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ブルーノ・ジャパンの挑戦
2021.05.08

【U-20日本代表/WEB取材】「日本全体のフットサルレベルを底上げしていくために……」オーシャンカップが延期。木暮監督は今回の活動にどんな意味を持って臨むのか。

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5月8日から5月10日まで、茨城県でトレーニングキャンプを行うU-20日本代表。しかし、今月参加する予定だったオーシャンカップは延期。U-20日本代表チームとして臨む貴重な公式戦の機会がいつ行われるのか不透明な状況になっている。それでも前回の活動から一週間も経たない中で行われる今回のトレーニングキャンプはどんな意味を持って行われるのか。木暮賢一郎監督に、改めてU-20日本代表チームの活動目的を聞いた。

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ショートスパンなのでフィードバックしやすい

──オーシャンカップの延期が決まり、チームとして直近の目標がなくなったが?

前回も似たような話をしましたが、我々が掲げている最大の目標は、オーシャンカップで優勝することでもアジア選手権(U-20AFCフットサル選手権)で優勝することでもなく、A代表に1日も早く1人でも多くの選手を輩出すること、世界の舞台において、現代表を上回る活躍をチームとしても個人としてもできるレベルに引き上げていくことです。

その通過点として、アジア選手権やオーシャンカップで優勝したいという気持ちは、僕は明言していませんが、選手の立場ではあると思います。また「通過点の大会ならば優勝できるよね」という見方もあると思いますし、オフィシャルのゲームで選手が成長するという点も疑う余地はないです。自分が選手だった頃の体験からしても、国際経験、アウェイゲーム、公式戦での経験は、トレーニングマッチとは比べもののにならない経験値なる。それは代えがきくものではないです。難しいですが、なんとか違った形で、選手がそれと近い体験をできるような働き掛けをするのが自分の仕事だと思っています。

──中止になったオーシャンカップ初戦のしながわシティとのトレーニングマッチが組まれました。経緯を教えてください。

まず前回もお話しした、国内のトレーニングマッチはベストの状態のFリーグクラブと行いたいという前提があります。その中で、自分と関わりのあるFリーグクラブの関係者で、U-20の代表活動により理解があるクラブの中から探しています。今回は、コロナ禍での合宿力移動距離などを考慮して、なおかつ初戦の相手だったことも含め、総合的に判断してオファーを出したところ、快諾していただきました。かつて代表選手として共に戦った岸本武志GMや、Fリーグのチームを複数率いてきた岡山孝介監督に、日本の未来のためにという思いを汲み取ってもらい、今回オファーを受けてくれたことに感謝しています。

──前回の合宿から3選手を入れ替えた狙いは?

大きく2つ、あります。1つ目はコンディションです。3人全員ではないですが、コンディションが理由で最初に提出したメンバーから差し替えたというのはあります。2つ目は、未来のための活動だからです。全員を差し替えるというのは難しいですが、ラージリストの中から適切なタイミングで入れ替えを行ないました。コロナ禍で、A代表のW杯予選中止など、いろいろなことが起こりました。あらゆる状況に対応すべく、いろいろな準備をしておく、というのは今まで以上に我々指導者に突きつけられた問題です。国際大会が失われた世代への機会提供、飛び級なども考慮してメンバーを選考しています。

──前回の合宿で行なわれたバルドラール浦安戦(※編集部注:20分×3本で4-10の敗戦)の総括をお願いいたします。

個人としての成長を促す、代表チームとしての成長を促す、という2軸で考えています。代表チームは、パッと集まって強豪国と戦って、なおかつ勝たなければいけない、その前提で、パフォーマンスを発揮しやすい、利き足、ポジションセットのバランスを見てセットを組んでいます。ゲームの構図は、前々回の立川・府中アスレティックFC戦と似ていました。立ち上がり5分過ぎまで我々がゲームを支配し、決定的なチャンスも作るが、先に失点をしてしまうという。

前回のキャンプの前にも選手たちには、ゲームを読むこと、「本当に勝つチームはうまくゲームを進めていく」という振り返りをしているのですが、浦安戦でも同じようなリードされる展開になってしまいました。ただ、後半(2本目)半ばまでは3-3で、府中戦でも後半は5-5で終えていますし、追いつくタフさ、そういうタフさは、合宿中に移動距離が長い中でも強度を落とさずやり抜くことや、メンタル面でも、選手に要求してきたものが垣間見えたと思います。ただ、3対3に追いついてから引き離されたのが課題かなと思います。

