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作成日時:2026.03.25
更新日時:2026.03.30

人生初の「契約満了」を告げられた瀧澤太将、新天地で目指す等身大の目標「もっと必要とされる選手に」【第31回全日本フットサル選手権大会/インタビュー】

PHOTO BY本田好伸

2026年3月20日、しながわシティのユニフォームを身にまとった瀧澤太将の挑戦は、全日本選手権大会・準々決勝で幕を閉じた。

会場となった駒沢オリンピック公園総合運動場 体育館は、かつて、入替戦を制し、悲願のF1昇格をつかみ取った思い出の地。皮肉にもその同じ場所が、しながわでのラストマッチの舞台となった。F2時代からクラブを支え、昇格、そして上位争いへと駆け抜けた4年間。しかし、最後に待っていたのは、プロの厳しさを痛感する「契約満了」だった。

人生で初めて突きつけられた現実を前に、何を思うのか。しながわでの戦いを終えたばかりの駒沢で、瀧澤は次への決意を示した。

取材=本田好伸
編集=柴山秀之

【フットサル大会情報まとめ】



何周も何周もして、自分も成長できた

──まずは、シーズン最後となった今大会を終えていかがですか?

去年もそうでしたが、地域チームの力も上がってきて、1回戦も2回戦も先制点を取られてしまいましたし、全日本選手権はリーグ戦とは違う怖さを感じました。この試合で戦った湘南ベルマーレは力があり、強かったんですけど、それよりもまず、自分たちに負けてしまった部分もありました。

応援してくれている方々、支えてくれているスタッフがたくさんいるなかで、1試合でも、1秒でも長くこのチームで戦いたかったんですけど、それができませんでした。ただ「悔しい」という思いだけでは言い表せない、いろんな思いがあります。

──「自分たちに負けた」とは?

失点や自分たちのミスの部分です。失点はしなかったんですけど、僕も序盤でミスをして、ピンチを招いてしまって。失点しなくても一つのプレーで相手を勢いづかせて、試合の流れが変わってしまいました。

もちろん、相手のプレスもすごかったんですけど、自分自身の集中力や、気持ちの準備が足りていなかったと感じています。

──リーグ戦で「優勝」という目標に届かずに迎えた選手権はどのようなメンタリティで臨んでいたのでしょうか?

リーグにかける思いは、チームとしても、個人としても強かったので、切り替えるのは少し大変な部分もありました。昨年はこの大会で優勝しましたし、このメンバーで連覇を目指して、最後に笑って終わりたかったので、しっかりと切り替えて練習から臨んでいました。

──瀧澤選手にとってはこのチームで戦う最後の試合となりました。今はどんな気持ちですか?

さびしいですね。1年間、あるいは2年間、一緒にやってきたメンバーがいます。僕自身は4年前、GMに拾ってもらってF2からスタートしましたから、その当時からのメンバーもいます。それに、昇格を決めた時の入替戦はこの場所(駒沢)でやって、僕としては加入初年度にF1に昇格できました。

当時は、チームの一人ひとりがF1に上がることを意識して、毎日の練習を積み重ねた結果、本当にチーム力が高まっていたと思います。素晴らしい選手も多かったですけど、そこに思いが乗ることで100パーセント以上の力を発揮できると気づかせてもらいました。

昇格1年目のF1は9位で終わったんですけど、そこから優勝争いをしてきたと考えると、いろいろあった4年間でしたね。

──プロフェッショナルな環境で戦い抜いたシーズンの最後に「契約満了」。プロクラブの宿命ですけど、そうしたシビアな世界において、どのような感覚で毎シーズンを戦っていましたか?

