更新日時:2026.02.26
「スタートラインに立った」。就任初年度で王座奪還を果たした名古屋・木暮賢一郎監督が見据える“絶対王者”のさらなる目標【Fリーグ第24節|記者会見/立川vs名古屋】

PHOTO BY本田好伸
【メットライフ生命Fリーグ2025-26】立川アスレティックFC 3-4 名古屋オーシャンズ(2月21日/名古屋金城ふ頭アリーナ)
2月21日、メットライフ生命Fリーグ2025-26シーズンの第24節が行われ、名古屋オーシャンズは立川アスレティックFCと対戦。第1ピリオドに幸先の良いスタートを切り、2点のリードを奪う。第2ピリオドに同点に追いつかれるお、首位を走って来た底力を見せつけ、再び勝ち越しに成功。最終的に4-3で勝利を収めた。
この結果、3試合を残して2位・しながわシティとの勝ち点差を「10」に広げた名古屋は、2シーズンぶりの王座奪還に成功。試合後、木暮賢一郎監督とキャプテン・吉川智貴が記者会見に出席し、優勝の喜びを口にした。
負けの怖さを知ってるからこそタイトルにつながった

●木暮賢一郎監督|名古屋オーシャンズ
──優勝を果たした今のお気持ちを聞かせてください。
まずは選手、スタッフ、事務局、GM、会長、サポーターを含めて、名古屋オーシャンズに関わる方たちに心から「おめでとう」と伝えたいです。
現場では毎日、この日のために、辛い時も苦しい時もあったと思いますが、王座に返り咲くために1年間努力し続ける姿を見てきました。自分は目標を達成するために、厳しい決断であったり、いろいろなことを課さなければならなかったりする立場ですが、誰一人この大きな船から降りることなくやってくれたことに感謝したいです。
優勝を強く願って努力してきた選手たちからは「必ずしもいつもいいご褒美をもらえるとは限らないけど、何年かかっても必ず回収できる」ということを改めて学ばせてもらったシーズンでした。そして何よりも選手たちが本当に頑張ってくれたと思うので、「おめでとう」と伝えたいです。
──第1ピリオドで2点を先行しました。ハーフタイムにはリスクを取らないのか、追加点を取りにいくのか、どのような指示を出しましたか?
ハーフタイムに伝えたのは「3点目が大事だ」ということでした。受け身になったり、優勝を意識するのではなく、前半よりもアグレッシブにゲームを進めていく。そういう話をしましたが、当然、簡単ではありません。
言い方は難しいですが、立川はいわゆる“ノープレッシャー”の状態ですから、残りの20分間でリスクを省みず捨て身のような形で攻めてくることは想定していました。だからこそ、それを上回る必要があるという話をしました。
タイトルが懸かっている状況とそうではない状況なので、ある意味、通常では起こり得ないようなシチュエーションでした。選手たちも非常に苦しかったと思いますが、うまくはねのけてくれたと思います。
──就任初年度での優勝は簡単なことではなかったと思います。序盤戦で連敗するなど苦しい時期もありましたが、優勝できた要因はなんでしょうか。
今の名古屋オーシャンズは、在籍しているすべての選手が“負け”を知っています。それは単なる負けではなく、すべてを奪われたかのような敗北です。そういう負けを知っている集団は、その経験を強さにつなげられると信じていました。
ここにいる(吉川)智貴もそうですが、誰にもわからないような悔しさを知っている選手が名古屋オーシャンズには多くいます。だからこそ、それをはね返すための「勝ちたい」というより強い欲求がある。心の底から負けの怖さを知っているからこそ勝つためにやらないといけない。
そういう認識をもっている選手がいたことが、このタイトルにつながったと思いますし、名古屋オーシャンズとしても、本当の意味での強さを取り戻すところまでたどり着けたと思います。チームとして世界を目指せるように、その一端を自分が担うことができたら、それはありがたいことです。
──監督はシーズン前に「圧倒するような強い名古屋を取り戻す」と話していました。3試合を残しての優勝は、そのスタートラインに立てたという認識でしょうか。
ピッチの中でのプレーのクオリティと勝者のメンタリティの両方を兼ね備えているチームが最高のチームだと思います。今まで以上に強い名古屋オーシャンズにしていきたいという思いはあるので、そういう意味では「スタートラインに立った」「まずは土俵に上がれた」という認識です。
ただ、選手にも伝えましたが、1回の負けですべてを失うわけでもないですし、何度でもやり直せます。先ほども言ったように、負けの怖さを知れば知るほど、勝ちに対する気持ちも出てきて、より成長できると思います。その苦しみを久しぶりに知って、1年で取り返しましたが、必ず近い未来につながる強さを手に入れたとは言えません。“多少”手に入れたというところなので、さらに進化していきたいと考えています。
──最後に、ファン・サポーターへのメッセージをお願いします。
名古屋オーシャンズを応援してくれたすべての方々に「ありがとう」と「おめでとう」を伝えたいです。
自分からのメッセージとしては、日本のフットサルが男女ともにさらなる成長をしていくためには、手を取り合う必要があると感じています。もちろん勝ち負けのあるスポーツですし、それが仕事につながっている方もたくさんいます。
それでも、フットサルというスポーツが好きで、本当に良くしてしていきたいという思いがあるのなら、好きとか嫌いとかに関係なく成長するための努力をするべきだと思います。現場の人間だけでなく、ネクタイをしている方、ここにいるメディアの方、各地で育成を頑張っている素晴らしい指導者の方々が一つになって取り組むべきだというメッセージを残して終わりたいです。
今年は勝つためにすべてを捧げてきた

