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【メジャー競技“じゃないほう”座談会・後編/ビーチバレー×フットサル】倉坂正人(ビーチ)×藤井桜子(ビーチ)×田口元気(フットサル)

PHOTO BY軍記ひろし

「今」を積み重ねることが次につながる

──ビーチバレーの選手は、企業の社員であっても、会社にあまり行かないでスポンサードを受ける形態が多いと思います。でも田口選手は普通に働かれていますよね。素朴な疑問ですが、大変じゃないですか?

田口 そうですね……大変だと思ったことはないですね(笑)。午前中に練習をして、午後から仕事をして。夜はお客さんと会食をしたり。もちろん翌日も練習があるのでお酒は飲まないですが、関係づくりに必要な時間でもあるので。そういうことをしていますね。

──リーグ期間中も変わらずに?

田口 そうですね。

藤井 それはすごいですね。

田口 遠征中でも、パソコンを開けば仕事ができてしまうので。以前、新卒で勤めていた会社は、当時は夜の時間帯の練習だったので、普通に朝から出社して夕方まで働いていました。フットサル選手ということを考慮してもらっていなかったですし、新人として覚えることもたくさんありましたから、会社のトイレから試合当日に「すみません。今日は行けないです」って監督に電話したこともありました(笑)。

──今、社会には「セカンドキャリア」というテーマがあります。アスリートが競技を引退した後にどういうキャリアを選んでいくのか。「選手の次の人生」という意味での言葉ですね。でも田口選手は、それを同時に進めています。トップ選手であり社会人である「デュアルキャリア」という生き方ですね。ビーチバレーでは、現役を退いた後にどうしていくといった話題が出ることはありますか?

藤井 私は、教育関係の会社で、シーズン中はあまり業務はないのですが、アフタースクールの『ナナカラ』に月に何回か訪問しています。子どもたちが現役アスリートと一緒に体を動かせるという機会ですね。そういう活動で会社に貢献できたらと思っています。引退は、時期を含めてまだ考えていないですが、もし今、選手を辞めても、その会社で働かせていただく道もあるとは思います。ただ、自分で海外遠征の飛行機や宿泊先を手配したり、現地でのやり取りするような、アスリートとして自分で自分をマネージメントしていくことが、次の自分のキャリアにつながるのかなとも感じています。今だから経験させてもらえることをしようと。バレーボールでは、仕事はほとんどしないで練習をこなして、マネージメントすることもなかったりします。ビーチバレー特有の、個人としてやるということが、競技にも、自分の人生にも生かせると感じています。監督がいないわけなので、ゲームメイクも自分で考えないといけないですからね。

──田口選手は、アスリートのスキルはそのまま社会に生きると話していましたよね。

田口 2つの軸があるという認識ではなく、同じことをやればいいのかなと。結果の出し方が違うだけというか。藤井さんがおっしゃったように、今やっていることが次につながると思っています。「次」というか、今を積み重ねていくという感覚ですね。

──競技に専念するという選択肢はないですか?

田口 ないですね、はい。

──ビーチバレーでは、競技だけでは生活できない選手がアルバイトをしながら死ぬ気で打ち込んでいますが、そのステップアップとして、企業などの所属先が決まって、競技に専念できるという流れもあります。そういうイメージではないと。

田口 僕の場合はですが。周りにこのスタイルの選手が多いわけではありません。おっしゃる通り、皆さんプロを目指して来年の契約をつかみにいくわけですけど、僕の場合は、そこにとらわれてはいないというか。クビになってもいいなんて思ってはいないですし、仕事があるからそう思っているわけではなくて、今をやり切っているからこそ、どうなっても受け入れる。今やっている自分が自分。来年、もしかしたら契約更改できずに移籍したり引退したとしても、同じように新しいやり方を考えます。もし仮に、(競技だけに専念できる契約の)話が来ても、受けないと思います。

倉坂 競技も仕事もすることが、両方にいい影響がある。

田口 それは間違いなくありますね。だから単純にめっちゃ楽しいですよ。

藤井 すごくそういう雰囲気が出ていますよね(笑)。

田口 ビーチの選手は、引退するとその所属先で話をする感じですか?

倉坂 そのまま働けるのがいいケースで、あとは自分で他の仕事を探したり、コーチとしてやっていく方もいます。

田口 そういうことってけっこう考えていますか? あまり考えていない選手も多いなと感じているのと同時に、自分のこの考え方は、誰かに推奨してもしょうがないなと思っています。考えている人はすでに自分で考えていますし、考えていない人に、考えさせようとすることはあまりうまくいかないなと(苦笑)。

──では最後ですが、こうして異なる競技のトップ選手同士で話をしてみてどんな感想をお持ちですか?

倉坂 僕は久しぶりにチーム競技をされている方とお話しできたことが大きいですね。僕はビーチバレー選手であると同時に、それはすなわち経営者であるという考えを改めて持つべきだなと。理念を持つこともそうですが、短期・中期・長期と考えていく。パートナーはいますが、自分のなかで段階を踏んでやっていく必要がありますよね。いい勉強になりました。ありがとうございました。

藤井 田口さんとお話ししていて、応援してくださる地域の方々をすごく大切にされていることを感じました。ビーチバレーは所属も違うし、言ってしまえば敵同士です。でも、競技人口も少ないですし、選手はもっとみんなに応援してもらえるように、ライバル関係を超えて環境づくりに取り組んでいかないといけないですね。競技のなかでは「自分さえよければいい」という考えもあると思いますが、それだけではこのスポーツのファンを増やして盛り上げていくことはできないなということをすごく感じました。今年は、ライバルでも……。

倉坂 うちらは試合しないし、ライバルじゃないって(笑)。

藤井 (笑)。そうですし、男女の違いもありますけど、みんなで盛り上げられるようなアクションを起こしていけたらと思います。

田口 「じゃないほう」のスポーツを盛り上げていきたいと考えている気持ちは一緒なんだなということをすごく感じました。改めてフットサルも負けないで盛り上げたいと思いましたし、スポーツの横のつながりをどんどん広げていきましょう!

倉坂正人(くらさか・まさと)
1990年2月7日生まれ、石川県出身。石川県立工業高→早稲田大。三菱オートリース所属。

 

藤井桜子(ふじい・さくらこ)
10月15日生まれ、東京都出身。都立駒場高→日本体育大。市進ホールディングス所属。

 

田口元気(たぐち・げんき)
1991年7月3日生まれ、茨城県出身。鹿島学園高校→神奈川大。フウガドールすみだ所属。

 

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