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作成日時:2026.03.25
更新日時:2026.03.30

“遅咲きのハードワーカー”清水誠也、横浜で過ごした6カ月と“降格の経験”の生かし方「日本代表で、和也と共演する」【第31回全日本フットサル選手権大会/インタビュー】

PHOTO BY本田好伸

第31回全日本フットサル選手権大会は3月22日に決勝が行われ、ペスカドーラ町田が前身時代を含めクラブ史上3度目の優勝を果たして幕を閉じた。

清水誠也は今シーズン途中にY.S.C.C横浜へ電撃加入。インドネシアでの挑戦を経てFリーグの舞台に舞い戻ると、3連続ゴールやシーズン最終節でのハットトリックなどチームをけん引する存在に。しかし、力及ばずチームはF2への降格が決定した。

リーグ戦の悔しさを拭きれないまま迎えた全日本選手権で、横浜はベスト8に進出。しかし、さらなる上を目指して臨んだ準々決勝は、バルドラール浦安を相手に2-5で敗戦。清水の先制点でリードを奪ったものの、40分の戦いで勝ち切ることができず逆転負けを喫した。

清水は今大会をもってチームを退団。弟・和也と比較されることも多い誠也は現在31歳。F1デビューは20代中盤で、いわゆる“遅咲き”だった。そこから海外挑戦を経て復帰したF1で、今度は降格という“ある意味では限られた選手しかできない経験”を得た。清水はこの先、どんなキャリアを歩むのか。

取材=本田好伸
編集=柴山秀之

【フットサル大会情報まとめ】



前線でのハードワークが僕のスタイル

──シーズンはこれで終了となりました。まずはこの試合を振り返っていかがでしょうか。

自分たちが優位になることが難しい試合だとは、みんな理解していました。そのなかでまずは離されないように、いい守備からやっていこうという意識で、いいカウンターからうまく入れ替わり、先制ゴールが生まれたところは良かったと思います。

ただ、あのリードをうまく利用しながら試合を進めることができなかったのは、今日の敗因だと感じています。

──F2降格が決まり、チームとしては難しい状況だったと思います。どのように今大会を迎えたのでしょうか。

いい準備はできたと思います。もう少しリーグ戦の降格を引きずるのかなと思っていましたが、一番最悪な状態ではありませんでした。現役を引退してしまう仲間もいましたし、公式戦で一つでも多く勝つために全員でとにかくやっていこうという意識でやっていました。

──清水選手はシーズン途中での加入でしたね。

国内におけるシーズン途中の加入は本当に難しいものです。例えば、外国人選手であればもう少しやりやすいのかもしれないですけどね。今くらいの時期は、次のシーズンに向けて各ポジションの年齢やキャリアなど、いろんなことを踏まえて人数や体制を考えてチームをつくっていきますよね。

そこから「1年間、頑張りましょう」というのが日本のフットサルのスタイルですけど、そういうなかで途中加入は簡単ではないということもあり、他のクラブには断られてしまいました。自分自身、覚悟が決まらず、関東の外に出ようとは思えなかったのでより難しい状況でした。

──それは仕事のことなどを踏まえて?

それもありますし、家族のこともありました。例えば九州のチームに入ったとしたら、次にまた半年くらいで退団して関東に帰ってくるのは、現実的に難しいじゃないですか。やはり2年くらいは見ないといけないですし、それは大きな壁としてありました。僕がもう少し若ければそれでも関東を離れる選択もできたと思いますけどね。なので、試合に出て結果を出すことにフォーカスできて、いい仕事ができるチームをというところで横浜に引き入れてもらえました。

──加入しての活躍はさすがでしたね。

そうでもないですけどね。結果論ですけど降格させてしまいましたし、いい仕事はできなかったと思っています。自分で評価するなら、今までの横浜にはいないタイプの選手として振る舞えたかなと。

──「横浜にいないタイプ」というのは?

ピッチ内においては、とにかく僕は分かりやすく前で仕事をするスタイルです。なおかつハードワークが僕のわかりやすい攻守の役割だと思っています。その強度感は、インドネシアを経験して、より高められた感覚があったので、それを試合で前面に出そうと考えていました。

フウガドールすみだ時代に培ったチーム全員で戦うスタイルや、練習でどれだけいい雰囲気でやるかという点も自分の特徴だと思いますし、ボルクバレット北九州の時の監督、馬場(源徳)さんの下でハードワークを学べたことが僕のベースにはあります。

そういった背景がある選手は、今の横浜にはあまりいないタイプかなと。そこはピッチ外も含めていい感じにハマったように感じています。

──加入後、結果が求められるなかですぐに3試合連続得点を決めました。チームに馴染むのも早かったのでは?