失点の内訳は、4失点がセットプレーでした。狙いを持って戦っているので、具体的に対戦相手のセットプレーにすごく時間をかけて対策する、ということ以外に時間を割いています。その中で、最低限の約束事を持って臨みましたが、Fリーグのチームの洗練されたセットプレーに上回れてしまった。それは想定内ではありますし、次のしながわ戦では修正しないといけない。ただ、学びという観点では「1つのセットプレーでゲームの流れが変わる」ということは、この世代の選手には、こういう場で学んでほしい。

ただ、府中戦、浦安戦と、3本目に離されてしまっている、という点に関しては私の方でアプローチが必要だと感じています。出場機会では、3本目はさらに若い16歳、17歳の選手が長く出ているというのはあるが、U-20世代とはいえ代表として戦う中で、3本目にダウンしてしまう、ということは改善しなければならないと思っています。

ただ最初に言った、個人とチームの2軸に関しては確実に成長していると思います。

──短いスパンで、合宿が行なわれていることのメリットは?

ショートスパンなので、フィードバックしやすいです。期間が空くと、前回のことを頭が覚えていなかったり。それと強度についても、このレベルの強度に慣れていない選手にとっては、体が覚えている期間にトレーニングができる。そして改善点についても、フィードバックしやすいメリットがすごくあるので、ありがたいです。あとは、タフになるということは将来必要になること。例えば、毛利ゲンスケはハードだと思うけれど、世界の一流はそういうタフな中でもハイパフォーマンスを出せる、それがいい選手の条件。ケガには気をつけてコンロールしつつもショートスパンでタフにやる中で、我々コーチングスタッフにとっては誰がタフかどうかを見るチャンス。

──2軸あるとお話しされていますが、どちらかというと個の力を上げる方にフォーカスしている?

個と組織は連結しているので、バランスが大事だと思っています。ただ、この合宿の最後にしながわとの試合があるので、どうやってプレス回避するのか、崩れた時の再構築、課題のセトップレー、などゲームから逆算した戦術、戦略のパートと、個のパート。例えば、守備のコンタクトスキル、寄せる時のステッピング、いわゆる「ファンダメンタル」個人技術、個人戦術ですね。攻撃なら、いい体の向きでとか、脅威となるプレーをするとか、そういう部分へのアプローチも必要。短期間で両方にアプローチするのは負荷が高い。ですが、間違いなく言えるのは、この年代で、個をおろそかにして戦術、組織だけにアプローチすると将来勝てない、しかし個だけでも勝てない。なので、2軸からのアプローチを重要視しています。

ここに呼ばれた時点で、自分のストロングポイントはわかっているはずですし、2セッションのトレーニングで理解して、そのストロングポイントを発揮する。ハイパフォーマンスを出すためには訓練しかないので、そういう意味ではあえて快適でない状況で訓練をしてというサイクルをどれだけ選手に与えれるのか、A代表で起こることを疑似体験させてあげたいと思っています。

──ペスカドーラ町田の選手が多いが、彼らをグループの軸に?

大会がなければ個へのアプローチが強くなりますし、大会が近くなればセット構成などのアプローチが強くなる。必要なのは、日々、どういう背景で、どういうカテゴリーでプレーしていて、どこを目指しているのか。町田の選手が多いのは、純粋にトプチームにいる選手が多いからです。

ただ、メンバーリストの中には、地域でプレーしている選手もいるし、年齢が下の世代の選手もいますが、実際にトレーニングをすると大きな差があります。Fリーグのトップでプレーしている選手は、1つのミスでメンバーに選ばれない、1つのミスで負けてしまう、1つのミスでプレー機会を失う、ということを日々のトレーニングからやっている。そうでない環境の選手も、同じような意識を持ってやっていると思いますが、難しいですし、実際にその環境に放り込まれたほうが適応できると思います。

ここに呼んでいるのは、何かしたらポテンシャルがあり、将来への期待がある。だからこそ、ここでそういうことを感じてもらって、クラブに持って帰ってもら忘れずに取り組んでもらいたい。どのチームが、誰が、いうことも、Fリーグのチームでなければいけないわけではない。日本全体のフットサルレベルを底上げしていくために選手を入れ替えて、全体を底上げしていくとが大事。我々としても、可能性や情報も広げていかないといけない。同じ思いを持った指導者の方は全国にたくさんいるので、そういう方々と一緒に進んでいきたいです。

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