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作成日時:2025.03.18
更新日時:2025.03.21

能登半島地震・奥能登豪雨から1年。“差”を直視し、一歩ずつ前へ。Fリーグ復興支援イベント「がんばろう!能登・石川復興祭」を開催【活動レポート】

PHOTO BY伊藤千梅、宮原直之

3月8日、石川県輪島市の鳳至体育センターで、令和6年能登半島地震・奥能登豪雨復興支援 Fリーグ復興支援イベント「がんばろう!能登・石川復興祭」が開催された。

本イベントは、フットサルを通じて石川県に笑顔を届けることを目的とした復興支援イベント。一般社団法人日本フットサルトップリーグ、Fリーグディビジョン2に所属するヴィンセドール白山、アビームコンサルティング株式会社の3社が共同で実施。松井大輔理事長や白山の選手たちも参加し、3つのプログラムが行われた。

能登半島地震から1年3カ月、奥能登豪雨から6カ月。変わらぬ傷跡が残る一方で、そこには前を向く人々の姿があった。

■活動の様子はこちら



イベントが生んだ笑顔と、広がる温かい輪

「#がんばろう能登」のバナーが大きく掲げられた体育館に、約25名の輪島市の子どもたちが集まった。初めは緊張した面持ちで体育館に足を踏み入れた子どもたちも、イベント開始前から白山の選手たちとボールを蹴るうちに、次第に表情が和らいだ。

この日最初のプログラムは、フットサルを通じた交流イベント。2024年6月にFリーグ理事長に就任した松井理事長も、この活動に参加した。

白山の選手たちも12人が参加。キャプテンの中嶋亮人選手や石川県出身の廻智樹選手を中心に進行を務め、チームで挑むビンゴゲームやリレー、そして最後のミニゲームを行った。選手たちとハイタッチを交わしながら、子どもたちの表情には自然と笑顔があふれた。

子どもたちの楽しそうな様子に、松井理事長も安堵の表情を浮かべながら「このような活動を通して、地域の人たちに“身近な頼れるお兄ちゃん”がいっぱいいると思ってもらえたら」とコメント。Fリーガーと地域の人々とのつながりが、より強く温かいものになっていくことを願った。

お昼には、現地飲食店『芽吹』によるカレーの炊き出しが行われ、選手や松井理事長が総出で配膳。温かい食事を囲みながら、ほっと一息ついた。

午後には、一般社団法人ASOBIによる運動プログラム「ティラノ de 大運動会!?」が開催された。恐竜の着ぐるみをまとっただけで、何気ない動きや仕草が何倍も面白くなる。子どもたちが本気で笑い、本気ではしゃぐ姿を見て、大人まで思わず笑顔になる温かい空間が広がっていた。

「いつもと違う体験をして、非日常を感じてもらうことは、とても豊かなことだと思います。来てくれた子たちにとって、少しでもワクワクする1日になっていたらうれしい」

ASOBIの代表理事・寺田美穂子さんも、その光景を見つめながら活動の意義を語った。



変わらない現実を前にも“少しずつ”

一歩外に出ると、地震の爪痕が色濃く残っているのが現状だ。

「子どもたちがボールを蹴れる場所は、まだ限られています。いつもコーチが必死に練習場を探してくれていますが、満足に練習できないことも多いですし、それは苦しいですね」

イベントに参加した子どもの保護者が、今直面している現実を語ってくれた。

元々サッカーの競技場があった場所には、いまだ仮設住宅が並んでいる。電柱は傾き、ベンチは倒れ、地面には亀裂が入ったまま。1年前まで当たり前だった日常は、まだ戻ってきていない。

一方、イベントでは、子どもたちは明るい笑顔を見せていた。

「現実を思うと悩むこともありますし、不安もあります。でも、こうして子どもたちが楽しそうにしている姿を見られるのは、親として本当にうれしいです」と保護者は語る。元気にではしゃぐ子どもたちの姿は、見守る親たちにとっても希望となっていた。

悲惨な街並みと、無邪気に笑う子どもたち。本来は対極にあるはずのものが、石川県では自然と共存している。

「今回初めて石川県に足を運び、復旧が進んでいない現状を実感しました。でも、イベントに訪れた子どもたちは、明るい表情を見せてくれる。そのどちらか一方だけを見るのではなく、“差”を直視して、一つずつ埋めていこうよと、伝えたい」

寺田さんは、まっすぐな目でそう語った。

松井理事長が石川県を訪れたのは、今回で二度目だった。初めて足を運んだのは2024年11月。その時も、そして今も、多くの人が困難な日々を過ごしている現実を目の当たりにした。

4カ月経っても、景色はほとんど変わらない。それでも、Fリーグのミッションと重ねながら、松井理事長はこう語る。

「いきなり大きく変えることはできないかもしれないけれど、Fリーグとしても個人としても、いろんな人を巻き込みながら、プティ・タ・プティ=少しずつ、少しずつ何かを変えていきたいです。僕たちも頑張りますし、この現状を知ったみなさんにも手伝っていただけたら」

できることは決して多くはない。それでも、何もしないより、アクションを起こすことに意味がある。そして行動を止めずに「続けること」。一度きりではなく、何度でも。小さな力が積み重なれば、やがて大きな変化につながる。

フットサルから生まれる笑顔には、この街を少しでも前へと進める力があるはずだ。



■2024年11月 松井大輔理事長が石川県ボランティアに参加

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