更新日時:2019.08.05
森岡薫はなぜ、40歳でトップであり続けられるのか? キングが自身のカラダのすべてを語る──/後編
PHOTO BY軍記ひろし
言わずとしれたキング・オブ・Fリーグ、森岡薫。10年以上もトップオブトップでプレーを続け、所属クラブや日本代表で数々のタイトルを獲得してきた。
アスリートの世界では、どの競技であっても逃れられない壁がある。「年齢」だ。しかし森岡は、40歳になった今も、衰えを感じさせることなくピッチに君臨している。
森岡はなぜ、トップであり続けられるのか。リカバリー、コンディショニング、トレーニング。キングが今、自身のカラダのすべてを語る──。
(取材・文 本田好伸/撮影 軍記ひろし/協力 2XU、ビジョンジム パーソナル スタジオ 新橋)
年齢を言い訳にしないからトップでいられる
──トレーニングについても伺いたいのですが、森岡さんの1日はどういう流れですか? 例えばオフシーズンであれば。
オフシーズンは、実はそれまであまりなかったんです。今シーズン前は、自分の代表活動がなかったので休みをもらえましたが。でも、何もしないとすぐに落ちますね。でも、やればやるだけよくなっていく。だから今回は一人合宿を沖縄でやりました。1週間くらい。
──代表合宿があったので、オフというオフがなかった。
(2012年に)帰化してからはないですね。その前は、代表とは無縁でしたけど、年齢的にも30歳くらいだったので(そこまで意識はしていなかった)。それに、3、4キロ太って帰ってくると罰金がありましたから(笑)。でも、特に罰金になったこともなくて、それくらい気にしていなかった。好きなものを飲んで、好きなものを食べて。でも今だと、それはないですね。結局、最初のアスリートの話ですけど、体についての考え方を含めて更新されているんです。以前であれば、みんなももっと休んでいたと思います。でも今では、休んでいる人の方がスタートを切るのが遅くなりますし、それくらいみんな動いているようです。
──では、練習がある日はどういう生活ですか?
練習は10時から12時です。それで、町田は1部練習なので、だいたい17時から18時くらいから1時間半程度、ここ(ビジョンジム パーソナル スタジオ 新橋)や別のところでランニングしたりしています。
──EMS(電気筋肉刺激)によるトレーニングは毎日しているんですか?
いえ、毎日ではないです。
──どれくらいの頻度ですか?
人によって違いますが、アスリートは週一で十分です。
──アスリートでも週一なんですね。一般の人では?
2週間に1回くらいですね。メニューによっても違います。僕らはかなり追い込むので、その“跡が残る”。一般の人でもメニューに応じて2週間で1、2回で、慣れてくれば1週間に1回とか。
──では普段はEMSを使わないトレーニングをしている?
そうですね。それはチームでやっているトレーニングもあるので。最近は、代表チームからもメニューを渡されているので、オフはそれを持って沖縄に行きましたね。相当、走りました(笑)。今までケガをしていた箇所の強化が主な目的だったりするものでしたから。
──それは、一人ひとりメニューが違う。
それはわからないですけど、僕のメニューには名前がありました。以前、内側(ないそく)ともも裏をケガしていたので、それを再発しないために強化するように言われています。
──ちなみに、このジムはどういう経緯で始めたのですか?
ここは、一緒に運営している人の絡みで話をもらいました。僕も会社を立ち上げて今年で4期目ですが、それまではフットサルスクール事業を続けていました。やるだけのことはしていましたが、事業を広げる意味でも、体を鍛える方もやっていくことにしました。
──ジムを経営することで、選手としてのメリットもある?
プレーヤーとしてもそうですし、実際に今、働いてもらっている社員やトレーナーが現役のバスケットボール選手だったりします。もともと、『Global9(グローバルナイン)』という会社を立ち上げたのも、アスリートの方の現役時代、選手生活を終えた後の雇用を生み出したいという想いがあったので、最初は「フットサル」という形でスクールをしていましたが、こういったジムでも、異なる競技の人でもやれますからね。と同時に、合間の時間を使って自分の体を鍛えることもできますから、自分のトレーニングにもつながっているはずです。
──アスリートの雇用はある意味で、競技だけで生計を立てられる環境ではない場合は特に、生活への不安を取り除くことで、自分の体と向き合う時間を作ることもできますよね。
そうですね。今のFリーグの選手は、生活のために他の仕事をしなければいけません。でも自分のパフォーマンスを高めるための仕事であれば、ここでもやれるということが、選手にとってはいいことだろうと思っています。なかにはスクールをしている選手や、クラブのスポンサー企業などで仕事をしているケースもありますし、それも一つの形ではあります。選手生活を終えた後につながれば、それがいいと思います。ただやはりそうではない選手もいるので、そういう人に向けては、体のコンディションを意識してもらえるように。違うチームの選手であっても、それでいいパフォーマンスができているということであれば、僕にとってはうれしいことですし、やっている意味があると実感することができます。
──では、トップアスリートであり続けるために、この先はどうしていきますか?
僕がトップでやり続けるために?
──まだまだ、続けてもらえるんですよね……?
まあ、そうですね、自分ではいい区切りを考えていますけどね(笑)。そこまではトップでいたいです。そこから先はまだわからないです。そこに行ってから考えます。でもそこまでは言い訳をしたくはないので。代表でもチームでも、もう40歳だからと言ったことはないですし、そこを出したくはない。言い訳していないからこそ、トップでやれているとも思っています。
逆に言えば、年齢を考慮してもらっているからとは絶対に思いたくない。そこまでは、トップでいたい。その先はまだ決めていません。
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