更新日時:2023.09.13
木暮賢一郎がフットサルの王道「パラレラ」を徹底解説!「一つのアクションで3人の守備者を迷わすことができる」
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6月28日(日)、木暮賢一郎氏が主宰するオンラインサロン「フットサル・コーチング・ラボ」によるオンライン講習会「『パラレラ』〜あなたの知らないパラレラがある〜」が開催された。
パラレラの最大のメリットとは?
フットサル選手であれば誰もが知っている「パラレラ」。だが、その構造は実に奥深いものであり、なおかつフットサルにおいて非常に重要な役割を持ったアクションでもある。
今回の講習会では、攻撃における「組織攻撃(定位置攻撃)」「移行攻撃(トランジション)」「セットプレー」の3つの段階の中でも、「組織攻撃」に焦点を当てて話が進められた。
では、パラレラのメリットとは何か?
木暮氏は、一番大きな利点として「一つのアクションで3人の守備者を迷わすことができる」と語る。たとえば、ピッチ中央でボールを持つフィクソからサイドのアラにパスを預けて、フィクソがパラレラの動きを仕掛ける場合、そのアクションによって、3人の相手守備が、その対応を考えることになるのだという。
フィクソのマーカーは、マンツーマンでつくか、マークを受け渡すか、自陣のフィクソにいる守備者は、カバーリングか、ピヴォのマークか、逆サイドの守備は、味方フィクソのサポートか、目の前のアラを見るべきか(ボールホルダーのアラのマーカーは1対1の対応)。それぞれの選手が迷うために、相手の守備組織を大きく崩せる可能性を持つアクションなのだ。それにパラレラは、「3-1」や「4-0」、「セットプレー」など、どんなシステムや状況でも活用できるものであり、非常にフレキシブルで、再現性の高いものである。
パラレラは、攻撃の一般的な3つのフェーズ「オープニング」「前進」「フィニッシュ」のどの局面でも発生するアクションであり、木暮氏は6つのポイントを軸に話を展開した。
1:スペースの認知と利き足
2:守備を固定させる
3:守備の対応を認知する
4:コーディネーションの種類
5:パスのタイミングと質
6:システム
その中身は割愛するが、パラレラとは、決して2人組の関係だけで完結するものではない。局面で見れば細部にこだわる必要があるものであり、一方で大局で考えれば、自チームのシステムやプレーモデルに大きな影響をもたらすものだということ。木暮氏が映像を交えて紹介していたように、フットサルの超強豪国・スペイン代表も、「パラレラ+ダイアゴナル」「パラレラ+ピヴォ」「ラインカット+パラレラ」など、システムの中で様々なパラレラを活用しながら、最先端のフットサルを表現してきたのである。
また、木暮氏は、自身が最近、高橋健介氏と共に考え始めているパラレラを軸の一つに据えた新しい枠組みについても言及。「ワンライン(スリーオンライン)」と「トライアングル」というコンセプトの中で、パラレラがどういった役割を持つものであるのか、既存の枠を飛び出す仕組みを模索しているという。
「パラレラが絶対ではないが、パラレラを使うことで自分たちがやりたい仕組みに持っていける」
選手としても頂点を極め、指導者としても高みを目指し続ける木暮氏が重要視するパラレラ。今回の講習会は、その根底となるフットサルの枠組みから、細部のプレーに至るまで話が展開していった。なおかつ、パラレラをどのようにチームに導入し、活用し、適応させていくかを考えたトレーニング例も紹介。最後は参加者の質問に答える時間を設けて、予定の1時間を超える濃密な内容の講習会が幕を閉じた。
なお、この講習会は、オンラインサロン「フットサル・コーチング・ラボ」においてアーカイブ視聴が可能。さらに今後は、木暮氏以外のメンバーを含めて、あらゆるテーマの講習会が定期的に開催されることが、木暮氏より発表された。まさに、指導者や、フットサルをもっと深く知り、プレーに生かしたいという選手にとってこの上ない環境が用意されている学びの場だ。
■これまでに配信したスペシャル対談アーカイブ(YouTubeチャンネル)
・木暮賢一郎×窪堀宏一スペシャル対談 「師弟対決!木暮vs窪堀60分一本勝負!」
・木暮賢一郎×内山慶太郎スペシャル対談 「フットサルの50%は本当にGKで決まる?」
・木暮賢一郎×福角有紘スペシャル対談 「日本一に導くグループマネージメント」
・木暮賢一郎×谷本俊介スペシャル対談 「未来のフットサルはどこへ行く?」
・木暮賢一郎×須賀雄大スペシャル対談 「トランジション徹底解剖」
・木暮賢一郎×高橋健介スペシャル対談 「ピヴォ当てか? クアトロか?」
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