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「真面目で厳格」という“キャラクター設定”。日本代表監督の本当の顔|ブルーノ・ジャパンの肖像

PHOTO BY高橋学、本田好伸

「粘り強さ」が日本代表の最大の強み

──ありがとうございます。ぜひ、今だからこそ聞きたいのですが、ブルーノ監督にとって、渡邉知晃はどんな選手でしたか(笑)。

その質問を待っていました(笑)。日本で一緒に仕事をして、トレーニングしてきたなかで、トップレベルの知性を持った選手。それに何より、日本で有数の稀有なタレント「ゴールをもたらす」という点でも傑出していると思っています。実際、トモとは、キミがもう4歳ほど若い時に出会えていたら、また違ったかもしれません。初めて会った頃の感覚では、トモのプレースタイルと、当時から私の求めるプロファイルとが、必ずしも合致していたわけではなかったから。ただし、いろんな国の選手を見てきたなかで、トップレベルの知性を持つ選手だったことは間違いありません。

──うれしいです。

それに今でも忘れないのは、東アジア選手権の際に、タイのホテルの部屋で話した会話が印象に残っています。ピッチ内のトモ以上に、重要だと感じました。素晴らしい人間性だと感じて、すごく感激したことを覚えています。この話をトモには伝えていなかったと思いますが、Fリーグの試合会場でトモの母親に会った際に伝えました。それくらい本気で感激したので。

──ちょっと恥ずかしいので、次の話に進みます(苦笑)。代表チームの話も少し聞かせてください。欧州遠征を半分くらい終えての感想は?

今はすごくいい感じですね。長い間、国際試合をしていなかったですし、積み上げてきたものを実戦で試すためのいい時間を過ごせています。試合を繰り返し行うことで、W杯が近づいてきた感覚もあります。もともと、その道のり自体を楽しむというコンセプトもあったので、積み重ねていけているのは楽しいですね。

──今はブルーノ監督の故郷・スペインですよね?

そうです。自分がよく知っている街を滞在地に選びました。もともと、日本で長期キャンプを組みながら親善試合を予定していましたが、大きな変更を迫られました。計画変更にはスピードが求められましたし、融通の効く場所ということで、ガリシア州にしました。自分がお世話になった人たちが手厚いサポートをしてくれて、ホスピタリティもあり、とてもいい時間を過ごせています。日本ではみんなにサポートしてもらい、快適に仕事ができているので、この非常事態に、日本代表のみんなが同じように少しでも快適に過ごせる場所がどこかを考え、当然の選択として選びました。

──コロナ禍で大変な時期ではありますが、久しぶりの故郷はどうですか?

故郷の空気を吸っていられること、試合では客席に知った顔、親戚、家族の姿を見られるのはすごくうれしいことです。長いキャンプですから、選手もスタッフも、みんなが快適に過ごせることを考えてこの場所を選んでいるので、ポジティブな滞在になっているとは思います。ほぼ毎日2部練習をして、試合もこなしているので、タフなものを乗り越え、きつさを軽減するためには、どんな場所で過ごすかは大切ですからね。ただし、自由に外を出歩いたりできないですし、かなり厳密に外出や、行動を制限して過ごしています。

──監督をする上で、選手との距離感やアプローチをどう意識していますか?

それは、自然体に尽きますね。こうすべきだというコンセプトに当てはめているわけではありません。代表チームはクラブチームのように一緒にいる時間が長くはないので、熟成は簡単ではないですが、共に過ごす時間の質を高めることで、監督と選手の相応しい関係性を築けると思っています。一方で、ピッチの外で話すときは、選手個人のキャラクターに触れ、特に自然に接しています。こうしなければいけないという関わり方はしていません。それを自然にできることが自分の強みでもあると思っています。

──日本代表16名が発表となりました。いい選手がたくさんいるなかで、最後のメンバーに絞る過程での苦労はありましたか?

実際、かなり難しかったです。ここまで代表チームをつくっていく過程で、考え方や戦略はスタッフ陣とも考えてきました。より多くの選手を選び、あえて競争を生み出す狙いがあったので、それができているという意味では、この難しさは誇らしいものです。その分、苦しむくらいに難しくて、ポジションバランスや年齢バランスなども含め多角的に考え、最強のチームをつくるためのベストメンバーを選びました。これは決断。「決めたこと」。それ以上の説明ができないくらい難しい作業でした。

──では最後に、ブルーノ監督が築き上げたベストメンバーの最大の魅力はどこですか?

端的にいうと、「粘り強さ」。これまで個のタレントやグループの強さ、技術・戦術など、何年も取り組んで磨き上げてきたことを要約すると、「40分間最後まで目的に向かってブレずに粘り強く戦い続けられること」が武器だと自覚しています。トモももちろんそうであるように、これまで多くの選手が、代表チームの船が進む推進力になってくれました。記憶にも残っていると思いますし、わかっていることだと思いますが、まずは2012年以来のW杯に返り咲くことを目標にしてきて、それは達成できました。次なる目標は、このW杯で主役になること。注目されるに値するパフォーマンスを発揮すること。それに尽きます。そのための準備を続けてきました。最後の最後まで自分たちのスタイルを持ち続け、磨き上げることで達成できると思っています。

──わかりました。僕もブルーノ・ジャパンの戦いを最後まで見届けます。今日はありがとうございました。今度はぜひ、大会後に日本で笑顔でお会いしましょう!

もちろんです。トモと再会する日を楽しみにしています。

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