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2020.05.02

【木暮賢一郎×福角有紘オンライン対談】「日本一に導くグループマネージメント」。若手選手を導く方法論に正解はあるのか。育成年代の指導を語ったライブ配信がアーカイブでも視聴可能!

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5月1日(金)、フットサル指導者の木暮賢一郎氏と多摩大学フットサル部監督の福角有紘氏によるオンライン対談が実現。その模様は木暮氏が主宰するオンラインサロン「フットサル・コーチング・ラボ」の公式YouTubeチャンネルにて無料でライブ配信され、番組終了後の現在もアーカイブで視聴できる。

教わるより自分たちで身につけたものは失わない

今回のテーマは「日本一に導くグループマネージメント」。2019年の全日本大学選手権で同大学を日本一へ導いた福角氏と、かつて、FリーグU23選抜やシュライカー大阪サテライトで20歳前後の選手を指導してきた木暮氏。“大学年代”の指導実績を持つ両者は、年代特有のマネージメントをどのように捉えているのか。かつて、指導者がいなかったフットサル黎明期から第一線でプレーを続けてきた彼らの“昔話”も交えながらのトークセッションとなった。

対談の核となったのは、大学年代の選手への接し方。それは、決まり切った方法論ではなく、あくまでそのチームが所属するカテゴリーや、チーム・選手の目標を踏まえるところから考える必要がある。

「チームを『まとめる』と思ったらうまくいかない。彼らが自然と勝ちたいと思えるようなところに持っていけるか。指導者がコントロールしようとするとダメ。最初は常に失敗でした。自分がやり過ぎてしまったり、厳しく接してしまったり、求めるハードルが高かったり。大学生を理解できていなかった。自主性とは、選手それぞれ、チームそれぞれにあると思います。(全日本大学フットサル選手権で)初めて全国3位になったときに、優勝した同志社大学も強かったのですが、(同じく3位だった)順天堂ガジルは、(翌年から)大学3連覇したのですが、本当に強かった。でも、彼らには監督がいない。自分たちで考えて、作り上げてそこまでたどり着いた。その姿を見たときに、今の自分では超えられないと感じました。教え込んでしまうと、受け身になってしまう。能動的になること。選手が主体性を出すためにどうしたらいいかを常に考えながらいろいろとチャレンジをしてきて、その過程では失敗もたくさんありました」(福角)

一つは、自主性を求めること。一方で、木暮氏は異なる見方も提示する。

「アリとはそういう話をよくしてきたけど、自分は(クラブチームの指導なので)いわゆる部活の指導はない。そこには全く違う環境や目的がある。僕が見ていたFリーグU23選抜やシュライカー大阪サテライトには大学生も多く在籍していました。クラブとして目指していたのは、当然、それぞれのコンペティションでいいプレーをすることもそうですが、根本には、『何人がトップに上がれるか』がある。なので、セットプレーやシステムなども、基本的にはトップと同じものをやります。仮にトップでケガ人が出て、サテライトから練習参加できたときに、トップは3-1システムがベースだけどサテライトは4-0システムしかやっていないということでは、選手がいくら調子がよかったとしても困ってしまう。トップとしてはあくまでも週末の試合に勝つことを目的にやっていますから、若い選手を上げて、そこで悪い影響を与えてはいけません。技術やフィジカルが足りないことはマイナス評価ではないですが、どこにポジションを取っていいか、セットプレーで迷子になってしまうということは避けないといけない。そういう意味では、アリが言う、選手の自主性、自ら進んでやることで引き上げていくということは、僕の場合は必ずしもイコールではなかった」(木暮)

大学年代のテーマも、それ以下のカテゴリーと同様に、「育成」と「結果」の二軸がある。木暮氏はそこで、「両方を大事にした」という。「試合に勝つことを学ばないと、その先のFリーグでは戦えないから」。と同時に、トップとは異なる方法で結果を出せると考えても、できる限りトップと同じ方法で勝つことを優先する。例えば「サテライトではパワープレーをしないで勝てていても、トップにいけばやることになる。公式戦におけるパワープレーの経験の有無は、将来に関わってくる。そこでできたこと、できなかったことが改善につながる」ということだ。