そもそも、インドネシアでは、「自分を知ってもらう」というハードルが高い場所にいました。なので、言語が通じる時点でけっこう簡単だなって(笑)。

自分を知ってもらうために、自分から声をかけたりもしましたし、若い選手が多いチームの中で上の年齢と下の年齢の選手をつなぐ役割になれば、自分のことを理解してもらえると思っていました。それがチームが良い方向にいく方法じゃないかなとも思っていましたね。

チームの勝利という一番難しいタスク

──横浜は今シーズン結果が出ずに苦しんできました。チームの状況をどのように見てきましたか?

自分は当初から6カ月の契約だったので、それでチームに入り込めるほどの熱量をもつことは簡単じゃないとは思います。ただ、順位表を見ればわかりやすい位置にいたので、「もうやるだけだな」って。でも、3試合連続でゴールを決めたあたりからかなり情が入って、そこから全然、点が取れなくて(苦笑)。

それまでは、いい意味で自分のことを客観的に見られていたんですね。わかりやすく、ゴールを取ることが仕事だっていう部分が結果に結びついていた。でもそこからは自分でもびっくりするくらい点を取れなくて、同時に、こんな2、3カ月でチームに染まれるんだっていう驚きがありましたね。

横浜の選手はみんなうまいですけど、一つの大きなエラーがあったり、うまくいかない時間帯があると、一気に流れをもっていかれてしまうことがあります。それを乗り越えるために必要な味方への鼓舞や、「もう1回ディフェンスからやろう」というマインドセットや、ピッチ内外で締めるものが少なかった。

それをつくるのは試合の時だけでは不可能ですし、毎日の積み重ねによってつくり上げていかないといけません。練習でも、少し気を抜く時間があってもいいですし、ずっと張り詰めていても雰囲気が明るくなるわけじゃないですからね。やるところはやるという空気のメリハリをつけることで、少しずつベンチからの声が出るようなったのかなと。降格しましたが、ファイナルシーズンは負け越さずに戦えました。最初からそうやってできていればよかったですよね(苦笑)。

でも、この降格の経験から何を学ぶのかも大事ですし、どんなメンバーであってもチームのいい雰囲気をつくれることが理想だと思っています。

──F2降格は、ある意味で誰もができる経験ではありません。清水選手にとってどんな意味をもつでしょうか。

チームから求められていた役割は「結果」で、それはつまりチームの勝利です。これは一番難しい仕事ですよね。それに、全員の選手ができる仕事なわけではありません。まずそこに向けてやれたことは、自分としてはポジティブだったと思います。

ただ、残念な結果になってしまったことはすごく悔しいですし、タスクを達成できなかった反省もあります。

だから、この経験をどうやって次に生かすのか。チームがうまくいかなかった時の失点パターンもわかりましたし、逆に言うと、どういう雰囲気で、どういうテンションでやれば自分たちも盛り返せるかを理解できたので、僕にとってはかけがえのない経験になりました。

──今後はどのようなキャリアを描いていますか?

次のキャリアを考えた時に、自分は指導者をやっていきたいな、と。ただ、トップカテゴリーよりは育成年代ですね。というのも、僕はFリーグの舞台に出てくる時期は遅かったじゃないですか。弟の和也はすでに10代の時から注目されてきて早かったですけど、比較して僕は遅くて、F1で戦えたのが25、6歳の時からでした。でも、“息の長い選手”を増やしてかないといけないなと思っています。

Fリーグでチャンスをもらって出たけど、結局は続けていけなくて、2、3年でやめてしまう。今は30歳手前でやめる選手が多いじゃないですか。僕からすると、それは心の問題というか。常に自分の目標をもって、次にどうしたいのか、フットサルをやることで上のチームにいくという明確な目標が必要。そういったことを育成年代から伝えていくことが、日本のフットサル界にとって良いことなのかなと考えています。

──では、清水選手の選手としてのこの先の目標とは?

自分は、日本代表に入りたいと思っています。次のワールドカップが開催される2028年に僕は34歳ですから、わかりやすくラストチャンスです。つまり、この1、2年で結果を出さないとそこに入っていくことはできません。なので、自分の成長のためにも、強い競争のあるチームに入りたいと思っています。

──もし清水兄弟でのW杯共演が実現すれば、それはすごいことですね。

メディアのみなさんも、そういう話は好きですよね(笑)。僕もそのストーリーを達成するために頑張りたいと思います。

第31回全日本フットサル選手権大会

<日時>3月14日(土)〜22日(日)

■試合結果<決勝>

<会場>駒沢オリンピック公園総合運動場 体育館
<決勝>3月22日(日)
13:00 バルドラール浦安 2(PK3-4)2 ペスカドーラ町田

■表彰

<優勝>ペスカドーラ町田
<準優勝>バルドラール浦安
<3位>名古屋オーシャンズ、湘南ベルマーレ
<フェアプレー賞>ペスカドーラ町田
<MVP>ビゴージ(ペスカドーラ町田)

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