僕は名古屋オーシャンズサテライトから、(1年間の期間限定で結成された)Fリーグ選抜に入って、次の年にバサジィ大分だったので、基本的にはずっと、1年契約でやってきました。

それが当たり前でしたし、次のシーズンの契約を勝ち取るためには結果を出さないといけない。シーズン途中から、焦ってしまい、それがプレーに出てしまうこともありました。そういう経験を何周も何周もして、自分も成長できたかなと思います。

──その覚悟が、チーム力でもある。

どのチームもそうだと思いますけど、終盤になると結束力が高まって、チーム力が上乗せされる感覚はあると思います。それにはきっと、言葉では表せないような“何か”があると思っています。毎日毎日、本当に1日の練習の積み重ねが大事なんです。このチームは本気で今シーズンの優勝を目指していたので、練習中もそうですし、練習終にもすごく言い合うこともありました。時には、比嘉リカルド監督とぶつかる選手もいましたね(苦笑)。

でも、それは本気である証拠だと思うし、そうした経験を経て、一回りも二回りも強くなっていくことを実感できました。それでも結果を出せなかったことは、一人ひとりの責任ですね。最後に結果を出したかったですし、そういう意味での後悔は残ってしまいます。

──契約満了を告げられた時はどのような心境だったのでしょうか。

フロントとの面談で「満了です」と告げられて。もうそこから話すことはなくて、「ありがとうございました」で終わるんですけどね。

正直、今シーズンはリーグ戦で1点しか取っていないですし、ずっと出場できていたわけでもないので、覚悟はしていました。ただ、実際に言われてみると、いろいろな思いも込み上げてきますし、何よりもシンプルに、めちゃくちゃショックでしたね。

大分の時は、契約満了ではなく「移籍」という形だったので、人生で初めて「契約満了」を言い渡されて、すごくへこみました。だから、家族にもどう伝えようかとか、帰りの車の中ですごく悩みました。まあでも、「自分がやってきたことが足りなかった」となりましたね。

このチームは結果をすごく大事にしていますし、僕はクラブの判断を受け入れるだけでした。

──「瀧澤太将の嫁」としても知られる奥様はどんなリアクションだったのでしょうか……。

例えば、公務員だったら収入も安定していて、ある程度は先のことも見込めますよね。でも、この仕事はそうではありません。それでも、仕事のことを理解してくれていますし、大分時代の交際期間も、一番に寄り添ってくれました。変な言い方ですけど、ちょっとおかしいんじゃないかなって(笑)。

今、2人の子どもがいるなかで、来年の自分の給料も、住む場所さえもわからない。そういう仕事を理解して支えてくれていることを本当に感謝してます。でもすごいのが、彼女の反応は、「じゃあどこ行く?」って、僕よりも前向きなんですよね。たぶん、普通じゃない(笑)。

今を生きることは大変ですし、子どもがいるのでその分もっともっと頑張らないといけないと思わせてくれます。

──すごいですね……。では、瀧澤選手はこの先、どんなキャリアを?

自分が今、一番に思っているのは、もっとチームに貢献したいという思いですね。個人的な目標というのももちろんありますけど、どこのチームに行ったとしても、監督が求めるフットサルを理解して、再現して、そして苦しい時にチームを助けられる選手になりたい。

今年はそれを達成できなかったので、まずはチームのために走って、戦って、もっと必要とされる選手になっていきたいと思います。

──個人の野心よりも、チームでの役割がある。

もちろん、日本代表も目指しています。ただ、今は大きな目標よりも、達成できなかった目の前の目標に目を向けたいな、と。僕には、ドリブルで4人抜いてシュートみたいなプレーはなかなか難しいと思いますし、味方ありきで生きてくる選手ですから、まずはチームのためにやります。

年齢も今年で30歳になりますし、チームのために体を張れる選手になって、そこから得点とか、代表とか、そういう部分も目指したいと思います。

第31回全日本フットサル選手権大会

<日時>3月14日(土)〜22日(日)

■試合結果<決勝>

<会場>駒沢オリンピック公園総合運動場 体育館
<決勝>3月22日(日)
13:00 バルドラール浦安 2(PK3-4)2 ペスカドーラ町田

■表彰

<優勝>ペスカドーラ町田
<準優勝>バルドラール浦安
<3位>名古屋オーシャンズ、湘南ベルマーレ
<フェアプレー賞>ペスカドーラ町田
<MVP>ビゴージ(ペスカドーラ町田)

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