そう考えるとやはり、大学年代には常に、目的に応じた指導が求められる。

対談の最中、福角氏と木暮氏がお互いに親交を深めた“前十字靭帯仲間”時代や、木暮氏が、ブラジル遠征の期間限定で「カスカヴェウの一員」となった話など、昔話で盛り上がる場面があった。いわゆるフットサル黎明期と呼ばれた時代、チームには専任監督がいることは少なく、選手たちはブラジル遠征や日系ブラジル人が主催するリーグ戦などを通してノウハウを“盗み”、自分たちで探究しながらフットサルを学んでいった。まさに自主性“しかなかった”ような経験が、彼らの指導の根底にはあるのだという。

「大学生は、教え込むのではなく、自分たちで考えてやったほうが染みついていくと思う。自分たちで考えて、やることに責任を持つ。自分たちがフットサルを始めた頃はそうやっていました。そうやって、選手たちを実社会へと送り出す。それは大学年代を教えることの役割でもあると思う」(福角)

「自分たちで身につけたものは失わない。言葉もそう。今は当然のように(言語化された理論や戦術が)あるし、指導の上では知識を入れたりアウトプットもしますが、僕らがやっていた当時は、言葉もなかった。自分たちで作ったり、数字に当てはめたりした。大切なのは、どれだけ共通の目的で取り組めるか。監督がいなかったとしてもそう。戦術の前に、チームにコミットできるかということ。このチームにいることに誇りを持てないといけない。そこでついていけない選手は、もっと楽しくやりたいとか、目に見えないところではいろんな感情を持つ選手もいると思う。僕らの時代は、そのなかの上位概念として『気持ち』があった」(木暮)

「多摩大では1週間のなかで、攻撃担当、守備担当がそれぞれメニューを考えて、選手への説明も自分たちでやる。そうやって自分で考えるようになると、言語化できるようになる。理解できていないとアウトプットはできない。そうすると今度は、Fリーグなどを見たときに、多摩大ではこうだよなと、置き換えられるようになる。攻撃の組み立て、初期配置、動き方、崩し方、フィニッシュまでの作り方、攻守一体となっているところを見る能力がつく。つまり分析できるようになる。もちろん、それで指導の道に興味を持つこともあるだろうし、トップに行って、指導者の話す内容を素早く理解できるメリットがあると思う」(福角)

指導者が導いた先に、選手やチームの成長がある。「グループマネージメント」で大切なのはやはり選手との接し方だが、アプローチにはいくつもの方法論がある。今回の対談は、育成年代に携わる指導者はもちろんのこと、選手自身、もしくは社会の組織のなかで生きるすべての人にとって示唆に富むものだった。

なお、今回の対談を主催したオンラインサロン「フットサル・コーチング・ラボ」には、木暮氏、福角氏はもちろんのこと、高橋健介氏、須賀雄大氏、内山慶太郎氏、谷本俊介氏、窪堀宏一氏が名を連ねている。これらのメンバーとオンライン・オフラインで交流できるサロンも必見だ。

今回のライブ配信直後の「アフタートーク」も、オンラインサロンのfacebookグループ内で公開中。対談では語りきれなかった話題や、谷本氏、窪堀氏が友情出演してさらに議論を深めるなど“二度美味しい”内容だ。

■木暮賢一郎オンラインサロン フットサル・コーチング・ラボ

■スペシャル対談アーカイブ

木暮賢一郎×福角有紘スペシャル対談 「日本一に導くグループマネージメント」
木暮賢一郎×谷本俊介スペシャル対談 「未来のフットサルはどこへ行く?」
木暮賢一郎×須賀雄大スペシャル対談 「トランジション徹底解剖」
木暮賢一郎×高橋健介スペシャル対談 「ピヴォ当てか? クアトロか?」

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