分に矢印”を向ける
──アジアカップが終わり、改めてワールドカップに向かうタイミングでの今回の活動はどのような気持ちで臨まれていますか?
W杯に向けて最後のトレーニングキャンプとなるので、自分自身もう一段階成長しなきゃいけないと感じています。チームとしてもさらにクオリティを上げ、一つになってハードワークして、最高の準備をしていくためにこの合宿に臨みました。
──アジアの頂点に立ち、Fリーグに戻ってから心境の変化はありましたか?
アジアカップでW杯の切符をつかんだ日から、世界一になるという目標がさらに強くなりました。日々のトレーニングでも世界を意識するようになりましたね。
──具体的に取り組んでいることはありますか?
以前、ポルトガルやスペイン、ブラジルと対戦した際にフィジカルやスピードの差をすごく感じました。ジムトレーニングの時間を増やしたり、ステップワークを改善したり、映像を見て振り返ったりと、自分と向き合う時間はかなり増えています。
──そうした世界の強国を明確に超えるイメージはありますか?
最近は世界のトップクラスと戦っていないので、実際にはわからない部分もあります。ただ逆に、自分たちはFIFAランキングも上がっていますし、少しずつレベルを高めている実感はあります。
アジア女王をつかみ取ったプライドをもってW杯を戦いたいです。
──今回のキャンプは19人が招集されています。アジアカップを戦ったメンバーが軸になるものの、メンバー争いへの危機感を感じていますか?
そうですね。常に危機感をもちながらやっています。
──須賀雄大監督はいろいろなメンバーの組み合わせを試していますが、どうですか?
初めて組む選手もいますけど、限られた時間のなかでコミュニケーションを取りながら、チームとしても個人としてもやっています。しっかりと自分に矢印を向けていきたいと思っています。
──合宿中、選手から「自分に矢印を向ける」という言葉を何度も聞きます。
須賀監督が、最初のミーティングで話してくれたことですね。「まずは自分と戦う」というところを伝えてもらいました。みんなもその思いを強くもっていると思います。
──今日の試合のセカンドセットのメンバーは、松本選手と筏井りさ選手、宮原ゆかり選手、伊藤果穂選手。王道だな、と。
浦安セットみたいな(笑)。日頃チームでやっているからこそ、結果を出さなきゃいけないセットだと思っています。結果につなげられるようにやっていきたいです。
──松本さんのなかで「結果にこだわる」部分とは?
まずは常にゴールを狙っています。自分のストロングポイントである攻撃から守備に切り替わった時にボールをすぐに回収して、ゴールにつなげること。それに、ボールを持っていない時にスペースをつくったり、チャンスをつくる部分も意識しています。
──ちなみに、今回のキャンプは誰と一緒の部屋ですか?
四井(沙樹)と一緒です。
──部屋割は毎回違うんですか?
基本的には毎回違います。ただ、前回の合宿も四井と一緒だったので、「まただね」って。
──部屋ではどのように過ごすのでしょう?
お互い自由に過ごしています。よくしゃべりますし、気を遣わないのでめちゃくちゃ楽です。
──松木里緒選手は江口未珂選手と同部屋だと聞いたのですが、江口選手がずっとゲームをしているとか。それぞれ、部屋によって雰囲気が違いすですね(笑)。
そうかも。エグは、ゲームが好きですね。私もスペインでは一緒の部屋になりましたが、やっぱりゲームをやっていました(笑)。
──一緒にやることも?
ありますよ。でも、私はゲームがめっちゃ苦手なんで、相手にならなすぎて(笑)。
──松本選手はホリプロとマネジメント契約を結んだことでも話題になりました。アスリートとしてのステップとして捉える部分もありますか?
やっぱり一番は、フットサルをより多くの人に届けたいという思いが強いですね。そのために事務所の力をお借りできたらと考えて契約させてもらいました。
──露出も増えていますし、反響は大きいのでは?
まだ徐々にという感じですし、CMとかテレビとかは無理ですけど(笑)。
──今後はそういった露出も?
どうでしょう(笑)。
──ただ、ピッチ上でも結果を出せば出すほど、注目も集まってきますよね。
本当にそう思います。だからこそ、このW杯が大きなきっかけの一つになるはずです。まずは自分自身がメンバーに入れるように頑張りたいです。
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