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2021.06.22

【U-20日本代表/WEB取材】U-20アジア選手権中止。A代表との兄弟対決も未定。不測の事態をポジティブに捉える、木暮ジャパンの2つの目的

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6月21日から6月23日まで、静岡県・浜松市でトレーニングキャンプを行うU-20日本代表。5月に参加予定だったオーシャンカップは延期となり、唯一の国際舞台となるAFC U-20フットサル選手権は、6月の東地区予選、11月の本大会ともに中止が決定。活動目的の軌道修正が必要なタイミングでのキャンプとなった。木暮賢一郎監督は、サッカーで実現したようなA代表との“兄弟対決”の調整を打診したものの、コロナ禍で変更を余儀なくされたという。ネガティブにも思われる状況下で、木暮監督は、明確に上を向く。21日、オンライン取材でその意図を口にした。

目標が異なるA代表とは、プレーモデルもトレーニングも一線を画す

──今回のキャンプの目的や狙いは?

目的をお話しする前に、当初は千葉県・高円宮記念JFA夢フィールドでキャンプを予定していましたが、コロナ禍の変更があり、静岡県・浜松で開催となりました。試合についても、立川・府中アスレティックFCとのトレーニングマッチを予定していましたが、最終日にアグレミーナ浜松との試合に変更となりました。さらに、来週にはA代表とのゲームを計画していましたが、こちらは予定が変更されたという前提があります。

今回の目的として、我々は(6月上旬に予定された)AFCフットサル選手権が中止となった背景もありますが、近い将来A代表に入る選手を一人でも多く送り出し、日本を背負って立つ選手を育成していくことを、大会の勝ち負け以上に重視しています。その意味で、すでに4名がA代表の合宿で経験を積んでいます。それにもう一人、ケガでいけなかった選手も含めれば、5名をA代表に送り込み、一歩足を踏み込む状態をつくれました。大きな成果を感じていますし、W杯も、その先もありますから、継続して選手を輩出していくことが目的で、キャンプはその一環です。

もう一つ、アジア選手権の開催があれば、海外で代表ユニフォームを着て、国歌を聞き、アウェイの過酷な条件下で、日本では得られない経験ができたという意味での機会損失という事実があります。その代わりとなるA代表との試合を、アジア選手権の決勝と位置付け、ここまでトレーニングを積んできました。残念ながらその機会もなくなってしまったので、我々としては、違う形での機会をつくりたいと考えています。マネージメントや選手のケアは私の仕事です。アジア選手権がなくなり、(U-20代表も出場予定だった)オーシャンカップも延期となり、ネガティブなことが続いているようですが、それをポジティブな力に変え、有意義なキャンプにすることが目的です。

──アジア選手権がなくなるということで、A代表と戦う機会を考えたということですか?

年度が変わったあたり、(5月に行った)バルドラール浦安とのトレーニングマッチの合宿前には計画を考え、オーシャンカップへの出場とA代表との対戦を打診し、具体的な調整を始めていました。浦安戦の前には、限りなくアジア選手権が難しい状況でしたから、そこを計画から外した状態で、選手には目標設定をしました。日程などさまざまな部分ですぐに調整できるものではないですが、いずれも合意を得ていました。来週予定していたU-20代表の活動については、コロナ禍の影響で中止となってしまいました。

──Fリーグが開幕し、U-20代表メンバーで目立った活躍を続けている選手もいます。どう見ていますか?

それは今に始まったことではありません。昨シーズンから、各クラブで頭角を表したり、プレータイムを長く確保できている選手がいました。毎回、19名を呼んだキャンプにおいても、Fリーグのトップクラブで戦う選手を、常に高い割合で招集してきた世代です。彼らを育成いただいた各クラブの指導者や、日本の育成、選手のマインドなど、歴史を重ねるなかで、順調に積み上がっていると感じています。これは私がどうこうではなく、関わってくださっているすべての方々に感謝しています。

選手に対しても、今のプレータイムで満足するのではなく、そこで主役となること、メンバーに入って満足ではなく、長いプレータイムを勝ち取ること、育成組織から昇格してトップで練習しながらも試合に帯同できていない選手は、日々の練習で出番を勝ち取ってほしいということを、常に伝えてきました。選手それぞれの立ち位置があるなか、一つでも高い位置を見て、競争して勝ち抜いてほしいと思っています。

大前提として、私たちは、A代表にふさわしい選手、背負って立てる選手、世界の舞台で活躍する選手を育成したいと考えています。毎回のゲームをチェックしていますから、現状に甘んじることなく、日々練習してもらいたい。それが、常に変わらないこちらからの要求です。

──今シーズンが始まり、ポジティブな変化などは見えますか?

