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作成日時:2025.11.13
更新日時:2025.11.13

【女子日本代表】アジアカップの負傷から半年…エース・江川涼が揺れながら進んだ復帰の道

PHOTO BY伊藤千梅

5月のアジアカップで負傷し、長期離脱を余儀なくされたのが、日本のエース・江川涼だ。痛みが引かない日が続き、焦りと不安を抱えながら過ごした6カ月。復帰までの道のりは決して順調ではなかった。

それでも少しずつプレーを重ねながら状態を戻し、女子フットサルワールドカップのメンバーに名を連ねた。フィリピンへと旅立つ前の国内合宿で、江川は自分の歩幅で積み重ねてきた時間と、いま抱いているW杯への思いを語ってくれた。

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思うように進まない時間の中で

AFC女子フットサルアジアカップ2025の準決勝で負傷したのは、5月のことだった。右ハムストリングの肉離れ。全治3カ月と伝えられ、江川にとっては久しぶりの長期離脱となった。そこから復帰に至るまでは、想像以上に時間を要した。

「めちゃくちゃ大変でした。走るまでは早かったんですけど、スプリントとか高強度の動きになると全然痛みが取れなくて。本当にこれで復帰していいのか、と思っていました」

9月に行われた北海道戦で一度は復帰を果たしたものの、その翌週の浦安戦で再び痛みが出てしまう。

「またやってしまって。時間がないのにどうしようって。周りはまず治すことを優先してと言ってくれていたのですが、自分自身は焦りしかありませんでした。怪我して離脱すると、元のコンディションに戻すまで時間がかかるタイプなので、復帰が間に合ってもそこから仕上げる時間が足りない、と思ってしまって。練習中はあまり見せてなかったですけど、裏ではけっこうつらかったです」

9月に行われた国内トレーニングキャンプでは、日本女子代表がフィリピン代表と二度対戦。しかし江川はコンディションの状況もあり、この2試合ではピッチに立つことはなかった。ベンチからは気丈に声をかけ続けていたが、最終日の試合後には、思わず涙がこぼれた。

「お母さんやお世話になった人たちが来てくれていて、ギリギリまで治療してもらっていたのに、プレーしている姿を見せられなかったのが悔しかったです」

ファイナルシーズンに入ってからも、少しずつコンディションを戻していく日々が続いた。

「リーグ戦が1試合残っていたんですけど、状態がよくなくてスキップして、上位リーグに向けてリハビリをやり直しました。立川戦もギリギリで、また痛みが出てしまって。本当はフルで出るつもりだったんですけど、ポイントになってしまって……」

それでも、その後は出場時間も増やしながら、身体の状態を整えていくことができた。

「本当に1歩1歩でした。その1歩が短いというか、全然足りないって思うぐらいだったんですけど、ここ1週間で急に足の状態もよくなってきて、少し安心しています」

アジアカップで負傷し、復帰が遠く感じた時期を思い返しながら言葉を選ぶ。

「アジアカップの怪我を経て、またこの舞台に戻って来られたのは、支えてくださったみなさんのおかげです」

そして迎える女子フットサルワールドカップ。胸の内にあるのは万能感ではなく、リアルな感情だ。

「私はみんなとは違うかもしれないんですけど、まだ不安がすごく大きいです。大丈夫かなって。でも、ここに来れなかった選手がたくさんいるので、その人たちを代表しているし、日本を代表している。だから良い結果を持って帰りたいし、悔いの残らないようにやりたい。不安もワクワクもあります」

W杯を前に、江川の思いは明確だ。

「本当に、何も起きないといいなって。自分自身も怪我をしたくないし、アジアカップの準決勝、決勝みたいに、チームにもつらい思いをさせたくない。いまは頑張りどきだと思っています」

復帰までの道のりは平坦ではなかった。それでも丁寧に積み重ねてきた“1歩”が、今の江川を支えている。長期離脱を経て得たものを胸に、世界の舞台へ向かう。

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