●吉川智貴|名古屋オーシャンズ
──優勝を果たした今のお気持ちを聞かせてください。
率直にうれしいです。去年悔しい思いをしている分、今年に懸ける思いはすごく強かったので、優勝できて良かったです。
正直、ファイナルシーズンはもっと苦しむだろうと想定していました。こんなに早く決着が着くとは思っていませんでしたが、自分たちのやるべきことをやった結果が、早い段階での優勝という形になったのかなと思います。
──優勝を逃した昨シーズンを踏まえて、相当な気持ちをもって臨んだシーズンだったと思います。まずは目標を一つ達成しましたが、振り返っていかがですか?
4月から、この瞬間をずっとイメージして、今年は勝つためにすべてを捧げてきたつもりです。それがどれだけチームのためになったのか自分ではわかりませんが、思い描いてきた光景を実現できたことをうれしく思います。
ただ、リーグ戦は3試合残っています。みっともない試合はできませんし、全日本選手権も控えています。そこへ向けていい準備になるように、今はしっかりと喜びつつも、また次の試合に向けて準備したいなと思っています。
──今日で優勝が決まる条件は「しながわが敗れ、名古屋が勝つ」という場合のみでした。試合前の心境はどうでしたか?
個人的にはもちろん「今日決まればいいな」とは思っていました。ただ、冷静に考えてまだ4試合残っていて、4試合のうち1試合で勝てばいいわけで。「なんとかこの試合で」という気持ちはありませんでした。
いつも通り戦えば自然と勝ちはこっちに転んでくると思っていましたし、優勝を意識しすぎるのも良くないのかなと思っていました。ただ、「今日決めたい」という気持ちがあったことも事実です(笑)。
──試合後、お子さんたちに手を振っている姿が印象的でした。あの時はどんな気持ちだったのでしょうか。
特別な気持ちはなかったかもしれないですね(笑)。どんな気持ち……。本当に何もなかったかもしれません(笑)。
長女には試合前にいつも「勝ってこい」と言われるので、「勝ったよ」という気持ちだけですね(笑)。
──吉川選手は引退発表後、さらにパフォーマンスが上がっているようにも見えましたが、心境の変化はありましたか?
いえ、正直、何も変わっていません。シーズンが始まる前から「今年で終わるかもしれない」とは考えていたので、発表して何かが変わったという感覚は自分の中ではありません。
──最後にファン・サポーターへのメッセージをお願いします。
昨年は悔しい思いをさせてしまったので、今シーズンは優勝できて、ファン・サポーターのみなさんにも「おめでとう」と伝えたいです。
自分たちが負けてしまっても、ずっと応援してくれていたこと、毎試合、自分たちの背中押し続けてくれたことに本当に感謝しています。みんなでつかみ取った優勝だと思うので、みんなで分かち合えればいいかのなと思います。ありがとうございました。
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