まだ、選手それぞれの今シーズンのプレーを分析している時期ではないですが、昨シーズンのFリーグで名前が挙がっていなかった選手も出てきています。Fリーグだけではなく、まさしく、ここ数日で行われている全日本U-18フットサル選手権大会の都道府県予選においても、Fリーグの育成組織やフットサルを専門的に取り組んでいるチームが成果を上げ、良いプレーをしています。現在、難しい状況であるにもかかわらず、Fリーグのクラブだけではなく、非常にタフに取り組んでくれていると思っています。

──ブルーノ・ジャパンのプレーモデルやコンセプトを踏襲しつつも、木暮賢一郎監督としては、どのようなポジションバランスやキャラクターを考慮して選手を選考していますか?

それは2つあります。一つは、具体的な大会がないため、そこで勝ってタイトルを獲得する、大会でパフォーマンスを出すという前提条件でチームづくりをしていないということです。選手の個の能力を伸ばすこと。A代表やどのクラブでプレーしても対応できる適応力、どんなシステム、監督の下でも適応できる個人戦術を身につけることです。

もう一つ、一番大事なことは野心です。自分がどうなりたいか、どうありたいかという目標設定です。A代表を見据え、そこにコミットして努力していくことが求められます。ですから、具体的なプレーモデルやそれに基づくトレーニングにおいて、A代表とは一線を画す部分はあります。

──前回のU-20アジア選手権でMVPを獲得した大澤雅士選手を招集しました。スペインで活躍している彼の成長や、求めているところは?

成長ということでは、映像のスカウティングしかできていません。ただ、私もスペインでプレーしていましたし、そこがどのようなカテゴリーや監督なのかなど、ブルーノ監督を含めて共有しています。間違いなく、日本とは異なる環境下での人間的な成長、学びがあると確信していますが、手元で見るということで(木暮監督体制で)初めての活動になるので、適応などは今日のトレーニングでしっかり見ていきたいと思います。

彼だけではなく、全選手に日本代表にふさわしいポテンシャルがあります。ですから、各クラブのパフォーマンスが大事であり、日本であってもスペインであっても、U-18であっても関係なく、「どこで」プレーしているかは重視していません。とはいえ雅士は、海外での経験があり、同年代の世界を見ていますし、日本人とは体格が異なる選手と戦っています。エルポソという、世界有数のクラブで見えてくる視点もあると思います。そこについては、国内の選手に対して、彼から刺激を与えることもできると思います。

一方で、すでにA代表を経験している5名がいますから、雅士としても刺激を受けていると思います。互いに競争し、切磋琢磨する環境がありますから、この世代全体で成長できるキャンプになると期待しています。

──毛利元亮選手など、Fリーグにおいて、ピヴォの選手のファウルが減っていないようです。木暮監督は現役時代からファウルが多くはなかったと思いますが、何か改善点などはありますか?

2つの見方があると思います。ファウルには「必要なファウル」と「不必要なファウル」があり、犯して良い・悪い時間帯などを学ぶべきですし、そこについてはクラブでも取り組んでいると思います。

一方で、何かにチャレンジした結果ファウルとなったものと、そうでないものなど、我々としては、ファウルの質を見極める必要があると思います。相手を危険にさらしてしまうファウルはしっかり改善しないといけないですが、あるアクションに対し、チャレンジした結果のファウルについては、能力がありながらもチャレンジしないことがエラーだと思っています。正当なチャレンジで起きたファウルは続けてほしいと考えています。

──つまり、チャレンジできているということでしょうか?

両方の側面があると見ています。我々には大会があるわけではないので、それこそ、ファウル一つで負けるという経験を得ることはできません。6つ目のファウルを犯し、第2PKを与えて負けるといった局面が起こり得るのは、クラブでのコンペティションです。クラブでリアルな試合を積んでいますから、そこで練習に取り組んでいるはずです。

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