更新日時:2019.02.26
【プレーオフへの決意】優勝のピッチに立てなかった2年前。決勝に特別な思いを抱く加藤未渚実「こんなチャンスはない」
PHOTO BY軍記ひろし
2月23日、24日に武田テバオーシャンアリーナで行われるDUARIG Fリーグ2018/2019 ディビジョン1 プレーオフ決勝で、リーグ戦1位のシュライカー大阪とリーグ戦2位でプレーオフ準決勝を制したシュライカー大阪が今季のリーグタイトルを賭けて激突する。
2シーズン前にチームを初のリーグ王者へと導いた木暮賢一郎氏から比嘉リカルド監督に指揮官が交代した新生・大阪。リーグ戦では名古屋に大きく引き離されるも、魅惑のオフェンスを武器に2位でフィニッシュ。さらにプレーオフ準決勝でも立川・府中アスレティックFCに勝利して2年ぶりの優勝に王手をかけた。
2年ぶり2度目のリーグ制覇に期待がかかる中、その優勝を決めたシーズンに出色の出来を見せベスト5に輝いた加藤未渚実。しかしケガの影響により、優勝を決めたプレーオフ決勝の舞台に立つことはできなかった。
「もう一度自分の存在価値を示す試合」と意気込む加藤に、プレーオフ準決勝の振り返りや決勝に向けての決意を聞いた。
立川・府中に劣っている感触はなかった
──準決勝2試合を終えましたが、リーグ戦の大阪に比べると「目覚めた」という印象が強かったのですが、何か変えたことなどあったのですか?
他のメディアでも紹介されていましたが、1戦目の前にアルトゥール選手が内田隼太選手のツイートをグループラインに載せました。「これは何だい?」、「ちょっとした挑発かもしれないね」なんてやりとりがあったのですが、それに対して怒りが込み上げてきたみたいです。
「絶対に許してはいけない。俺たちは歴史があるチームだ。まだ若い選手にこういう扱いをされて黙っているわけにはいかない」と。そこからチームとしても、アルトゥール自身も本気になったというか、勝利に向かって戦うことができましたね。
戦い方を変えたとかいうわけではないです。ただ、アルトゥール選手のこと以外で言えば、1戦目が大事だとは考えていました。リーグ戦では3戦負けている相手でしたし、緩く入ればやられるなと。ここで大阪の強さを見せなければいけないという気持ちで試合に臨みました。
──今のお話にありましたが、立川・府中に対してリーグ戦で3戦3敗でした。プレーオフはリーグ戦とは違う戦いになりますが、それでも苦手意識的なものはありませんでしたか?
町田にも全て引き分け、名古屋にも勝てていないくて立川・府中にも負けていました。上位に対して勝てていない現実は受け止めなければいけません。とは言え、試合の感触としては立川・府中に劣っているとは思っていませんでした。
自分たちから崩れた部分は反省点ですが、やっている内容で負けていると感じたことはありませんでした。その感触を信じて本気で臨めば、そして自分たちから崩れなければ勝てるだろうと信じていました。
──そういう試合のアプローチなども含めて、プレーオフに全て出場している大阪と、若い選手が入ってきた立川・府中の経験の差などもあったのでしょうか?
今の大阪の強みとして、苦しい時間帯や点が欲しい時間帯にゴールを獲れるところがあります。大阪でも今までならば、そういう時間帯で自分たちから崩れてしまうことがありました。
確かにそこで踏みとどまれるのは経験の一つかもしれませんね。経験のある選手でいえば田村友貴選手、アルトゥール選手がいます。彼らはずっとプレーオフを経験していて、その彼らがゴールという結果を残しています。そこがチームの支えになっています。
──加藤選手自身もケガで戦列を離れていた時期があるとは言え、ずっと大阪を支えてきた経験がある選手の1人ですし、この試合に向けた緊張などはなかったのでは?
そうですね、緊張はし過ぎない方なので(笑)。
──チームとしても1戦目の前半に大きくリードした中で、その点差を守るのではなくあくまで攻撃的に戦いましたが、その狙いはどこにありましたか?
前半に4-1として、相手のクロモト選手が崩れているなという印象がありました。なので、チームとして後半もゴールを狙いにいこうと話していましたね。みんなの意識を統一して戦えた試合でした。そういう意味でも自分たちの戦いを示した1戦目の前半。この2試合を20分で分割して考えたとき、その最初の4分の1で試合を決められたことが大きいですね。
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